3 / 86
かなり使えるカードマスターの力
しおりを挟む
俺はセレノアの街に向かう途中、カードマスターの能力について再確認していた。
「アーカイブ」
俺は古文書を呼び出すキーワードを口にする。
すると目の前に本が現れた。
「これが古文書というやつか。しかも宙に浮いてるぞ」
古文書は、手に入れたカードをセットすることが出来るようだ。
俺は身体を上下左右に動かしてみるが、古文書は同じ様についてくる。
「だけどこれは剣を使う時邪魔じゃないか」
このままだと戦いの時、古文書も斬ってしまいそうだ。
だが古文書は俺の言葉を聞いていたかのように、俺の左側に動いたり、背後に移動する。
どうやら俺の意思で古文書の場所は決められるようだ。
それと古文書の表紙にはⅠと数字が書いてあった。これはどういう意味なのだろうか?
とりあえず俺は古文書のページを捲ってみる。
最初のページは、バトル中に使用するカードをセットする場所になっており、五つの枠があった。
そして次のページを見ようとしたが、捲ることができない。
「どういうことだ? 二ページ目を見るには何か条件が必要なのか?」
他のページも見ようしたが、結局確認できたのは最後ページだけだった。
最後のページは、常時カードを保管できる場所になっていて、十の枠がある。しかし十の内三つは既にカードが入っていた。
「これは⋯⋯パワーブースター、フォースブースター、真実の眼?」
カードにはそれぞれ文字が書かれている。
パワーブースター⭐3⋯⋯身体能力が強化される。
フォースブースター⭐3⋯⋯魔力が強化される。
真実の眼⭐2⋯⋯物の能力を見ることが出来る。
これは初回特典のようなものなのか?
だけどこれでもまだ、バトル中に使用できる枠が二つあった。
このカードマスターの能力はデメリットもある。
バトル中にカードが0枚になると命を失うのだ。そのため出来れば五枚の枠は埋めておきたい。
その時ふと目に止まった物があった。
大きな岩だ。俺の身長の五倍くらいはあるな。
「これは使えそうだ。せっかくだから試してみるか」
俺はその大岩に向かって手をかざし、言葉を発する。
「カードとなりて我が手に集え」
すると十秒程経つと大岩が光を発し、カードへ変わる。
俺はカードマスターのスキルである、カード変換を使ってみた。
「おお⋯⋯本当にカードになったぞ。これが物をカードにする力か」
カードはまるで意志があるかのように俺の手に収まる。
俺は大岩⭐1のカードを手に入れた。
これでバトル中に使えるカードは四枚になり、空いてる枠は一つとなる。
「やはり思っていた通りの力だ。この物をカードにする力だけでも、かなり使えそうだな」
後は実際の戦闘でどの程度使えるか、楽しみだ。
俺は久しく忘れていた高揚する気持ちを抑えながら、セレノアの街に向かう。
そしてセレノアの街の入口に到着すると、俺を待ち構えている三つの影があった。
やれやれ。懲りない奴らだな。
「そこの没落貴族!」
何やら大きな声で騒いでいるぽっちゃりした子供がいるが、俺は無視して街の中へと入る。
「お前! ドイズ様が呼んでいるんだぞ!」
「無礼だろ! 止まれ!」
そしてドイズと呼ばれた少年の横にいる二人も騒ぎだしたが、俺は聞こえなかった振りをして、そのまま冒険者ギルドの方へと向かう。
「ちょっと待て! 無視するな!」
ドイズが怒りを露にして話しかけてくるが、俺は何事もなかったかのように三人の横を通り過ぎていく。
失礼な奴らの話など聞く必要もない。ただの時間の無駄だからな。
「待ってくれ。ユート」
ドイズが慌てた様子で引き留めて来たので、俺は仕方なく止まってやる。
今回は一応は名前を呼んだからな。
「何か僕に用があるの?」
「貴様! 何度も呼んだのに無視しやがって!」
「今は急いでいるから手短に話してほしいなあ」
「俺達を舐めているな。不遇職の分際で!」
もしかしてカードマスターのことを言ってるのか?
カードマスターが不遇職なんて、勘違いしてるな。だけどそのようなことを教える義理もないので、答える必要はない。
「ドイズ様はお前と違って重騎士のジョブを持っているんだぞ!」
「ゴールドランクのドイズ様にひれ伏すがいい」
ジョブにはランクがあり、下から順にホワイト、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ブラックに分かれている。
これは有用なスキルを覚えたり、成長率が高いジョブが高ランクに設定されているのだ。
「何で? ゴールドランクだから強いわけじゃないよね?」
実際に下位のランクでも上位のランクの人に勝てたりもする。要は本人の戦い方と努力次第ということだ。
「没落貴族のクセに生意気な!」
「事実を言っただけだよ」
「こいつ⋯⋯本当に腹立つな。いいか! とにかくネネちゃんに近づくなよ! わかったか?」
理不尽な命令は聞く必要がないので無視する。
「もしネネちゃんに手を出すなら許さないからな!」
ネネとは確か同年代の女の子だ。精神年齢二十二歳の俺が十歳の子供に手を出す訳ない。
俺はドイズの叫び声を背に、冒険者ギルドへ向かう。
「アーカイブ」
俺は古文書を呼び出すキーワードを口にする。
すると目の前に本が現れた。
「これが古文書というやつか。しかも宙に浮いてるぞ」
古文書は、手に入れたカードをセットすることが出来るようだ。
俺は身体を上下左右に動かしてみるが、古文書は同じ様についてくる。
「だけどこれは剣を使う時邪魔じゃないか」
このままだと戦いの時、古文書も斬ってしまいそうだ。
だが古文書は俺の言葉を聞いていたかのように、俺の左側に動いたり、背後に移動する。
どうやら俺の意思で古文書の場所は決められるようだ。
それと古文書の表紙にはⅠと数字が書いてあった。これはどういう意味なのだろうか?
とりあえず俺は古文書のページを捲ってみる。
最初のページは、バトル中に使用するカードをセットする場所になっており、五つの枠があった。
そして次のページを見ようとしたが、捲ることができない。
「どういうことだ? 二ページ目を見るには何か条件が必要なのか?」
他のページも見ようしたが、結局確認できたのは最後ページだけだった。
最後のページは、常時カードを保管できる場所になっていて、十の枠がある。しかし十の内三つは既にカードが入っていた。
「これは⋯⋯パワーブースター、フォースブースター、真実の眼?」
カードにはそれぞれ文字が書かれている。
パワーブースター⭐3⋯⋯身体能力が強化される。
フォースブースター⭐3⋯⋯魔力が強化される。
真実の眼⭐2⋯⋯物の能力を見ることが出来る。
これは初回特典のようなものなのか?
だけどこれでもまだ、バトル中に使用できる枠が二つあった。
このカードマスターの能力はデメリットもある。
バトル中にカードが0枚になると命を失うのだ。そのため出来れば五枚の枠は埋めておきたい。
その時ふと目に止まった物があった。
大きな岩だ。俺の身長の五倍くらいはあるな。
「これは使えそうだ。せっかくだから試してみるか」
俺はその大岩に向かって手をかざし、言葉を発する。
「カードとなりて我が手に集え」
すると十秒程経つと大岩が光を発し、カードへ変わる。
俺はカードマスターのスキルである、カード変換を使ってみた。
「おお⋯⋯本当にカードになったぞ。これが物をカードにする力か」
カードはまるで意志があるかのように俺の手に収まる。
俺は大岩⭐1のカードを手に入れた。
これでバトル中に使えるカードは四枚になり、空いてる枠は一つとなる。
「やはり思っていた通りの力だ。この物をカードにする力だけでも、かなり使えそうだな」
後は実際の戦闘でどの程度使えるか、楽しみだ。
俺は久しく忘れていた高揚する気持ちを抑えながら、セレノアの街に向かう。
そしてセレノアの街の入口に到着すると、俺を待ち構えている三つの影があった。
やれやれ。懲りない奴らだな。
「そこの没落貴族!」
何やら大きな声で騒いでいるぽっちゃりした子供がいるが、俺は無視して街の中へと入る。
「お前! ドイズ様が呼んでいるんだぞ!」
「無礼だろ! 止まれ!」
そしてドイズと呼ばれた少年の横にいる二人も騒ぎだしたが、俺は聞こえなかった振りをして、そのまま冒険者ギルドの方へと向かう。
「ちょっと待て! 無視するな!」
ドイズが怒りを露にして話しかけてくるが、俺は何事もなかったかのように三人の横を通り過ぎていく。
失礼な奴らの話など聞く必要もない。ただの時間の無駄だからな。
「待ってくれ。ユート」
ドイズが慌てた様子で引き留めて来たので、俺は仕方なく止まってやる。
今回は一応は名前を呼んだからな。
「何か僕に用があるの?」
「貴様! 何度も呼んだのに無視しやがって!」
「今は急いでいるから手短に話してほしいなあ」
「俺達を舐めているな。不遇職の分際で!」
もしかしてカードマスターのことを言ってるのか?
カードマスターが不遇職なんて、勘違いしてるな。だけどそのようなことを教える義理もないので、答える必要はない。
「ドイズ様はお前と違って重騎士のジョブを持っているんだぞ!」
「ゴールドランクのドイズ様にひれ伏すがいい」
ジョブにはランクがあり、下から順にホワイト、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ブラックに分かれている。
これは有用なスキルを覚えたり、成長率が高いジョブが高ランクに設定されているのだ。
「何で? ゴールドランクだから強いわけじゃないよね?」
実際に下位のランクでも上位のランクの人に勝てたりもする。要は本人の戦い方と努力次第ということだ。
「没落貴族のクセに生意気な!」
「事実を言っただけだよ」
「こいつ⋯⋯本当に腹立つな。いいか! とにかくネネちゃんに近づくなよ! わかったか?」
理不尽な命令は聞く必要がないので無視する。
「もしネネちゃんに手を出すなら許さないからな!」
ネネとは確か同年代の女の子だ。精神年齢二十二歳の俺が十歳の子供に手を出す訳ない。
俺はドイズの叫び声を背に、冒険者ギルドへ向かう。
41
お気に入りに追加
1,211
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

Sランクパーティを引退したおっさんは故郷でスローライフがしたい。~王都に残した仲間が事あるごとに呼び出してくる~
味のないお茶
ファンタジー
Sランクパーティのリーダーだったベルフォードは、冒険者歴二十年のベテランだった。
しかし、加齢による衰えを感じていた彼は後人に愛弟子のエリックを指名し一年間見守っていた。
彼のリーダー能力に安心したベルフォードは、冒険者家業の引退を決意する。
故郷に帰ってゆっくりと日々を過しながら、剣術道場を開いて結婚相手を探そう。
そう考えていたベルフォードだったが、周りは彼をほっておいてはくれなかった。
これはスローライフがしたい凄腕のおっさんと、彼を慕う人達が織り成す物語。

お色気要員の負けヒロインを何としても幸せにする話
湯島二雨
恋愛
彼女いない歴イコール年齢、アラサー平社員の『俺』はとあるラブコメ漫画のお色気担当ヒロインにガチ恋していた。とても可愛くて優しくて巨乳の年上お姉さんだ。
しかしそのヒロインはあくまでただの『お色気要員』。扱いも悪い上にあっさりと負けヒロインになってしまい、俺は大ダメージを受ける。
その後俺はしょうもない理由で死んでしまい、そのラブコメの主人公に転生していた。
俺はこの漫画の主人公になって報われない運命のお色気担当負けヒロインを絶対に幸せにしてみせると誓った。
※この作品は小説家になろう、カクヨムでも公開しております。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる