姉と妹に血が繋がっていないことを知られてはいけない

マーラッシュ

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告白? の結果は

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こ、告白⋯⋯だと⋯⋯。
 昨日まで神奈さんとは険悪なムードだったのに、1日で惚れる要素があるか? でも恋は一瞬という言葉もあるし本当に俺のことを⋯⋯。
 いや待て。ここはあらゆる可能性を検証してみよう。 
 1番あり得そうなのが罰ゲームの嘘告で、オッケーをした瞬間にネタばらしされるというパターンだ。
 他には瑠璃だったら「ま、まさか先輩、魅了スキルに目覚めたんですか! けど先輩はイケメンじゃないから無理ですよね。そうなると⋯⋯ど、奴隷商人! 無理矢理命令に従う首輪をつけて、私に言うことを聞かせるつもりですか! 先輩の鬼畜、変態! でも私はその命令に抗ってみせます。もし抗えない時はどこぞの姫のように⋯⋯くっ! 殺せ⋯⋯って言いますよ」と考えてそうだな。だがこれはあり得ないことなので却下だ。他に思いつくことといえば⋯⋯恋人として俺の懐に潜り込み、弱みを握りそして⋯⋯。
 何かこれが1番ありそうで怖い。
 と、とにかく返事をしないとな。このままでは顔を真っ赤にさせて、俺の目をジッと見ている神奈さんがかわいそうだ。

「お、俺は⋯⋯」

 神奈さんの告白に返事をしようと口を開いたその時。

「か、神奈さんが告白!」
「ついに羽ヶ鷺のヒロインが男の手に!」
「でも神奈さんって天城くんのこと嫌ってなかった?」
「バカね。それも好きの裏返しってやつだよ。素直になれないなんて可愛いじゃん」

 クラスメート達が一斉に詰めよってきたため、俺は返事を口にすることはできなかった。
 そしてクラスメート達からの指摘に何故か神奈さんが慌てふためく。

「えっ? えっ? 告白? ちちち違います!」
「何が違うのかなあ?」

 動揺している神奈さんに向かって、ちひろはゴシップ記者のように面白がって問いかける。

「わ、私はただ⋯⋯」
「「「「ただ?」」」」

 俺やちひろを含め、ここにいる者達が神奈さんのこれから放たれる言葉に息を飲む。

「放課後時間あるなら付き合ってほしいなって⋯⋯」

 告白じゃないのかよ! でも普通に考えると場所としては教室はありだけど、こんなに人がいる中で告白なんかしないよな。
 神奈さんの言葉に舞い上がっていた自分が恥ずかしくなってきたぞ。

「なあんだ、そうだったの。でも神奈っち、顔を真っ赤にしてリウトの目を見て震えてたよね? あれは好きな人が目の前にいて緊張していたからじゃないの?」

 確かにちひろの言うとおり、話しかけてきた時の神奈さんの様子は明らかにおかしかった。俺もその見解を聞いてみたい。

「あれは⋯⋯止むにやまれぬ事情があって、天城くんに話しかけなければならなかったから⋯⋯」

 ん? この言い方だと神奈さんは俺に話しかけたくなかったということか。神奈さんとの仲が一歩前進したと思ったけどそれはやっぱり幻想だったようだ。

「でも神奈さんが男を誘っているの初めて見た」

 俺の3つ後ろの席で、たまに男泣きをする織田くんの言葉にクラスメート達は頷く。
 確かに神奈さんが男と2人で帰ったという話は今まで聞いたことがない。

「それも違うの! 私は天城くんだけじゃなくてちひろさんも誘うつもりで⋯⋯2人だけで帰るつもりはないの」
「そうだったの。ちなみに私は大丈夫だよ」

 そして事の真相がわかるとクラスメート達は興味がなくなったのか、蜘蛛の子を散らすように離れていった。
 結局告白という甘いイベントなどなかったので、俺は肩を落とす。

「残念だったね、リウト」
「な、何がだ。告白じゃないことなんて初めからわかっていたさ」

 勘違いしていたことがちひろにバレるとからかわれそうなので、俺は平然と答える。でもそうなると何で神奈さんは俺に放課後付き合ってほしいって言ってきたのだろう? 
 そしてその答えはこの後の神奈さんの言葉ですぐにわかった。

「天城くんごめんなさい。私がハッキリと言わなかったばっかりに⋯⋯それでこの後時間あるかな? 紬が2人を連れて来てほしいって言ってて⋯⋯私は不本意だけど」

 ボソッと神奈さんの本音がこぼれる。
 なるほどね。紬ちゃんの頼みだったのか。
 そうでもないと神奈さんが俺に話しかけることなんてないよな。一瞬でも告白と考えていた自分が恥ずかしい。

「俺は大丈夫だよ」
「本当? 妹喜ぶわ」

 今、がを強調されたような気がしたが気にしないようにしよう。

 こうして俺は昨日と同じ様に、目の前の女の子にとっては望まれない客として、神奈姉妹の自宅へと向かうのであった。
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