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1巻
1-3
しおりを挟む「ゴブリンキングなら私のお世話係が倒しました」
「えっ? それは本当ですか?」
「ええ……そして残りのゴブリンを倒すために洞窟へ行こうとしたら、あなたを見つけたと言うわけです」
「そうですか……だったら僕も連れていってください」
子犬に見えるけど、神獣のフェンリルなら戦力になるだろう。こちらとしても断る理由はないが……
「ここに来る途中で傷口が凍っているゴブリンを見たけど、それは君がやったのかな?」
「はい」
それなら実力的にも申し分なさそうだ。
「わかった。それじゃあ俺についてきてくれ」
「わかりました」
そして当初の作戦どおりマシロはここに残り、俺はフェンリルを連れて洞窟の中へと向かう。
洞窟に入ると段々入口からの光が届かなくなり、視界が暗闇に遮られる。
「これだと見えませんよね。灯魔法」
フェンリルが魔法を唱えると俺達の前に光の玉が現れ、周囲を明るくしてくれた。
「光魔法も使えるんだね」
「はい。水魔法程得意じゃないけど」
ただの子犬と思って近寄ったら、とんでもない目にあわされそうだな。
「そういえば僕を治療してくれた時、セレスティア様と同じ気配を感じました。あなたは何者ですか?」
「俺は天界にいたことがあって、セレスティア様に神聖魔法を教わったんだ」
「セレスティア様に魔法を!? それはとても羨ましいですね……僕は……」
フェンリルは途中で言葉を切ってうつむいてしまう。何か落ち込む理由があるのだろうか。
だがそのことを考えている暇はなかった。
「この先にゴブリンがいます」
「わかった。君が魔法で攻撃をして討ちもらした奴を俺が倒す。それでいい?」
「はい」
先に進むと、灯魔法の光に誘き寄せられた数匹のゴブリンが迫ってきた。
「行きます! 氷柱槍魔法」
フェンリルが声高に魔法を唱える。
すると五本の氷の槍が、ゴブリンへと放たれた。
氷の槍のスピードは速い。これは簡単には避けられないだろう。
「グキャァッ」
俺の予想どおり、ゴブリンは氷の槍をまともに食らう。
そして断末魔の叫びを上げるとその場に崩れ落ちた。
「俺の出番はなかったね」
「ご、ごめんなさい」
「いや、怒ってるわけじゃないんだ。やっぱり神獣と呼ばれるだけあって強いね」
「……僕なんかまだまだです。ゴブリンキングに手も足も出なかったし」
そういえばフェンリルは何故ここにいたんだ? セレスティア様が天界の生物は基本地上には降りて来ないと言っていたけど……
何か事情がありそうだけど、今はゴブリンを倒すことに集中した方がよさそうだ。
「また来ます」
「わかった」
そして俺達は足を進め、洞窟内にいるゴブリンを全て倒すことに成功した。
「これで終わりかな」
「はい。近くには生物の匂いは感じないです」
匂い? やはりイヌ科だから嗅覚がとても優れているのか?
「それにしてもすごい剣技ですね。ゴブリンキングを倒したのも頷けます」
「そうかな? あまり人と比べたことがないからよくわからないけど」
「羨ましいです。僕にもその強さがあれば……」
なんとなくフェンリルは強さに執着があるように感じる。もしかしてそれが地上にいる理由なのか?
少し気になるから洞窟を出たら聞いてみるかな。
「あっ! あっちの方に何かありますよ」
突然フェンリルが駆け出した。
その方向に視線を向けると、キラキラと光る物が見えた。
「こ、これは……」
そこには金や銀、宝石などの財宝があった。
「すごいですね」
マシロが感嘆している。パッと見だけど、一生遊んで暮らせる額はありそうだな。
ゴブリン達がどこからか集めてきたのだろうか。
「ともかくここに置いといてもしょうがないな」
俺は異空間に財宝を収納した。
これでいつでも財宝を取り出すことができる。
「あの……」
異空間に財宝を収納し終わった時、背後からフェンリルに話しかけられた。
「あなたの名前を教えてもらってもいいですか?」
「ああ……まだ名乗ってなかったね」
ゴブリンを倒すことを優先してしまい、大事なことを言い忘れていたし、聞き忘れていた。
「俺はユート……君の名前も教えてもらってもいいかな」
「僕には名前がありません。自分の主と認めた人物に名前をつけてもらうのが、フェンリル一族の風習でして」
マシロと似たような理由だな。天界の聖獣や神獣にはそういう決まりがあるのかもしれない。
「ぜひ、ユートさんに名前をつけてほしいというか……」
「それってこれから俺についてくるってこと?」
「……はい。もしユートさんがよければ」
そうなると白虎とフェンリルが俺のパーティーメンバーになるのか。
強すぎてとんでもないことになってきたな。
「別に構わないけど……ただ俺はこの国から出ていかなくちゃならないんだ。それでもいい?」
「は、はい! 大丈夫です!」
フェンリルは嬉しそうに頷く。
そこまで喜ばれたら、断ることはできないな。
黒いフェンリルの名前か……こういうのは苦手だけど俺がつけるしかないんだよな。
確かフランス語でノアールは黒……でもそれだと少し安直だから短くして……
「名前は……ノアでどうかな?」
「ノアですか……はい! とても素敵な名前だと思います」
よかった。どうやら喜んでくれたようだ。
「それじゃあマシロも待っているから、外に出ようか……ノア」
「はい」
こうして俺は新しい仲間、ノアを加えて洞窟の外で待つマシロのもとへと向かった。
「遅かったですね」
「悪い悪い。でも洞窟の中にいるゴブリンは全て倒したぞ」
俺達を待ち構えていたマシロが、少し不機嫌そうに軽口をたたいてきた。
「それに洞窟の奥ですごい物も見つけたんだ」
「すごい物ですか?」
俺は異空間から洞窟で見つけた金や宝石を見せる。
「こんな物、私には価値がありませんね。ユートの好きにしてください」
「僕も必要ないので、ユートさんが使ってください」
「そうなの? わかった」
確かに猫と犬が財宝を持っていてもしょうがないよな。
だけどこの財宝の使い道は既に決まっている。マシロとノアの許可も得られたので、好きに使わせてもらおう。
「あの……マシロさん」
「なんですか?」
「僕もユートさんと旅をさせてもらうことになったので、よろしくお願いします」
ノアが深々と頭を下げると、マシロはため息をつく。
「やはりそうなりましたか。お世話係が決めたなら、私はとやかく言うつもりはありません。名前もいただいたのでしょう?」
「はい。ノアと言います」
「私はマシロ。仕方ないからこのパーティーの決まりごとを教えてあげます。まずは私には絶対服従であること」
おいおい。この駄猫は何を言い出すんだ。ノアが新入りなのをいいことに自分ルールを押しつけるつもりか?
「それと自分の命を大切に、仲間を裏切らない」
俺はマシロを止めようとしたが、少しいいことを言ったので様子を見ることにする。
「困ったことがあったら仲間に相談する。私はあなたの事情をなんとなく理解しています。一人で先走らないようにしてください」
事情? もしかしてそれはノアが地上に来たことと何か関係があるのか?
「見た目が少し違うだけで……神の使いと呼ばれたフェンリル一族も心が狭いですね」
「それに僕は落ちこぼれだったから……」
なんとなく今のマシロとのやり取りで、ノアの事情がわかった気がする。確かフェンリルの毛は神々しい白色をしていたはず。しかしノアの毛は漆黒という言葉が似合う色だ。やれやれ……そのくらいのことで差別するなんて、マシロの言うとおり心が狭い一族だな。いや、人間も似たようなことをしているから何も言えない。
なんだかこの場の雰囲気が少し重くなった。
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「えっ?」
珍しくいいことを言ったと思ったら、結局は自分の要望をノアに押しつけていただけだった。
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「あっ? 待ってください。まだ話は終わっていません」
こうして俺はマシロの無茶な要望を聞きつつ、カバチ村へと戻った。
村に戻ると、メイちゃんやメイちゃんのお姉さん、最初に会った中年男性や大勢の村人達に出迎えられた。
「お、おお……ユートくんか。さっきは助かったよ」
「ゴブリンは倒しました。これでもう安全ですよ」
「そうか……ありがとう」
ゴブリンがいなくなったのになんだか皆の表情が暗いな。
何かあったのか?
「ねえねえ村長さん」
メイちゃんが、俺達が最初に会った中年男性に話しかける。
村長? あの人が村長さんだったんだ。
「メイ達お引っ越ししなくちゃいけないの?」
「ああ。ユートくんのおかげで死者は出なかったけど、村がこの有り様だからね」
周囲を見ると黒煙が立ち上っていた。
ゴブリン達に田畑を荒らされ、家は燃やされたことが見てわかる。
「偽勇者にお金を渡してしまったし、もう村を修復するお金もないんだ」
「そうなの……メイ、お家から離れたくないよ」
「このままここにいても、死を待つだけだ。わかってくれ」
メイちゃんは泣き出してしまい、村人達は悲痛な表情を見せている。
「ニャ~」
「ワン」
マシロとノアが俺に向かって、何かを訴えるように鳴いている。
わかってる。俺も最初からそのつもりだったから。
二人の気持ちも俺と同じでとても嬉しい。
「村長さん。村の復興にはこちらを役立ててください」
俺は異空間から洞窟で手に入れた財宝を取り出す。
「なっ! 金や宝石が……どこから出したんだ!」
「これは洞窟の奥で発見した物です。おそらくゴブリンが集めていたのかと」
「こ、これを私達にくれると言うのか」
「はい。それからゴブリンの素材も全て村のために使ってください」
「いや、だが……これらの素材は全てユートくんのものだ。受け取れないよ」
村長さんは俺のことを思ってくれているのか、財宝を受け取ってくれない。
だが、実はこれは恩返しでもある。
天界から地上に降りて山の中で暮らし始めた時、この村では生活用品を仕入れたり、時にはおばあちゃんやおじいちゃんから野菜をタダでもらったりとお世話になった。感謝の意味も込めて受け取ってほしい。
「ねえ村長さん、メイ達お引っ越ししなくてもいいの?」
「そ、それは……」
村長さんはメイちゃんの問いに困惑している。
村長さんも本当は頷きたいのだろう。だから頷けるように俺が後押しをする。
「そうだよ。メイちゃんはこれからもカバチ村に住めるんだよ」
「本当? よかったあ。メイ、皆のことが大好きだから、ここにいられてとっても嬉しい」
泣き顔だったメイちゃんから笑みが溢れる。
メイちゃんや村の皆を笑顔にできるなら、財宝を渡すことなど大したことじゃない。
「ユートくん……ありがとう。本当にありがとう」
俺は村長さんに両手を握られ、何度もお礼を言われる。
村がゴブリンに襲われていて驚いたけど、最悪の事態は回避できてよかった。
ゴブリン達も倒したし、これで安心して村を離れられる。
「それでは俺はこれで」
まだ空には太陽があって明るい。今からなら夜までに次の街へ行けるはずだ。
俺は村人達に背を向けて、北へと歩きだす。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! せめて何かお礼をさせてくれないか」
「いや、お礼なんかいいですよ」
「そういうわけにはいかない! 帝国や冒険者ギルドに今日のことを報告するよ。きっと何か褒賞がもらえると思うからそれまではこの村で……」
げっ! それは困る。
ギアベルに村を助けたなんて知られたら、追放された奴が余計なことをするなと怒鳴られるだろうな。
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「今日俺がここにいたことは秘密にしてください。それでは失礼します」
「あっ! ちょっと!」
「お兄ちゃんありがとう!」
俺は村長やメイちゃん、村人達の声を背に、逃げるように北へと向かうのであった。
第二章
俺達は走ってカバチ村から離れていた。
「ふう……ここまでくれば大丈夫か」
「ここまでくれば大丈夫か……じゃありません! 何故私達が逃げるような真似をしなくてはならないのですか? せっかくお礼として新鮮な魚をもらえるところでしたのに。ノアも骨付き肉が欲しかったですよね?」
「ぼ、僕はそんな……はい」
どうやらお腹は正直のようだ。マシロもノアも不満を表している。
ここはノアにも正直に何があったか話した方がいいな。
「それは申しわけなかったな。実は俺が帝国を出ていくのは――」
俺はわざと勇者パーティーを離脱したことを伝えた。
「先程も聞きましたが、最悪な人間ですね」
「ユートさんに雑用を押しつけ、手柄は全て自分の物だなんて、そんなの酷いです」
マシロもノアも怒っている。
どうやら俺と同じ考えのようだ。
「そういうことで、今俺達は北を目指している。二人は今の話を聞いても俺についてきてくれるか?」
「仕方ないですね。お世話係についていってあげましょう」
「もちろんです」
どうやら帝国追放の事情を知っても、ノアはついてきてくれるようだ。マシロも生意気だけどなんだかんだ懐いてくれている。
そして俺達は帝国から脱出するため、北へと歩き出した。
◇◇◇
ユート一行が北を目指していた頃。
ギアベル率いる勇者パーティーはカバチ村の西にある、ランザックの街の宿屋で静養していた。
「ふざけるな! この俺がゴブリンキングごときに負けただと!」
ギアベルはベッドの側にあった花瓶を手に取り、壁に叩きつける。
その様子をパーティーメンバーであるファラ、マリー、ディアンヌは恐れながら見ていた。
「お前達のせいだ! お前達が上手く立ち回らなかったから俺がこんな目に!」
ギアベルはゴブリンキングのこん棒をまともに食らったことで、身体中の骨が砕かれ、ベッドから起き上がることができないでいた。動くのは花瓶を投げつけた右腕だけだ。
「ディアンヌが敵を引きつけておかないからだしぃ」
「私はマリーの矢がいつもより威力が弱かったせいだと思っています」
「ファラの魔法が発動しなかったからじゃない」
三人とも自分ではなく、仲間が悪いと口にする。
そしてそれはギアベルに対しても同じだった。
「ギアベル様も~調子悪そうに見えたしぃ」
「確かに動きが重いように感じました」
「いつもに比べて精彩を欠いていましたね」
ギアベルはパーティーメンバーの指摘を受けて、怒りで顔を赤くした。
「まさか俺のせいだと言いたいのか?」
ギアベルは威圧を込めて三人を睨み付ける。
すると三人は慌てて首を横に振った。
「ギ、ギアベル様のせいじゃないですよぉ」
「私達のせいです。申しわけありません」
「次は活躍できるよう頑張ります」
内心ではギアベルもいつもと比べて動きが悪いと感じていたが、三人は逆らえずにいた。
「そのとおりだ。もし次も醜態をさらすようなら、お前達もユートのように追放してやるからな」
ユートのように追放……その言葉の意味は、帝国に住むことができなくなるというものだ。三人はユートと違って帝国に家族がいるので、追放を避けるために、次は上手くやると決意する。
「それより、俺の怪我を治せる回復術師はまだ見つからないのか?」
「今探しているところなんだけどぉ……まだ見つかってなくてぇ」
「いつまで俺をベッドに縛りつけとくつもりだ! 早くしろ!」
ギアベルの怪我は並みの回復術師では治せない程重傷だった。
「そういえば以前は、ユートがパーティーの回復役も務めていましたね」
「今まで私は回復魔法を使う者とパーティーを組んだことがありません。まさか回復魔法があそこまで便利なものだと知りませんでした」
「あとどこから調達したのか知らないけどぉ……あいつのバッグにはなんでも入ってたねぇ」
「ディアンヌ、マリー、ファラ……それはあいつが有能だったと言いたいのか?」
三人はギアベルに問われて失言であったことに気づき、激しく首を横に振る。
「奴は無能だったから俺のパーティーには必要なかったんだ! 奴のおかげで勇者パーティーになったわけではない! 二度とユートのことは口にするな!」
三人は頷く。
客観的証拠があってもギアベルはユートの力を認めない。
だが次の依頼によって、否が応でも自分達の立ち位置に気づかせられることになるとは、今のギアベル達は知る由もなかった。
◇◇◇
カバチ村を離れて、三日程北に移動した俺達は、港街フェルドブルクに到着した。
フェルドブルクは帝国最大の貿易都市として知られており、人の多さがカバチ村とは段違いで、活気に満ち溢れていた。
「風が気持ちいいですね」
海に近いということもあり、程よい風が俺達に心地好さを運んでくれる。
それにここには新鮮な魚がたくさんあるため、マシロは御満悦だ。
「さて、これからどうするか」
船に乗れば西にも北にも東にも行ける。
西は温暖な気候なため、生活する上では便利そうだ。北は寒冷地となっており魚がおいしそうだが、数ヶ月程経つと気温が下がるので、マシロが寒さに耐えられるか心配だ。
東は暑すぎず寒すぎない場所だが、西や北程栄えてはいないし、山や森が少し多い地域だ。
どうせ当てのない旅だ。マシロとノアの意見も聞いてみるか。
俺は二人に、それぞれの方角の地域に何があるか簡単に説明した。
「私は寒いのが苦手なので、北以外ならどちらでも大丈夫です」
「僕はどこだろうとユートさんについていきます」
とりあえず三択から二択になった。
西か東か……俺が住みやすいのは間違いなく西側だろう。だけど西側は栄えているため人の数が多い。マシロとノアは猫と犬のふりをしなくちゃならないから、二人にとってはストレスになるだろう。それなら……
「東に行くぞ」
「仕方ないですね。ここはユートに従いましょう」
「わかりました」
こうして次の目的地が決まった。
まずはマシロの言葉に従って市場に行き、新鮮な生魚と焼き魚、それと焼いた骨付き肉と野菜と水を大量に仕入れて、異空間にしまう。
異空間の中は時間が経過しないため、もし遭難したとしてもこの食料があればしばらくは生きていくことができるだろう。海の上では何が起こるかわからないしな。
ただお金をたくさん使ってしまったため、勇者パーティーの時に稼いだ分はほぼなくなってしまった。
残り大銀貨五枚か……まあ余程のことがない限り、大丈夫だろう。
ちなみに日本の通貨と比べるとこの世界の通貨は……
銅貨は百円。大銅貨は千円。
銀貨は一万円。大銀貨は十万円。
金貨は百万円。大金貨は一千万円。
白金貨は一億円。大白金貨は十億円だ。
まあお金の問題はとりあえず置いといて、今は帝国から脱出することが先決だ。これ以上話の通じないギアベルと同じ国にいたくない。
俺達は船に乗って帝国の東に行くため、港へと向かう。
そしてちょうど帝国の東にある小国、ムーンガーデン行きの船があったので乗ることにする。
個室の料金も入れて大銀貨一枚だったため、船員にお金を払った。
ムーンガーデンまでは船で二日かかる。
俺一人なら大部屋でもよかったが、マシロとノアは二十四時間周りに人がいるとストレスを感じると思い、個室にしたのだ。
しばらくして、とうとう船が出航する時間となった。
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