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|漆黒の牙《シュヴァルツファング》討伐戦中編
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「何だと!」
まさか遠距離から攻撃をしてくるとは。
だけどもしかしたらと想定していたので、俺は向かってきた刃に対して身を捻る。
すると刃をかわすことに成功した。
危なかった。遠距離攻撃があるかもと考えていなかったら、今の攻撃を食らっていたかもしれない。
これがスキル欄にあった漆黒の爪というやつなのか。
俺はチラリと地面に視線を向ける。
刃が通った場所は土がえぐれ、まともに食らったらただじゃすまないことを物語っていた。
この攻撃を絶対に食らう訳にはいかない。
だが今の攻撃なら油断さえしなければかわすことは出来そうだ。
漆黒の牙は今度は地上から漆黒の爪を連続で放ってきた。
「ゴホッゴホッ⋯⋯そんな攻撃当たらないぞ」
俺は咳き込みながら、漆黒の爪をかわしていく。後は距離を詰めることが出来ればいいんだが。
しかし漆黒の牙は神剣を警戒しているからそれは容易ではない。
今は隙が出来るのを待つしかないのか。
漆黒の牙は再び高く飛び上がる。
また空中から漆黒の爪を放つつもりか? 何度打っても無駄だということをわからせてやる。そうすれば痺れを切らして、こっちに突撃してくるかもしれない。
しかし漆黒の牙の狙いは違った。
「ワオォォォォッン!!」
飛び上がっている最中に咆哮を始める。
「ゴホッゴホッ⋯⋯だからそれは俺には効かないと言っている」
俺にとってはただうるさいだけだ。
ん? 俺にとっては? まさか!
漆黒の牙の視線はこちらには向いていなかった。視線の先にいるのはマシロとノアだ。
俺は急ぎを二人の元へと向かう。
すると漆黒の牙はマシロとノアに向かって漆黒の爪を放った。
「くっ! 咆哮で動けなくなった二人を狙うとは!」
やはりそれなりに知恵があるということか。
漆黒の爪が二人に猛然と迫る。
「くっ! 足が⋯⋯」
「動け動け動いてよ!」
ダメだ。二人は咆哮によって動けないでいる。
こうなったらやるしかない。
俺は迫り来る漆黒の爪を神剣で斬りつける。
すると漆黒の爪は跡形もなく消滅した。
「ご、ご苦労でした。さすがは私の世話係です」
「ありがとうございます。助かりました」
二人が無事で良かった。
どうにか漆黒の爪を斬り払うことが出来たか。
やはりディバインブレードは神剣と呼ばれるだけあって、相当優秀な剣のようだ。
地面を切り裂く漆黒の爪を、まさかあっさり斬り払えるとは思っていなかった。
だけどこれで漆黒の爪を完全に防ぐことが出来る。
「ゴホッゴホッ⋯⋯二人共大丈夫か」
「ええ⋯⋯ようやく足が動くようになりました」
「咆哮を放つ前に魔法で牽制してみます」
さて、これから俺達を仕留めるために何をしてくるつもりだ。知恵があるなら、漆黒の爪を無闇に放ってくることはないとは思うけど。
漆黒の牙はこちらに視線を送り、変わらず殺気を放っている。
すると地面を力強く前足で蹴り、こちらに突進してきた。
「速い!」
さっきまでのスピードと比べると段違いだ!
まさかこれがスキル欄にあった疾風迅雷なのか!
目にも止まらぬスピードとはまさにこのことで、風を切り裂き、雷のように一瞬で目的地に到達する。疾風迅雷の名前に相応しい速さだった。
こちらに接近してきた漆黒の牙は黒い爪を振りかざしてきた。
俺はその爪を何とか神剣で受け止める。
二撃目が来る前に斬り払うが、そこには誰もいなかった。
そして再び漆黒の牙は猛スピードでこちらに迫ってくる。
すると鋭い爪で再び攻撃してきた。
だがその爪はギリギリ俺の目には見えているため、神剣で防ぐ。
俺は反撃しようとするが、既に漆黒の牙は目の前にはいなかった。
まさかリスクを回避するために、一撃離脱の戦法をとっているのか?
確かにこのスピードでは神剣で斬るのは至難の業だ。
だけど漆黒の牙の攻撃も俺には当たらないぞ。
移動スピードは凄まじいものがあるけど、攻撃に関しては先程と変わらい。
どうやら疾風迅雷は、移動スピードが上がるだけで、攻撃スピードが上がる訳ではなさそうだ。
この後、互いに決め手がなく、膠着時間が続いた。
しかし俺達の第一目的は、レーベンの実を早く手に入れることなので、この状態は好ましくない。
「ゴホッゴホッ! ゴホッゴホッ!」
俺は激しく咳を放ちながら、神剣を構える。
こちらはまだ漆黒の牙に全くダメージを与えることが出来ていない。このままだとこちらが不利だ。
そしてしばらくの間、ただ漆黒の牙の攻撃を防ぐ時間が続くのであった。
まさか遠距離から攻撃をしてくるとは。
だけどもしかしたらと想定していたので、俺は向かってきた刃に対して身を捻る。
すると刃をかわすことに成功した。
危なかった。遠距離攻撃があるかもと考えていなかったら、今の攻撃を食らっていたかもしれない。
これがスキル欄にあった漆黒の爪というやつなのか。
俺はチラリと地面に視線を向ける。
刃が通った場所は土がえぐれ、まともに食らったらただじゃすまないことを物語っていた。
この攻撃を絶対に食らう訳にはいかない。
だが今の攻撃なら油断さえしなければかわすことは出来そうだ。
漆黒の牙は今度は地上から漆黒の爪を連続で放ってきた。
「ゴホッゴホッ⋯⋯そんな攻撃当たらないぞ」
俺は咳き込みながら、漆黒の爪をかわしていく。後は距離を詰めることが出来ればいいんだが。
しかし漆黒の牙は神剣を警戒しているからそれは容易ではない。
今は隙が出来るのを待つしかないのか。
漆黒の牙は再び高く飛び上がる。
また空中から漆黒の爪を放つつもりか? 何度打っても無駄だということをわからせてやる。そうすれば痺れを切らして、こっちに突撃してくるかもしれない。
しかし漆黒の牙の狙いは違った。
「ワオォォォォッン!!」
飛び上がっている最中に咆哮を始める。
「ゴホッゴホッ⋯⋯だからそれは俺には効かないと言っている」
俺にとってはただうるさいだけだ。
ん? 俺にとっては? まさか!
漆黒の牙の視線はこちらには向いていなかった。視線の先にいるのはマシロとノアだ。
俺は急ぎを二人の元へと向かう。
すると漆黒の牙はマシロとノアに向かって漆黒の爪を放った。
「くっ! 咆哮で動けなくなった二人を狙うとは!」
やはりそれなりに知恵があるということか。
漆黒の爪が二人に猛然と迫る。
「くっ! 足が⋯⋯」
「動け動け動いてよ!」
ダメだ。二人は咆哮によって動けないでいる。
こうなったらやるしかない。
俺は迫り来る漆黒の爪を神剣で斬りつける。
すると漆黒の爪は跡形もなく消滅した。
「ご、ご苦労でした。さすがは私の世話係です」
「ありがとうございます。助かりました」
二人が無事で良かった。
どうにか漆黒の爪を斬り払うことが出来たか。
やはりディバインブレードは神剣と呼ばれるだけあって、相当優秀な剣のようだ。
地面を切り裂く漆黒の爪を、まさかあっさり斬り払えるとは思っていなかった。
だけどこれで漆黒の爪を完全に防ぐことが出来る。
「ゴホッゴホッ⋯⋯二人共大丈夫か」
「ええ⋯⋯ようやく足が動くようになりました」
「咆哮を放つ前に魔法で牽制してみます」
さて、これから俺達を仕留めるために何をしてくるつもりだ。知恵があるなら、漆黒の爪を無闇に放ってくることはないとは思うけど。
漆黒の牙はこちらに視線を送り、変わらず殺気を放っている。
すると地面を力強く前足で蹴り、こちらに突進してきた。
「速い!」
さっきまでのスピードと比べると段違いだ!
まさかこれがスキル欄にあった疾風迅雷なのか!
目にも止まらぬスピードとはまさにこのことで、風を切り裂き、雷のように一瞬で目的地に到達する。疾風迅雷の名前に相応しい速さだった。
こちらに接近してきた漆黒の牙は黒い爪を振りかざしてきた。
俺はその爪を何とか神剣で受け止める。
二撃目が来る前に斬り払うが、そこには誰もいなかった。
そして再び漆黒の牙は猛スピードでこちらに迫ってくる。
すると鋭い爪で再び攻撃してきた。
だがその爪はギリギリ俺の目には見えているため、神剣で防ぐ。
俺は反撃しようとするが、既に漆黒の牙は目の前にはいなかった。
まさかリスクを回避するために、一撃離脱の戦法をとっているのか?
確かにこのスピードでは神剣で斬るのは至難の業だ。
だけど漆黒の牙の攻撃も俺には当たらないぞ。
移動スピードは凄まじいものがあるけど、攻撃に関しては先程と変わらい。
どうやら疾風迅雷は、移動スピードが上がるだけで、攻撃スピードが上がる訳ではなさそうだ。
この後、互いに決め手がなく、膠着時間が続いた。
しかし俺達の第一目的は、レーベンの実を早く手に入れることなので、この状態は好ましくない。
「ゴホッゴホッ! ゴホッゴホッ!」
俺は激しく咳を放ちながら、神剣を構える。
こちらはまだ漆黒の牙に全くダメージを与えることが出来ていない。このままだとこちらが不利だ。
そしてしばらくの間、ただ漆黒の牙の攻撃を防ぐ時間が続くのであった。
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