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試練
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ルリシアさんが俺を連れていこうとしている店は、いわゆるランジェリーショップと呼ばれる場所だった。
「む、無理です! 僕ここで待っているから一人で行ってきて下さい!」
「え~⋯⋯私、大きいから可愛い下着がなくて、ユートくんに選んでもらいたかったのに」
「そんなの僕が見てもわかりませんよ! ルリシアさんが可愛いと思ったのを選んで下さい!」
「でも⋯⋯ほら、雨が降ってきたよ」
天を見上げるとポツリポツリと雨が降ってきた。
「ここで待っていたら濡れちゃうよ。お店に入ろ」
「え、あ、ちょっと!」
そして俺は強引に店に入れられてしまう。
いや、ちょっと待って。まだ心の準備が。
だが俺の気持ちなど知らず、ルリシアさんはたくさんの下着の前で目を輝かせていた。
「ユートくん見て、これなんかどうかな?」
ルリシアさんは薄いピンクの下着を自分の胸に合わせる。
ど、どうって言われても⋯⋯そんなことされると、ルリシアさんがその薄いピンクの下着をつけている所を想像してしまうんだが。
それにしてもデカっ!
ルリシアさんのサイズってあんなに大きいの? 今まで一緒にお風呂に入ったりしたことがあった。だけどちゃんと見てなかったので、改めてルリシアさんの胸の大きさに驚いてしまう。
「い、いいと思うよ」
「そう? でもやっぱり実際に着けて確認してみないとね。私、試着してくるから似合っているか教えてね」
「ぼ、僕が!? 無理だよ!」
だがルリシアさんは俺の声を聞かず、試着室に入ってしまう。
ど、どうすればいいんだ。いっそのこと逃げてしまうか。
だけど外は雨が降っているし、仮面の集団とやらがルリシアさんを襲わないとも限らない。
もし今ここを離れてルリシアさんに何かあったら、俺は絶対に後悔するだろう。
結論から言うと、俺はここから動けないということだ。
こうなったらルリシアさんには早く下着を買ってもらって、ここから離脱するしか方法はないだろう。
だけどさっきからこちらに向けられる視線が辛い。
店内には六名の女性客がおり、みんなこっちの方を見ている。
「お母さんと買い物かな?」
「それともお姉ちゃん?」
「顔を真っ赤にしちゃって可愛い」
うう⋯⋯居心地が悪い。早くルリシアさん出てきてくれ。
だが俺の願いとは別の言葉が返ってきた。
「ユートくんごめんね。これよりワンサイズ大きい下着を持ってきてもらってもいいかな?」
ルリシアさんがカーテンから顔を出し、とんでもないことを言ってきた。
「着けてみたけどこのサイズだとちょっときつくて。お願いね」
そしてルリシアさんの手からブラジャーを渡された。
ブラジャーは少し生暖かく、先程までルリシアさんが着けていたことが、想像出来る。
このお姫様は男になんて物をわたしているんだ! こんなの健全な男子なら動揺するのが当たり前だ。
だけど今俺は十歳の少年。下着一つで狼狽える訳にはいかない。
俺は平然を装って店員さんの所へ向かう。
「あ、あの⋯⋯サササイズが合わないので、これよりもう少し大きいのを用意してもらってもいいですか?」
「わかりました。少々お待ち下さい」
ふう。何とか自然に少年の演技をすることが出来た。後は店員さんが持ってきてくれたブラジャーをルリシアさんに渡すだけだ。
「こちらになりますがよろしいでしょうか?」
「は、はい。ありがとうございます」
そして店員さんが新しいブラジャーを手渡してくれた。
こっちでお願いしたので当たり前のことだけど、さらに大きくなったな。
ルリシアさんの胸はどれだけ大きいんだと、驚きを隠せない。
と、とにかくこれを早くルリシアさんに届けよう。
俺は急ぎ足で試着室に戻る。
「ルリシアさん、持ってきたよ」
「ありがとう」
俺はカーテンに手を入れ、ブラジャーをルリシアさんに渡す。
これで任務は終了だ。俺は安堵のため息をつく。
「すぐに着けちゃうからユートくん確認してね」
そ、そうだ。まだ任務は終わっていなかった。
正直みたくない訳ではないないけど、中身は二十二歳だから罪悪感がある。
だけどそれは俺の事情で、何も知らないルリシアさんには関係がない。
「それじゃあ下着を着たから、ユートくん入ってきて確認して」
「えっ?」
試着室に入るの?
だけど確かにルリシアさんが試着室を出るわけにはいかない。今は女性しか店にいないけど、カップルとかが来ないとも限らない。
「ユートくんはやくぅ」
ルリシアさんの誘惑が俺の脳を刺激する。ここは試着室に入って確認するしかないのか。でも早く帰るにはそれしか方法はない。
俺は試着室に入るため、カーテンに手をかける。
だがその時。
「あなた達は何者ですか!」
どこからか叫び声が聞こえるのであった。
「む、無理です! 僕ここで待っているから一人で行ってきて下さい!」
「え~⋯⋯私、大きいから可愛い下着がなくて、ユートくんに選んでもらいたかったのに」
「そんなの僕が見てもわかりませんよ! ルリシアさんが可愛いと思ったのを選んで下さい!」
「でも⋯⋯ほら、雨が降ってきたよ」
天を見上げるとポツリポツリと雨が降ってきた。
「ここで待っていたら濡れちゃうよ。お店に入ろ」
「え、あ、ちょっと!」
そして俺は強引に店に入れられてしまう。
いや、ちょっと待って。まだ心の準備が。
だが俺の気持ちなど知らず、ルリシアさんはたくさんの下着の前で目を輝かせていた。
「ユートくん見て、これなんかどうかな?」
ルリシアさんは薄いピンクの下着を自分の胸に合わせる。
ど、どうって言われても⋯⋯そんなことされると、ルリシアさんがその薄いピンクの下着をつけている所を想像してしまうんだが。
それにしてもデカっ!
ルリシアさんのサイズってあんなに大きいの? 今まで一緒にお風呂に入ったりしたことがあった。だけどちゃんと見てなかったので、改めてルリシアさんの胸の大きさに驚いてしまう。
「い、いいと思うよ」
「そう? でもやっぱり実際に着けて確認してみないとね。私、試着してくるから似合っているか教えてね」
「ぼ、僕が!? 無理だよ!」
だがルリシアさんは俺の声を聞かず、試着室に入ってしまう。
ど、どうすればいいんだ。いっそのこと逃げてしまうか。
だけど外は雨が降っているし、仮面の集団とやらがルリシアさんを襲わないとも限らない。
もし今ここを離れてルリシアさんに何かあったら、俺は絶対に後悔するだろう。
結論から言うと、俺はここから動けないということだ。
こうなったらルリシアさんには早く下着を買ってもらって、ここから離脱するしか方法はないだろう。
だけどさっきからこちらに向けられる視線が辛い。
店内には六名の女性客がおり、みんなこっちの方を見ている。
「お母さんと買い物かな?」
「それともお姉ちゃん?」
「顔を真っ赤にしちゃって可愛い」
うう⋯⋯居心地が悪い。早くルリシアさん出てきてくれ。
だが俺の願いとは別の言葉が返ってきた。
「ユートくんごめんね。これよりワンサイズ大きい下着を持ってきてもらってもいいかな?」
ルリシアさんがカーテンから顔を出し、とんでもないことを言ってきた。
「着けてみたけどこのサイズだとちょっときつくて。お願いね」
そしてルリシアさんの手からブラジャーを渡された。
ブラジャーは少し生暖かく、先程までルリシアさんが着けていたことが、想像出来る。
このお姫様は男になんて物をわたしているんだ! こんなの健全な男子なら動揺するのが当たり前だ。
だけど今俺は十歳の少年。下着一つで狼狽える訳にはいかない。
俺は平然を装って店員さんの所へ向かう。
「あ、あの⋯⋯サササイズが合わないので、これよりもう少し大きいのを用意してもらってもいいですか?」
「わかりました。少々お待ち下さい」
ふう。何とか自然に少年の演技をすることが出来た。後は店員さんが持ってきてくれたブラジャーをルリシアさんに渡すだけだ。
「こちらになりますがよろしいでしょうか?」
「は、はい。ありがとうございます」
そして店員さんが新しいブラジャーを手渡してくれた。
こっちでお願いしたので当たり前のことだけど、さらに大きくなったな。
ルリシアさんの胸はどれだけ大きいんだと、驚きを隠せない。
と、とにかくこれを早くルリシアさんに届けよう。
俺は急ぎ足で試着室に戻る。
「ルリシアさん、持ってきたよ」
「ありがとう」
俺はカーテンに手を入れ、ブラジャーをルリシアさんに渡す。
これで任務は終了だ。俺は安堵のため息をつく。
「すぐに着けちゃうからユートくん確認してね」
そ、そうだ。まだ任務は終わっていなかった。
正直みたくない訳ではないないけど、中身は二十二歳だから罪悪感がある。
だけどそれは俺の事情で、何も知らないルリシアさんには関係がない。
「それじゃあ下着を着たから、ユートくん入ってきて確認して」
「えっ?」
試着室に入るの?
だけど確かにルリシアさんが試着室を出るわけにはいかない。今は女性しか店にいないけど、カップルとかが来ないとも限らない。
「ユートくんはやくぅ」
ルリシアさんの誘惑が俺の脳を刺激する。ここは試着室に入って確認するしかないのか。でも早く帰るにはそれしか方法はない。
俺は試着室に入るため、カーテンに手をかける。
だがその時。
「あなた達は何者ですか!」
どこからか叫び声が聞こえるのであった。
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