39 / 142
一心同体で・・・後編
しおりを挟む
アースドラゴンはいきなり攻撃してきた俺を飲み込もうと口を開く。
俺はアースドラゴンの顔の近くにいたから、その攻撃を避ける術がない。
「ウインドカッター」
しかし俺が身を低くすると後方から風の刃が飛んで来た。風の刃は見事アースドラゴンの顔にクリーンヒットし怯ませたため、俺は難なく噛みつき攻撃を避けることが出来た。
:今のタイミングで攻撃を食らわない⋯⋯だと⋯⋯。
:リルさんナイスカバー。
:さすがのコンビ。
視聴者からも今の瑠璃の攻撃に称賛の声が上がる。
そして俺達は危なげなくアースドラゴンのHPを減らして行き、後数発攻撃を食らわせれば倒せるという所まできた。
:新クエスト雑魚じゃん。
:いや、2人が強いだけ。俺らがやったら即死亡。
:どんな素材が出るか楽しみ。
この時、俺も視聴者もクエストクリアを疑わなかった。
後はカッコ良くアースドラゴンを倒すために、俺は闘気を剣に集め、全てを斬り裂く必殺技、シャイニングブレードの発動準備をする。
しかし、その考えは俺のパートナーである瑠璃も同じで、瑠璃は魔法使い最強の風魔法、全てを吹き飛ばし切り刻む嵐、テンペストの詠唱に入っていた。
「最後は私がとどめを刺しちゃいますよ~」
「いや、ちょっと待て! そのまま魔法を発動したら俺まで一緒に⋯⋯」
「風の精霊ジンよ⋯⋯我が魔力を糧に天へと昇る嵐を解き放て⋯⋯テンペスト!」
「お、おい!」
だが俺の叫び声も虚しく、瑠璃が手に持つ杖から嵐が放たれる。
そういえば瑠璃は、会話成立しない系のスキルの持ち主だった。
とにかく瑠璃の魔法をかわさなくては。しかし俺は今、必殺技の発動動作に入っているため、動くことはできない。
「ジ・エンドです!」
ノリノリの瑠璃のテンペストがアースドラゴンに当たる。するとアースドラゴンは断末魔を上げながらその場に崩れ落ちた。
だがテンペストはアースドラゴンだけではなく俺も巻き込んでいた。身体の軽い俺はアースドラゴンとは違って、テンペストを食らうと宙に舞い上がり、みるみるとダメージを減らしていく。
「くっ! 堪えてくれ!」
俺は祈る気持ちでHPを見ていると何とかギリギリ生き残ることが出来た。
「よし!」
俺は思わずため息をついて安堵し、ガッツポーズを決める。だが喜んだのも束の間、テンペストで空を舞い上がった俺には着地する地面はなかった。
「た、大変です! リトさんが谷底に落ちていく」
「リルのせいだろうが!」
そして俺はゲームオーバーになり、リルだけが素材を剥ぎ取っていた。
「お、俺の素材があ」
「まあまあ、リトさん落ち込まないで下さい。ダークマターは成功のもとって言うじゃありませんか」
「失敗は成功のもとな」
瑠璃は素材を手入れたからいいさ。俺なんかこの1時間、無駄になったんだぞ。
:いつもの展開ww
:あれは避けられない
:確実に狙ってやっている
まあけど視聴者達は盛り上がっているからいいか。
「では、これで今日の配信を終わりにしますね」
「みんなも仲間と狩りをする時は、背後に気をつけるように」
「もし良かったらチャンネル登録、高評価をよろしくお願いしま~す」
「「ではでは、さよう~なら~」」
こうして俺と瑠璃の秘密の時間である動画配信が終わりを遂げるのであった。
俺はアースドラゴンの顔の近くにいたから、その攻撃を避ける術がない。
「ウインドカッター」
しかし俺が身を低くすると後方から風の刃が飛んで来た。風の刃は見事アースドラゴンの顔にクリーンヒットし怯ませたため、俺は難なく噛みつき攻撃を避けることが出来た。
:今のタイミングで攻撃を食らわない⋯⋯だと⋯⋯。
:リルさんナイスカバー。
:さすがのコンビ。
視聴者からも今の瑠璃の攻撃に称賛の声が上がる。
そして俺達は危なげなくアースドラゴンのHPを減らして行き、後数発攻撃を食らわせれば倒せるという所まできた。
:新クエスト雑魚じゃん。
:いや、2人が強いだけ。俺らがやったら即死亡。
:どんな素材が出るか楽しみ。
この時、俺も視聴者もクエストクリアを疑わなかった。
後はカッコ良くアースドラゴンを倒すために、俺は闘気を剣に集め、全てを斬り裂く必殺技、シャイニングブレードの発動準備をする。
しかし、その考えは俺のパートナーである瑠璃も同じで、瑠璃は魔法使い最強の風魔法、全てを吹き飛ばし切り刻む嵐、テンペストの詠唱に入っていた。
「最後は私がとどめを刺しちゃいますよ~」
「いや、ちょっと待て! そのまま魔法を発動したら俺まで一緒に⋯⋯」
「風の精霊ジンよ⋯⋯我が魔力を糧に天へと昇る嵐を解き放て⋯⋯テンペスト!」
「お、おい!」
だが俺の叫び声も虚しく、瑠璃が手に持つ杖から嵐が放たれる。
そういえば瑠璃は、会話成立しない系のスキルの持ち主だった。
とにかく瑠璃の魔法をかわさなくては。しかし俺は今、必殺技の発動動作に入っているため、動くことはできない。
「ジ・エンドです!」
ノリノリの瑠璃のテンペストがアースドラゴンに当たる。するとアースドラゴンは断末魔を上げながらその場に崩れ落ちた。
だがテンペストはアースドラゴンだけではなく俺も巻き込んでいた。身体の軽い俺はアースドラゴンとは違って、テンペストを食らうと宙に舞い上がり、みるみるとダメージを減らしていく。
「くっ! 堪えてくれ!」
俺は祈る気持ちでHPを見ていると何とかギリギリ生き残ることが出来た。
「よし!」
俺は思わずため息をついて安堵し、ガッツポーズを決める。だが喜んだのも束の間、テンペストで空を舞い上がった俺には着地する地面はなかった。
「た、大変です! リトさんが谷底に落ちていく」
「リルのせいだろうが!」
そして俺はゲームオーバーになり、リルだけが素材を剥ぎ取っていた。
「お、俺の素材があ」
「まあまあ、リトさん落ち込まないで下さい。ダークマターは成功のもとって言うじゃありませんか」
「失敗は成功のもとな」
瑠璃は素材を手入れたからいいさ。俺なんかこの1時間、無駄になったんだぞ。
:いつもの展開ww
:あれは避けられない
:確実に狙ってやっている
まあけど視聴者達は盛り上がっているからいいか。
「では、これで今日の配信を終わりにしますね」
「みんなも仲間と狩りをする時は、背後に気をつけるように」
「もし良かったらチャンネル登録、高評価をよろしくお願いしま~す」
「「ではでは、さよう~なら~」」
こうして俺と瑠璃の秘密の時間である動画配信が終わりを遂げるのであった。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
【完結】俺のセフレが幼なじみなんですが?
おもち
恋愛
アプリで知り合った女の子。初対面の彼女は予想より断然可愛かった。事前に取り決めていたとおり、2人は恋愛NGの都合の良い関係(セフレ)になる。何回か関係を続け、ある日、彼女の家まで送ると……、その家は、見覚えのある家だった。
『え、ここ、幼馴染の家なんだけど……?』
※他サイトでも投稿しています。2サイト計60万PV作品です。
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件
森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。
学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。
そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……
先生!放課後の隣の教室から女子の喘ぎ声が聴こえました…
ヘロディア
恋愛
居残りを余儀なくされた高校生の主人公。
しかし、隣の部屋からかすかに女子の喘ぎ声が聴こえてくるのであった。
気になって覗いてみた主人公は、衝撃的な光景を目の当たりにする…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる