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シズルの策
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カレンさん達が襲われた翌日。
俺達は仮面の集団について報告するため、シズル先生の元へと訪れていた。
「お前達、先日私が言った言葉を覚えているか?」
話を終えた後、シズル先生はジロリとこちらを睨んできた。
やはり仮面の集団を見つけたことを、すぐに報告しなかったから怒っているようだ。
「もちろんすぐに報告するつもりでした。ですがシズル先生に伝える前に相手は逃げてしまいまして⋯⋯」
「なるほど。それでは仕方ないな。次は必ず! すぐに! 報告するんだぞ」
「しょ、承知しましたわ」
ふう⋯⋯背中に嫌な汗をかいたぞ。
シズル先生なら無茶なことを言い出すかと思ったけど、杞憂だったようだ。
「カレンさんが狙われている件についてはどうするんでしょうか?」
ハッキリとカレンさんが狙われていると決まった訳じゃない。だけど学園にも危機感を持って欲しいので、敢えて断定して話をする。
「その件については私に任せてくれ。思いついたことがある」
シズル先生はニヤリと悪人のような笑みを浮かべていた。
何だかよくないことを考えているんじゃないか? 嫌な予感がするけど、それで事件が解決するならシズル先生に任せよう。
「何をするつもりなんですか?」
「それは今日の帰りのホームルームの時間で話す」
授業が終われば話してくれるのか。それならそこまで待つとしよう。
「それとシズル先生にお聞きしたいことがあるのですが」
「なんだ?」
「何で朝からここにいるのかなあと思って」
俺もそれは気になっていた。
何故ならシズルさんがいた場所は屋上だったからだ。
「⋯⋯私はこの景色がいい屋上が好きなんだ。ここからなら街を一望出来るしな。それにブレイヴ学園は私が学生時代に過ごした場所でもあるから、つい思い出に耽ってしまう」
「「「シズル先生⋯⋯」」」
何だかちょっと良い話になっている。だけど俺は気になったことを問いかけてみる。
「あの⋯⋯この地面に散らばっている酒瓶の山はなんでしょうか」
「こ、これは私以外の教師達が月見酒でもしたんじゃないか? 片付けることも出来んとは、教師失格だな。お前達、片付けておいてくれ」
「わかりました」
ルリシアさん、カレンさん、ニナさんはシズルさんの言葉に従って、地面に散らばっている酒瓶やゴミを片付け始めた。
だけど俺は真相を聞くためにさらに問いかける。
「もしかしてですがさっきの話って、シズル先生のことでは?」
「そんなわけないだろ。品行方正な私が学園でそんなことすると思うか?」
思います⋯⋯と答えたら拳がとんでくるだろうな。
「お酒を飲み過ぎて、そのままここで寝てしまったんじゃないかと思ったんですが。口元によだれがついていますし」
「そんなことはない。さっきそこで顔を洗って⋯⋯はっ!」
「やっぱりそうでしたか。自分の不始末を教え子にやらせないで下さいよ」
「貴様⋯⋯嵌めたな」
「そんなことないです」
嵌めたなんてものじゃない。シズル先生が迂闊なだけですよ。
「私の命令には絶対服従と言ったことを忘れたのか?」
そんなこと初めて聞いたぞ。確か私の指導には従ってもらうみたいな言葉だと思ったけど。シズル先生の脳内では、よりひどい言葉になっているようだ。
「別に片付けをしない訳じゃないです。ただ少し気になっただけで」
「ほう⋯⋯気になったことはしっかりと調べる。良いことじゃないか。だが余計なことまで調べると身を滅ぼすから気をつけた方がいいぞ」
「は、はい」
ひぃっ! この人生徒に殺気を向けてきたぞ。なんて教師だ。
それにしても簡単にシズル先生から酒盛りの言質を取ることが出来た。こんなことで引っかかるようだと、シズル先生が言う仮面の集団を捕らえる策も期待出来ないかもしれない。
こうして俺達はシズル先生が汚したゴミを片付けて、授業へと向かうのであった。
そして放課後。
クラスのホームルームの時間となった。
シズル先生の仮面の集団に対する策とは何か、俺達は静かにその言葉を席で待つ。
「え~明日の授業は、本来のカリキュラムだと体力強化となっていたが変更する」
シズル先生の言葉を聞いて、何名かは喜びの声を上げる。
まあ体力強化となると、長距離を走ったりする可能性があるので、その気持ちもわからないでもない。
しかしこの後、シズル先生はとんでもないことを口にするのだった。
「そして代わりに何をするかだが⋯⋯学園にあるダンジョンに潜ることにした」
ダンジョンに潜る? 確か本来は一年の終わりにやる内容だぞ。
俺達はシズル先生の言葉に、誰もが驚きの声を上げるのであった。
俺達は仮面の集団について報告するため、シズル先生の元へと訪れていた。
「お前達、先日私が言った言葉を覚えているか?」
話を終えた後、シズル先生はジロリとこちらを睨んできた。
やはり仮面の集団を見つけたことを、すぐに報告しなかったから怒っているようだ。
「もちろんすぐに報告するつもりでした。ですがシズル先生に伝える前に相手は逃げてしまいまして⋯⋯」
「なるほど。それでは仕方ないな。次は必ず! すぐに! 報告するんだぞ」
「しょ、承知しましたわ」
ふう⋯⋯背中に嫌な汗をかいたぞ。
シズル先生なら無茶なことを言い出すかと思ったけど、杞憂だったようだ。
「カレンさんが狙われている件についてはどうするんでしょうか?」
ハッキリとカレンさんが狙われていると決まった訳じゃない。だけど学園にも危機感を持って欲しいので、敢えて断定して話をする。
「その件については私に任せてくれ。思いついたことがある」
シズル先生はニヤリと悪人のような笑みを浮かべていた。
何だかよくないことを考えているんじゃないか? 嫌な予感がするけど、それで事件が解決するならシズル先生に任せよう。
「何をするつもりなんですか?」
「それは今日の帰りのホームルームの時間で話す」
授業が終われば話してくれるのか。それならそこまで待つとしよう。
「それとシズル先生にお聞きしたいことがあるのですが」
「なんだ?」
「何で朝からここにいるのかなあと思って」
俺もそれは気になっていた。
何故ならシズルさんがいた場所は屋上だったからだ。
「⋯⋯私はこの景色がいい屋上が好きなんだ。ここからなら街を一望出来るしな。それにブレイヴ学園は私が学生時代に過ごした場所でもあるから、つい思い出に耽ってしまう」
「「「シズル先生⋯⋯」」」
何だかちょっと良い話になっている。だけど俺は気になったことを問いかけてみる。
「あの⋯⋯この地面に散らばっている酒瓶の山はなんでしょうか」
「こ、これは私以外の教師達が月見酒でもしたんじゃないか? 片付けることも出来んとは、教師失格だな。お前達、片付けておいてくれ」
「わかりました」
ルリシアさん、カレンさん、ニナさんはシズルさんの言葉に従って、地面に散らばっている酒瓶やゴミを片付け始めた。
だけど俺は真相を聞くためにさらに問いかける。
「もしかしてですがさっきの話って、シズル先生のことでは?」
「そんなわけないだろ。品行方正な私が学園でそんなことすると思うか?」
思います⋯⋯と答えたら拳がとんでくるだろうな。
「お酒を飲み過ぎて、そのままここで寝てしまったんじゃないかと思ったんですが。口元によだれがついていますし」
「そんなことはない。さっきそこで顔を洗って⋯⋯はっ!」
「やっぱりそうでしたか。自分の不始末を教え子にやらせないで下さいよ」
「貴様⋯⋯嵌めたな」
「そんなことないです」
嵌めたなんてものじゃない。シズル先生が迂闊なだけですよ。
「私の命令には絶対服従と言ったことを忘れたのか?」
そんなこと初めて聞いたぞ。確か私の指導には従ってもらうみたいな言葉だと思ったけど。シズル先生の脳内では、よりひどい言葉になっているようだ。
「別に片付けをしない訳じゃないです。ただ少し気になっただけで」
「ほう⋯⋯気になったことはしっかりと調べる。良いことじゃないか。だが余計なことまで調べると身を滅ぼすから気をつけた方がいいぞ」
「は、はい」
ひぃっ! この人生徒に殺気を向けてきたぞ。なんて教師だ。
それにしても簡単にシズル先生から酒盛りの言質を取ることが出来た。こんなことで引っかかるようだと、シズル先生が言う仮面の集団を捕らえる策も期待出来ないかもしれない。
こうして俺達はシズル先生が汚したゴミを片付けて、授業へと向かうのであった。
そして放課後。
クラスのホームルームの時間となった。
シズル先生の仮面の集団に対する策とは何か、俺達は静かにその言葉を席で待つ。
「え~明日の授業は、本来のカリキュラムだと体力強化となっていたが変更する」
シズル先生の言葉を聞いて、何名かは喜びの声を上げる。
まあ体力強化となると、長距離を走ったりする可能性があるので、その気持ちもわからないでもない。
しかしこの後、シズル先生はとんでもないことを口にするのだった。
「そして代わりに何をするかだが⋯⋯学園にあるダンジョンに潜ることにした」
ダンジョンに潜る? 確か本来は一年の終わりにやる内容だぞ。
俺達はシズル先生の言葉に、誰もが驚きの声を上げるのであった。
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