妹に婚約者を奪われましたが、公爵令息から求婚されました!

安奈

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35話 ウォルフ・マローネ公爵 その2

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「まあ、普通の喋り方も出来るんだけれど……ここはプライべティックな場所だから、勘弁してね?」

「はい、大丈夫です……お気になさらずに」


 見た目は強そうな印象すらあるウォルフ公爵様。流石に国王陛下とかの前で、この話し方はしてないんだろうけど、ギャップが強すぎて頬が緩んでしまうわ。いけないいけない……それにしても、プライベートをプライべティックて言う人初めて見た……。


「まずは、シンディちゃんのエトワール家について話しましょうか。実際にどうなるかは、正確にはわからないけれど……マローネ家が直接何かをすることはないしね」


「そう、そうですよね……」


 私は心なしか安心してしまった。甘いかもしれないけれど、侯爵家であるマローネ家が本気で制裁等を課す場合、伯爵家でしかないエトワール家は無事では済まないのは明白だし……。

 特に、妹のジニーがどうなってしまうのか気になっていた。えっ? 甘いって? 確かにそうかもしれないけれど、姉というのは、どうしても血の分けた妹を大切に想ってしまうものなのよ。


 ……こんなに甘いから、色々とされちゃうのかな……。


「でも、妹のジニーちゃんは、他国に売り渡されるのは濃厚かもしれないわ。そういう情報は出ているし……」

「ジニーが……他国に……?」

「ええっ、その可能性はあるわね……」

「でも、いくら妹でも、シンディ嬢に相当な悪さをしていたんだろ? しょうがないと思うけどね」


 シャールック様もジニーには良い感情は持たれていないみたい……。まあ、家を出て来た私が言えることではないし、シャールック様のおっしゃっていることは、その通りだから反論は出来ないんだけれど……。


「それから、エトワール家そのものは没落してしまう可能性があるわ……」

「えっ……?」


 ウォルフ様からの意外な言葉と言えるのかしら? 私も頭をよぎっていたことではあるけれど、他の人から言われ、私は動揺を隠せなかった……。


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