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39話 エトワール家のその後 その4
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「エトワール伯爵……跡継ぎには大分、苦労することになりそうですね」
「ディエス様……?」
ディエス様はすぐには条件は言わなかった。それに、お父様相手に敬語で話している。なんだか焦らしているような気がするけれど、お父様は特に不信には感じなかったのか、質問に答える。
「え、ええ……娘のジニーがあのようなことを仕出かしましたので……。私共の家系は息子が居りませんし」
「では、当初はどのように跡継ぎを輩出するつもりだったのですか?」
「元々は、フリント殿などの家系と連携をとって、跡継ぎを寄越してくれないか? と打診するつもりではありました」
「なるほど、賢明な判断があったのですね。しかし、それも今では厳しい……」
「ええ……娘のせいで、こんなことに……」
お父様はこの状況でも、妹のジニーが全て悪いといった意見を崩していなかった。少し前までは、あれだけジニーを可愛がっていらしたのに……。この手のひら返しは見事であると言えるかもね。私からすれば、最早、信じられないけれど……。
「シンディ殿の妹である、ジニーはまだやり直せる可能性は残っていそうですね……しかし、エトワール伯爵。あなたは論外のようだ」
「……? ディエス様……?」
ディエス様は無言の形相を呈していた。その顔は、ある意味では般若の面よりも怖くなっている……。隣に立っている私も、思わず身震いをしてしまった。
「婿養子になる条件としては、私が即座にエトワール家の当主になること。あなたには即刻、今の地位を降りていただきます」
今すぐの当主交代……先ほどまでもみ手をしていたお父様も予期していなかったことなのか、とても驚いている印象だった。
「でぃ、ディエス様……今、なんと……!?」
絶対に聞こえていたはずだけれど、お父様は敢えて聞き直しているようだった。もみ手も今は止まっている。
「言葉の通りですよ、あなたには当主の座を退陣していただく。今後は私とシンディ殿で、エトワール家を支えて行きますので……どうか、静かに余生をお送りください」
ディエス・マローネ様からの強烈な用済み発言と取れるかしら……お父様は力なくその場に座り込み、しばらくの間、微動だにすらすることはなかった……。残酷な発言のようだけれど、こればかりは仕方ないわ。当主がすぐにでも交代しなければ、本当にエトワール家は終わってしまうもの。
「ディエス様……?」
ディエス様はすぐには条件は言わなかった。それに、お父様相手に敬語で話している。なんだか焦らしているような気がするけれど、お父様は特に不信には感じなかったのか、質問に答える。
「え、ええ……娘のジニーがあのようなことを仕出かしましたので……。私共の家系は息子が居りませんし」
「では、当初はどのように跡継ぎを輩出するつもりだったのですか?」
「元々は、フリント殿などの家系と連携をとって、跡継ぎを寄越してくれないか? と打診するつもりではありました」
「なるほど、賢明な判断があったのですね。しかし、それも今では厳しい……」
「ええ……娘のせいで、こんなことに……」
お父様はこの状況でも、妹のジニーが全て悪いといった意見を崩していなかった。少し前までは、あれだけジニーを可愛がっていらしたのに……。この手のひら返しは見事であると言えるかもね。私からすれば、最早、信じられないけれど……。
「シンディ殿の妹である、ジニーはまだやり直せる可能性は残っていそうですね……しかし、エトワール伯爵。あなたは論外のようだ」
「……? ディエス様……?」
ディエス様は無言の形相を呈していた。その顔は、ある意味では般若の面よりも怖くなっている……。隣に立っている私も、思わず身震いをしてしまった。
「婿養子になる条件としては、私が即座にエトワール家の当主になること。あなたには即刻、今の地位を降りていただきます」
今すぐの当主交代……先ほどまでもみ手をしていたお父様も予期していなかったことなのか、とても驚いている印象だった。
「でぃ、ディエス様……今、なんと……!?」
絶対に聞こえていたはずだけれど、お父様は敢えて聞き直しているようだった。もみ手も今は止まっている。
「言葉の通りですよ、あなたには当主の座を退陣していただく。今後は私とシンディ殿で、エトワール家を支えて行きますので……どうか、静かに余生をお送りください」
ディエス・マローネ様からの強烈な用済み発言と取れるかしら……お父様は力なくその場に座り込み、しばらくの間、微動だにすらすることはなかった……。残酷な発言のようだけれど、こればかりは仕方ないわ。当主がすぐにでも交代しなければ、本当にエトワール家は終わってしまうもの。
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