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ユートVSギアベル(2)
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俺は剣を抜き、ギアベルと対峙する。
「雑用係が勇者の俺と決闘出来るなんて、光栄に思うんだな」
「それはギアベルの勇者としての格が下がったから、決闘することが出来てってことか?」
「貴様! 舐めたことを」
ギアベルの現状など知りたくもないけど、おそらく勇者パーティーは弱体化しているのだろう。
俺がいた時はこっそり神聖魔法で強化していたからな。
あの時のギアベル達は強くなった原因を自分達の才能のおかげ、隠された力が発揮されたとバカなことを言っていた。
そして神聖魔法の恩恵を受けることが出来なくなったらどうなるかなんて、誰でもわかることだ。
「そういえば取り巻きの三人はどうしたんだ? 愛想をつかされたのか?」
「この俺が捨ててやったんだ! 役立たずの無能は俺のパーティーには必要ないからな」
どうやら弱体化しているという俺の予想は当たってるっぽいな。
「やれやれ、パーティーが上手く行かなくなると他人のせいか。ギアベルは全く成長してないんだな」
「雑用係が調子に乗るな! いいだろう。俺の実力を見せてやる。だが俺の実力を止めろ知った時、お前は地獄に落ちていると思うがな」
「やれるものならやってみろ」
俺とギアベルの間に火花が飛び散る。
だが火花を出していたのは俺達だけではなかった。リズがジーっとギアベルの目を見ていたのだ。
「なんだ女? 睨み付けやがって。殺すぞ」
「ユート様にひどいことを言うなんて許せません」
ギアベルはリズのことを睨み付けていると言っていたが、俺にはただ普通に視線を送っているようにしか見えない。しかしリズはギアベルの言うとおりどうやら怒っているようだ。
「女神セレスティア様は仰いました。ユート様に暴言を吐くあなたには天罰が下るでしょうと」
「はあっ? こいつ頭おかしいんじゃないか?」
ギアベルの言いたいことはわかる。だけどリズは神託のスキルを持っているからな。
あんまり変なことを言うとセレスティア様に⋯⋯いや、セレスティア様の信者である猫にやられるぞ。
マシロも唸りながらギアベルを睨み付けている。このままだと本当に襲いかかりそうだから、俺はギアベルとリズの間に入る。
「リズをバカにするやつは俺が許さないぞ」
「どう許さないか教えてもらおうか」
俺はギアベルと一定の距離を取る。
そして剣を構えるとリズから開始の合図が宣言された。
「それでは初めて下さい」
まずは様子を見るか。
勝ち気で傲慢なギアベルなら、開始と同時に仕掛けてくるはずだ。
「死ねぇぇっ!」
俺の予想通り、ギアベルは猛スピードでこちらに迫ってくる。
そして右に左にと連続で剣を振るってきた。
速い! 手合わせするのは初めてだが、予想以上の剣速に驚いてしまう。
「なんだ? 手も足も出ないってやつか? いつまで防げるか見物だな」
俺が攻撃しないことに気分をよくしたのか、ギアベルの剣速が益々速くなっていく。
しかしいくら勇者であるギアベルでも、全力で剣を振るい続けることなど出来ない。
突如剣の嵐が止むと、後方に下がり距離を取り始めた。
「はあはあ⋯⋯どうだ。ユートごときでは⋯⋯防ぐのが精一杯だろ」
さすがは勇者と呼ばれているだけはある。並みの魔物や人間なら今の攻撃でやられていたかもしれない。
「それじゃあ今度はこっちの番だ!」
「くっ!」
俺はギアベルに向かって突撃をかける。
そしてさっきのギアベルと同じ様に、連続で剣を振るって攻撃を仕掛けた。
「そ、その程度の攻撃で!」
その程度と言っている割には汗をかいて、必死の形相で防いでいるように見えるのは気のせいか?
だが何だかんだ俺はその防御を打ち破ることが出来ず、一度ギアベルから距離を取った。
「はあはあ⋯⋯ざ、雑用係にしてはなかなかやるじゃないか。だが俺はまだ半分の力しか出していない」
「そうか。それなら早く全力を出したらどうだ?」
「言われなくても!」
ギアベルは強がりを言っているように見える。さすがにさっき以上の実力は隠していないと思うけど。
「それを仰るのでしたら、ユート様も本気でやられていませんよね?」
「な、なん⋯⋯だと⋯⋯」
突然のリズの指摘に、ギアベルは驚きを隠せないのであった。
「雑用係が勇者の俺と決闘出来るなんて、光栄に思うんだな」
「それはギアベルの勇者としての格が下がったから、決闘することが出来てってことか?」
「貴様! 舐めたことを」
ギアベルの現状など知りたくもないけど、おそらく勇者パーティーは弱体化しているのだろう。
俺がいた時はこっそり神聖魔法で強化していたからな。
あの時のギアベル達は強くなった原因を自分達の才能のおかげ、隠された力が発揮されたとバカなことを言っていた。
そして神聖魔法の恩恵を受けることが出来なくなったらどうなるかなんて、誰でもわかることだ。
「そういえば取り巻きの三人はどうしたんだ? 愛想をつかされたのか?」
「この俺が捨ててやったんだ! 役立たずの無能は俺のパーティーには必要ないからな」
どうやら弱体化しているという俺の予想は当たってるっぽいな。
「やれやれ、パーティーが上手く行かなくなると他人のせいか。ギアベルは全く成長してないんだな」
「雑用係が調子に乗るな! いいだろう。俺の実力を見せてやる。だが俺の実力を止めろ知った時、お前は地獄に落ちていると思うがな」
「やれるものならやってみろ」
俺とギアベルの間に火花が飛び散る。
だが火花を出していたのは俺達だけではなかった。リズがジーっとギアベルの目を見ていたのだ。
「なんだ女? 睨み付けやがって。殺すぞ」
「ユート様にひどいことを言うなんて許せません」
ギアベルはリズのことを睨み付けていると言っていたが、俺にはただ普通に視線を送っているようにしか見えない。しかしリズはギアベルの言うとおりどうやら怒っているようだ。
「女神セレスティア様は仰いました。ユート様に暴言を吐くあなたには天罰が下るでしょうと」
「はあっ? こいつ頭おかしいんじゃないか?」
ギアベルの言いたいことはわかる。だけどリズは神託のスキルを持っているからな。
あんまり変なことを言うとセレスティア様に⋯⋯いや、セレスティア様の信者である猫にやられるぞ。
マシロも唸りながらギアベルを睨み付けている。このままだと本当に襲いかかりそうだから、俺はギアベルとリズの間に入る。
「リズをバカにするやつは俺が許さないぞ」
「どう許さないか教えてもらおうか」
俺はギアベルと一定の距離を取る。
そして剣を構えるとリズから開始の合図が宣言された。
「それでは初めて下さい」
まずは様子を見るか。
勝ち気で傲慢なギアベルなら、開始と同時に仕掛けてくるはずだ。
「死ねぇぇっ!」
俺の予想通り、ギアベルは猛スピードでこちらに迫ってくる。
そして右に左にと連続で剣を振るってきた。
速い! 手合わせするのは初めてだが、予想以上の剣速に驚いてしまう。
「なんだ? 手も足も出ないってやつか? いつまで防げるか見物だな」
俺が攻撃しないことに気分をよくしたのか、ギアベルの剣速が益々速くなっていく。
しかしいくら勇者であるギアベルでも、全力で剣を振るい続けることなど出来ない。
突如剣の嵐が止むと、後方に下がり距離を取り始めた。
「はあはあ⋯⋯どうだ。ユートごときでは⋯⋯防ぐのが精一杯だろ」
さすがは勇者と呼ばれているだけはある。並みの魔物や人間なら今の攻撃でやられていたかもしれない。
「それじゃあ今度はこっちの番だ!」
「くっ!」
俺はギアベルに向かって突撃をかける。
そしてさっきのギアベルと同じ様に、連続で剣を振るって攻撃を仕掛けた。
「そ、その程度の攻撃で!」
その程度と言っている割には汗をかいて、必死の形相で防いでいるように見えるのは気のせいか?
だが何だかんだ俺はその防御を打ち破ることが出来ず、一度ギアベルから距離を取った。
「はあはあ⋯⋯ざ、雑用係にしてはなかなかやるじゃないか。だが俺はまだ半分の力しか出していない」
「そうか。それなら早く全力を出したらどうだ?」
「言われなくても!」
ギアベルは強がりを言っているように見える。さすがにさっき以上の実力は隠していないと思うけど。
「それを仰るのでしたら、ユート様も本気でやられていませんよね?」
「な、なん⋯⋯だと⋯⋯」
突然のリズの指摘に、ギアベルは驚きを隠せないのであった。
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