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戦略的撤退
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「な、なんだこれは! 動けん!」
地面から現れた無数の氷の手が、グラザムや兵士、村人達を掴み拘束し、周囲は混乱していた。
「ありがとうノア」
俺はこの状況を作り出したノアに、感謝の気持ちを口にする。
すると建物の陰から現れたノアがこちらに向かってきて、リズの肩の上に乗った。
「それじゃあここから脱出するぞ。神聖身体強化魔法」
俺は自分とリズに対して強化魔法をかける。
すると自分の力やスピードが格段に上がったことがわかった。
「こ、これがユート様の魔法⋯⋯力が溢れてきます」
「このまま走って逃げるぞ。ニナさん⋯⋯君も俺達に着いてきてくれ」
「わ、わかりました。あなた方に従います」
良かった。とりあえずニナさんは俺達と来てくれるようだ。
「でも私、そこまで運動が得意じゃないから」
「大丈夫。それは俺が抱きかかえて⋯⋯」
「ダメです」
俺は国境の壁を越えた時のように、お姫様抱っこで運んで行こうかと思ったけどリズに却下されてしまった。
「あっ! いえ、出過ぎたことを言ってしまいました。申し訳ありません」
(私⋯⋯何でユート様に意見を⋯⋯)
この時のリズは何故お姫様抱っこを反対したのか理解していなかった。
その理由が判明するのはもう少し先の話となる。
「え~と⋯⋯わかった。それじゃあニナさん、背中に乗ってもらってもいいかな」
「わかりました」
前屈みになるとニナさんが俺の背中に乗り、肩に手を置いてきた。
リズの時も思ったけど、女の子って何でこんなに軽いんだ? 男の俺にとっては永遠の謎だな。
「しっかり捕まっててくれ」
「はい」
俺達はこの場から離脱するため、ローレリアがある東へと駆ける。
グラザム達はまだ氷の手に捕らえられているため、追っ手来れないでいた。
どうやら逃げ切ることが出来そうだな。
「リズリット! どこへ逃げようが必ず私のものにして見せるぞ!」
グラザムが何か吠えているが、俺達は無視してそのまま突き進む。
だがこの後グラザムは、リズに取っては無視できない言葉を吐いた。
「貴様の両親がどうなったか知りたくないか? 知りたいならローレリアに来るがいい!」
「お父様、お母様⋯⋯」
リズの走るスピードが遅くなる。もしかしてグラザムを問い質すつもりなのか。
「リズ、気持ちはわかるけど今はダメだ」
「⋯⋯わかりました」
再びリズの走るスピードが速くなる。本当は今すぐに両親の安否を聞きたかっただろう。だがリズはその気持ちを押し殺して逃げることを選択してくれた。
「生きている限り、必ず俺が助けてみせるから」
「はい⋯⋯お願いします」
そして俺達はグラザム達から逃れるため、東へと向かう。その際に、走るリズの目から光るものが流されていることに、俺は気づいてしまうのだった。
三十分程走った後、俺達は追っ手が来ていないか確認するため、街道沿いにあった森に隠れて周囲の様子を確認することにした。
「ニナさん、降ろすよ」
「は、はい⋯⋯」
俺は前屈みになり、背負っていたニナさんを地面に降ろした。
するとニナさんは地面に座り込んでしまった。
「ふう⋯⋯こ、怖かったあ」
「ご、ごめん。もう少し優しく運べば良かったかな」
「ううん。そういうことじゃなくてスピードが速くて⋯⋯別にえ~とユートさんを攻めているんじゃないよ。助けてもらったのはこっちの方だし」
「そういえば自己紹介をしてなかったね。俺はユート、こっちはマシロとノア、そして⋯⋯」
「リズリット様ですね」
「はい⋯⋯」
リズが沈んだ表情をしている。もしかしてニナさんの両親のことを考えているのか?
「私達王家の者が不甲斐ないばかりに、ニナさんの御両親が⋯⋯」
「いえ、父も母も本望だったと思います。二人ともムーンガーデン王国のことが大好きだったから⋯⋯」
「それでも⋯⋯これは私達のせいです。本当に申し訳ありません」
この場に何ともいえない空気が流れる。
リズは自分達のせいだと責任を感じているし、ニナさんも王女のリズに頭を下げられて困っているように見えた。
「ごめんなさい。私、すこし席を外しますね」
ニナさんが俺達に背中を向け、森の奥へと足を進める。
「いや、一人は危ないから俺も行くよ。追っ手が来ないとも限らないし」
俺はニナさんを追いかける。
「その⋯⋯来られるとちょっと困るかも。お花を摘みに行きたくて⋯⋯」
ニナさんは顔を赤らめて俺から視線を外す。
「お花を摘みに? あ、ああ⋯⋯そういうことね」
「覗かないで下さいよ」
「覗きません」
ニナさんはトイレに行くため、森の奥へと消えていった。
そして俺は皆の所に戻ると、マシロから冷たい視線が返ってきた。
「最低です。デリカシーがないし女心がわかっていないですね」
「返す言葉もございません」
「それとリズ」
「えっ?」
「あなたはいつまで暗い顔をしているのですか?」
「申し訳ありません」
「あなたにはやるべきことがあるんでしょ? どうしても暗い顔をしたいなら全てが終わった後、一人でしていなさい。もしニナに悪いという気持ちがあるなら、その分あなたがニナのために何かしてあげたらどうですか?」
「マシロちゃん⋯⋯」
「今は行動する時です。あなたの両親も生きているかもしれないのでしょ?」
マシロって普段は身勝手な言動をする時があるけど、たまに正論を言ってくるんだよな。
そのせいかわからないけどリズの心に響いたのか、段々と表情変わっていく。
「そうですね⋯⋯マシロちゃんの言うとおりですね。ありがとうございます」
「ふん⋯⋯別にあなたのために言った訳じゃないです。王国が混乱していると、新鮮な魚が手に入りづらくなってしまいますから」
ツンデレだな。
ここにいる誰もがリズのためにマシロが言ったことはわかっている。本当に素直じゃない猫だ。
「お話の所すみません」
「どうしたノア」
「誰かがこちらに向かってきます」
ノアが周囲の気配を察知したのか、西側の方に視線を向ける。
「追っ手かもしれないな。リズ、ニナさんを迎えに行ってくれ。マシロも頼む」
「わかりました」
「仕方ないですね」
二人はニナさんを迎えに行くため、森の奥へと進む。
そして二分程経った頃。ニナさんを連れてリズとマシロが戻ってきた。
「戻りました」
「誰かが追っ手きたかもしれないんだ。ニナさんはそこの茂みに隠れてて」
「わ、わかりました」
追っ手はまだ見えない。グラザムはリズへの執着心が強そうだったから、追っ手来ても不思議ではない。
「そろそろ馬に乗った人がここに来ますよ」
「それは何人くらいいるかわかるか?」
「一人ですね。他には誰もいません」
「一人?」
それは不用心過ぎるだろ。
返り討ちにあうとは考えないのか?
ともかくここに隠れていれば見つかることはないだろう。
俺達は木や茂みに隠れながら、これから来る追っ手に視線を向ける。
すると一頭の馬に乗った男が、俺達の視界に入るのであった。
地面から現れた無数の氷の手が、グラザムや兵士、村人達を掴み拘束し、周囲は混乱していた。
「ありがとうノア」
俺はこの状況を作り出したノアに、感謝の気持ちを口にする。
すると建物の陰から現れたノアがこちらに向かってきて、リズの肩の上に乗った。
「それじゃあここから脱出するぞ。神聖身体強化魔法」
俺は自分とリズに対して強化魔法をかける。
すると自分の力やスピードが格段に上がったことがわかった。
「こ、これがユート様の魔法⋯⋯力が溢れてきます」
「このまま走って逃げるぞ。ニナさん⋯⋯君も俺達に着いてきてくれ」
「わ、わかりました。あなた方に従います」
良かった。とりあえずニナさんは俺達と来てくれるようだ。
「でも私、そこまで運動が得意じゃないから」
「大丈夫。それは俺が抱きかかえて⋯⋯」
「ダメです」
俺は国境の壁を越えた時のように、お姫様抱っこで運んで行こうかと思ったけどリズに却下されてしまった。
「あっ! いえ、出過ぎたことを言ってしまいました。申し訳ありません」
(私⋯⋯何でユート様に意見を⋯⋯)
この時のリズは何故お姫様抱っこを反対したのか理解していなかった。
その理由が判明するのはもう少し先の話となる。
「え~と⋯⋯わかった。それじゃあニナさん、背中に乗ってもらってもいいかな」
「わかりました」
前屈みになるとニナさんが俺の背中に乗り、肩に手を置いてきた。
リズの時も思ったけど、女の子って何でこんなに軽いんだ? 男の俺にとっては永遠の謎だな。
「しっかり捕まっててくれ」
「はい」
俺達はこの場から離脱するため、ローレリアがある東へと駆ける。
グラザム達はまだ氷の手に捕らえられているため、追っ手来れないでいた。
どうやら逃げ切ることが出来そうだな。
「リズリット! どこへ逃げようが必ず私のものにして見せるぞ!」
グラザムが何か吠えているが、俺達は無視してそのまま突き進む。
だがこの後グラザムは、リズに取っては無視できない言葉を吐いた。
「貴様の両親がどうなったか知りたくないか? 知りたいならローレリアに来るがいい!」
「お父様、お母様⋯⋯」
リズの走るスピードが遅くなる。もしかしてグラザムを問い質すつもりなのか。
「リズ、気持ちはわかるけど今はダメだ」
「⋯⋯わかりました」
再びリズの走るスピードが速くなる。本当は今すぐに両親の安否を聞きたかっただろう。だがリズはその気持ちを押し殺して逃げることを選択してくれた。
「生きている限り、必ず俺が助けてみせるから」
「はい⋯⋯お願いします」
そして俺達はグラザム達から逃れるため、東へと向かう。その際に、走るリズの目から光るものが流されていることに、俺は気づいてしまうのだった。
三十分程走った後、俺達は追っ手が来ていないか確認するため、街道沿いにあった森に隠れて周囲の様子を確認することにした。
「ニナさん、降ろすよ」
「は、はい⋯⋯」
俺は前屈みになり、背負っていたニナさんを地面に降ろした。
するとニナさんは地面に座り込んでしまった。
「ふう⋯⋯こ、怖かったあ」
「ご、ごめん。もう少し優しく運べば良かったかな」
「ううん。そういうことじゃなくてスピードが速くて⋯⋯別にえ~とユートさんを攻めているんじゃないよ。助けてもらったのはこっちの方だし」
「そういえば自己紹介をしてなかったね。俺はユート、こっちはマシロとノア、そして⋯⋯」
「リズリット様ですね」
「はい⋯⋯」
リズが沈んだ表情をしている。もしかしてニナさんの両親のことを考えているのか?
「私達王家の者が不甲斐ないばかりに、ニナさんの御両親が⋯⋯」
「いえ、父も母も本望だったと思います。二人ともムーンガーデン王国のことが大好きだったから⋯⋯」
「それでも⋯⋯これは私達のせいです。本当に申し訳ありません」
この場に何ともいえない空気が流れる。
リズは自分達のせいだと責任を感じているし、ニナさんも王女のリズに頭を下げられて困っているように見えた。
「ごめんなさい。私、すこし席を外しますね」
ニナさんが俺達に背中を向け、森の奥へと足を進める。
「いや、一人は危ないから俺も行くよ。追っ手が来ないとも限らないし」
俺はニナさんを追いかける。
「その⋯⋯来られるとちょっと困るかも。お花を摘みに行きたくて⋯⋯」
ニナさんは顔を赤らめて俺から視線を外す。
「お花を摘みに? あ、ああ⋯⋯そういうことね」
「覗かないで下さいよ」
「覗きません」
ニナさんはトイレに行くため、森の奥へと消えていった。
そして俺は皆の所に戻ると、マシロから冷たい視線が返ってきた。
「最低です。デリカシーがないし女心がわかっていないですね」
「返す言葉もございません」
「それとリズ」
「えっ?」
「あなたはいつまで暗い顔をしているのですか?」
「申し訳ありません」
「あなたにはやるべきことがあるんでしょ? どうしても暗い顔をしたいなら全てが終わった後、一人でしていなさい。もしニナに悪いという気持ちがあるなら、その分あなたがニナのために何かしてあげたらどうですか?」
「マシロちゃん⋯⋯」
「今は行動する時です。あなたの両親も生きているかもしれないのでしょ?」
マシロって普段は身勝手な言動をする時があるけど、たまに正論を言ってくるんだよな。
そのせいかわからないけどリズの心に響いたのか、段々と表情変わっていく。
「そうですね⋯⋯マシロちゃんの言うとおりですね。ありがとうございます」
「ふん⋯⋯別にあなたのために言った訳じゃないです。王国が混乱していると、新鮮な魚が手に入りづらくなってしまいますから」
ツンデレだな。
ここにいる誰もがリズのためにマシロが言ったことはわかっている。本当に素直じゃない猫だ。
「お話の所すみません」
「どうしたノア」
「誰かがこちらに向かってきます」
ノアが周囲の気配を察知したのか、西側の方に視線を向ける。
「追っ手かもしれないな。リズ、ニナさんを迎えに行ってくれ。マシロも頼む」
「わかりました」
「仕方ないですね」
二人はニナさんを迎えに行くため、森の奥へと進む。
そして二分程経った頃。ニナさんを連れてリズとマシロが戻ってきた。
「戻りました」
「誰かが追っ手きたかもしれないんだ。ニナさんはそこの茂みに隠れてて」
「わ、わかりました」
追っ手はまだ見えない。グラザムはリズへの執着心が強そうだったから、追っ手来ても不思議ではない。
「そろそろ馬に乗った人がここに来ますよ」
「それは何人くらいいるかわかるか?」
「一人ですね。他には誰もいません」
「一人?」
それは不用心過ぎるだろ。
返り討ちにあうとは考えないのか?
ともかくここに隠れていれば見つかることはないだろう。
俺達は木や茂みに隠れながら、これから来る追っ手に視線を向ける。
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