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この中で一番強い者
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「カレンちゃんに手出しはさせない!」
向かってくる仮面の者達に対して、ルリシアが剣を構え対峙する。
「ルリシアさん気をつけて下さいまし! この者達はかなりの手練れですわ!」
ルリシアに仮面の男の剣が迫る。
その剣速は鋭く、明らかにブレイヴ学園の生徒の力量を越えていた。
ルリシアは上手く相手の剣に合わせて攻撃を捌くが、徐々に押されてしまう。
「ダメ! 何て速さなの!」
そしてさらにもう一人がルリシアに攻撃を仕掛けようとしている。
このまま二人の攻撃を受ければ、ルリシアが窮地に落ちることは間違いなかった。
だがそれはニナが許さない。
ニナはスカートの下に隠した短剣を二本取り、ルリシアの側にいる二人に投げつける。
「くっ!」
二人は迫る短剣に対して一度後方に下がり、体勢を立て直す。
「ニナちゃんありがとう」
「いえ。やはりこの者達は手強いですね」
そもそも三対五と人数的にも不利であり、ルリシア達は絶対絶命に追い込まれていた。
「ヴィンセント帝国の姫か。今の攻撃で力量の差はわかっただろ。おとなしく引くなら見逃してやらんでもないぞ」
「やっぱりカレンちゃんが狙いなのね。残念だけど帝国の姫は友達を売るような真似はしないわ」
「ルリシアさん⋯⋯」
「ならば共に死ぬがいい」
仮面の者達はルリシアに二人、カレンに二人、そして残る一人はニナと対峙する。
「この中で一番強いのがルリシア姫と聞いている。そのルリシア姫が我々の一人に苦戦している中、カレン王女は堪えることが出来るかな」
「聞いているということは? もしかしてSクラスの誰かからの情報かしら?」
「そのようなことを答える義理はない」
「それと今のわたくしを甘くみていると痛い目をみますわよ」
「ならばその痛い目とやらを教えてもらおうか」
仮面の者達は一斉に三人へと襲いかかる。
ルリシアとニナは仮面の者達の攻撃に手も足も出せず、防戦一方だ。
「三人ともここで死ぬがいい。ダンジョンが貴様らの墓場となるのだ!」
ルリシアに攻撃を仕掛けている者が、意気揚々と語り始める。
この中で一番強いと思われるルリシアを圧倒していることで、仮面の者は勝利を確信していた。
だが数秒後、それは間違いだと気づかされる。
「誰がこのような辛気臭い場所で死ぬものですか。素顔を隠していらっしゃるあなた方こそ、ダンジョンの墓場がお似合いなのでは?」
カレンは優雅に歩きながら、ルリシアの方へと向かっていた。
「バ、バカな! 何故二人が倒されている! カレン王女にそのような力はないはずだ!」
そう。カレンの元へ向かっていた仮面の者達は既に事切れており、地面にひれ伏していた。
「残念ですが、今この場所で一番強いのはわたくしですわ」
「どういうことだ! 俺達が貴様らのような女に負けるものか!」
仮面の者達の一人がカレンへと襲いかかる。
そのスピードは速く、一瞬でカレンのもとへと詰めよった。
「死ぬがいい!」
「無駄なことを」
仮面をつけた者は剣を横になぎ払う。
そしてカレンも同じ様に剣をなぎ払った。
すると剣と剣がクロスし、甲高い音がダンジョンに鳴り響く。
この時仮面の者は、細腕の女に押し負けるはずがないと考えていた。
だがその考えは直ぐ様間違いだと気づく。
自分の剣がカレンの剣に簡単に押し負け、宙に飛ばされたからだ。
「隙だらけですわ!」
そして武器を失った仮面の者の胸に、カレンの剣が突き刺さる。
すると仮面の者は苦悶の声は上げながら、その場に崩れ落ちるのであった。
「これで三人。残るは二人ですわ」
カレンは手に持った剣を仮面の者達へと向ける。
「バカなバカなバカな! 話が違うぞ! 何故カレン王女にこのような力が!」
「それはわたくしがあなた方より強いからですわ。さあ、ここで死ぬか投降するか選びなさい」
カレンは仮面の者達に向かって、最後通告を行う。
「任務遂行のためならこの命、端から捨てている!」
だが仮面の者達は王女に剣を向けた時から、死ぬ覚悟を持っていた。そのためカレンの通告を拒否し、突撃してくる。
しかしその剣はカレンに届きさえしなかった。
何故なら突如現れたユートが受け止めたからである。
向かってくる仮面の者達に対して、ルリシアが剣を構え対峙する。
「ルリシアさん気をつけて下さいまし! この者達はかなりの手練れですわ!」
ルリシアに仮面の男の剣が迫る。
その剣速は鋭く、明らかにブレイヴ学園の生徒の力量を越えていた。
ルリシアは上手く相手の剣に合わせて攻撃を捌くが、徐々に押されてしまう。
「ダメ! 何て速さなの!」
そしてさらにもう一人がルリシアに攻撃を仕掛けようとしている。
このまま二人の攻撃を受ければ、ルリシアが窮地に落ちることは間違いなかった。
だがそれはニナが許さない。
ニナはスカートの下に隠した短剣を二本取り、ルリシアの側にいる二人に投げつける。
「くっ!」
二人は迫る短剣に対して一度後方に下がり、体勢を立て直す。
「ニナちゃんありがとう」
「いえ。やはりこの者達は手強いですね」
そもそも三対五と人数的にも不利であり、ルリシア達は絶対絶命に追い込まれていた。
「ヴィンセント帝国の姫か。今の攻撃で力量の差はわかっただろ。おとなしく引くなら見逃してやらんでもないぞ」
「やっぱりカレンちゃんが狙いなのね。残念だけど帝国の姫は友達を売るような真似はしないわ」
「ルリシアさん⋯⋯」
「ならば共に死ぬがいい」
仮面の者達はルリシアに二人、カレンに二人、そして残る一人はニナと対峙する。
「この中で一番強いのがルリシア姫と聞いている。そのルリシア姫が我々の一人に苦戦している中、カレン王女は堪えることが出来るかな」
「聞いているということは? もしかしてSクラスの誰かからの情報かしら?」
「そのようなことを答える義理はない」
「それと今のわたくしを甘くみていると痛い目をみますわよ」
「ならばその痛い目とやらを教えてもらおうか」
仮面の者達は一斉に三人へと襲いかかる。
ルリシアとニナは仮面の者達の攻撃に手も足も出せず、防戦一方だ。
「三人ともここで死ぬがいい。ダンジョンが貴様らの墓場となるのだ!」
ルリシアに攻撃を仕掛けている者が、意気揚々と語り始める。
この中で一番強いと思われるルリシアを圧倒していることで、仮面の者は勝利を確信していた。
だが数秒後、それは間違いだと気づかされる。
「誰がこのような辛気臭い場所で死ぬものですか。素顔を隠していらっしゃるあなた方こそ、ダンジョンの墓場がお似合いなのでは?」
カレンは優雅に歩きながら、ルリシアの方へと向かっていた。
「バ、バカな! 何故二人が倒されている! カレン王女にそのような力はないはずだ!」
そう。カレンの元へ向かっていた仮面の者達は既に事切れており、地面にひれ伏していた。
「残念ですが、今この場所で一番強いのはわたくしですわ」
「どういうことだ! 俺達が貴様らのような女に負けるものか!」
仮面の者達の一人がカレンへと襲いかかる。
そのスピードは速く、一瞬でカレンのもとへと詰めよった。
「死ぬがいい!」
「無駄なことを」
仮面をつけた者は剣を横になぎ払う。
そしてカレンも同じ様に剣をなぎ払った。
すると剣と剣がクロスし、甲高い音がダンジョンに鳴り響く。
この時仮面の者は、細腕の女に押し負けるはずがないと考えていた。
だがその考えは直ぐ様間違いだと気づく。
自分の剣がカレンの剣に簡単に押し負け、宙に飛ばされたからだ。
「隙だらけですわ!」
そして武器を失った仮面の者の胸に、カレンの剣が突き刺さる。
すると仮面の者は苦悶の声は上げながら、その場に崩れ落ちるのであった。
「これで三人。残るは二人ですわ」
カレンは手に持った剣を仮面の者達へと向ける。
「バカなバカなバカな! 話が違うぞ! 何故カレン王女にこのような力が!」
「それはわたくしがあなた方より強いからですわ。さあ、ここで死ぬか投降するか選びなさい」
カレンは仮面の者達に向かって、最後通告を行う。
「任務遂行のためならこの命、端から捨てている!」
だが仮面の者達は王女に剣を向けた時から、死ぬ覚悟を持っていた。そのためカレンの通告を拒否し、突撃してくる。
しかしその剣はカレンに届きさえしなかった。
何故なら突如現れたユートが受け止めたからである。
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