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21話 エトワール家の者達 その2
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騒ぎが収束しない会場……舞踏会は、予定を早めて終了することになった。まあ、この状況で楽しむなんてできないから、そっちの方が良かったんだけど……なんだか、すっきりしないわね。
「しかし誰だね……姉よりも妹の方が優れているとか言っていたのは……」
「まったくですね……シンディ殿の方が余程、しっかりされていらっしゃいます」
「エトワール伯爵も、もう少し言葉を慎んだ方が良い気はしますがね……」
会場から出て行く貴族の方々の言葉には色々な感情が込められているようだった。……私の評価が上がっている印象があったんだけれど、気のせいではないわよね?
私とディエス様はお父様たちとは一旦別れ、会場の外に向かっていた。
「……想定外のこともあったが、概ね予定通りだったな」
「ええ……そうですわね……」
「フリント殿への制裁は上手く行ったと言えるか……どうかな? シンディ殿?」
フリント様への制裁か……うん、彼の家系には相当なダメージが行ったんじゃないかと思うし、その点については成功かしらね。やっぱり身勝手な婚約破棄をしておいて、賠償金だけ払いました、なんて逃げは許されないんだし。
お金だけで全てが解決するんなら、貴族社会は浮気とか婚約破棄とかのオンパレードになってしまうわ……。
「はい、上手く行ったのだと思います。ディエス様……何から何まで、本当にありがとうございました」
私は深々と頭を下げてお礼を言った。ディエス様にとってみれば取るに足らないことだったのかもしれないけれど、私にとっては非常に大きなことだ。
「頭を上げてくれ、シンディ殿。あなたは、私の大切な婚約者なんだから……」
「ディエス様……。こ、婚約者……」
深々と頭を下げていた私だけれど、ディエス様の婚約者になっていたことを忘れていた。再び、恥ずかしさが込み上げてしまう。
「幸いなことに、父上からの承諾は得ているのだ。良ければ、この関係を続けていかないか?」
「ディエス様がよろしいのであれば……」
私は顔を真っ赤にしながら、頷くしかなかった。まさに、白馬の王子様の出現なのだから。フリント様には身勝手に振られ、妹のジニーにも裏切られ、お父様には単なる商品として扱われている私だけれど、ディエス様との婚約だけで、お釣りが来ているかもしれない。
私はそんな想いを持っていた。ディエス様は優しく私に微笑んでくれている。
「ありがとう、シンディ殿。しかし、このエトワール家との関係は早急に絶った方が良いかもしれないな……。ここに長く滞在することは、シンディ殿にとっても良い影響があるとは思えない……」
やっぱり、ディエス様には先を見通す能力があるみたい。いえ、あのような家族の状況を見ていたら、誰だって思うかもしれないけれど……これが、エトワール家の現状ね……。お父様たちとの関係性を失くすことが最善……それは私にも理解出来ていた。
「しかし誰だね……姉よりも妹の方が優れているとか言っていたのは……」
「まったくですね……シンディ殿の方が余程、しっかりされていらっしゃいます」
「エトワール伯爵も、もう少し言葉を慎んだ方が良い気はしますがね……」
会場から出て行く貴族の方々の言葉には色々な感情が込められているようだった。……私の評価が上がっている印象があったんだけれど、気のせいではないわよね?
私とディエス様はお父様たちとは一旦別れ、会場の外に向かっていた。
「……想定外のこともあったが、概ね予定通りだったな」
「ええ……そうですわね……」
「フリント殿への制裁は上手く行ったと言えるか……どうかな? シンディ殿?」
フリント様への制裁か……うん、彼の家系には相当なダメージが行ったんじゃないかと思うし、その点については成功かしらね。やっぱり身勝手な婚約破棄をしておいて、賠償金だけ払いました、なんて逃げは許されないんだし。
お金だけで全てが解決するんなら、貴族社会は浮気とか婚約破棄とかのオンパレードになってしまうわ……。
「はい、上手く行ったのだと思います。ディエス様……何から何まで、本当にありがとうございました」
私は深々と頭を下げてお礼を言った。ディエス様にとってみれば取るに足らないことだったのかもしれないけれど、私にとっては非常に大きなことだ。
「頭を上げてくれ、シンディ殿。あなたは、私の大切な婚約者なんだから……」
「ディエス様……。こ、婚約者……」
深々と頭を下げていた私だけれど、ディエス様の婚約者になっていたことを忘れていた。再び、恥ずかしさが込み上げてしまう。
「幸いなことに、父上からの承諾は得ているのだ。良ければ、この関係を続けていかないか?」
「ディエス様がよろしいのであれば……」
私は顔を真っ赤にしながら、頷くしかなかった。まさに、白馬の王子様の出現なのだから。フリント様には身勝手に振られ、妹のジニーにも裏切られ、お父様には単なる商品として扱われている私だけれど、ディエス様との婚約だけで、お釣りが来ているかもしれない。
私はそんな想いを持っていた。ディエス様は優しく私に微笑んでくれている。
「ありがとう、シンディ殿。しかし、このエトワール家との関係は早急に絶った方が良いかもしれないな……。ここに長く滞在することは、シンディ殿にとっても良い影響があるとは思えない……」
やっぱり、ディエス様には先を見通す能力があるみたい。いえ、あのような家族の状況を見ていたら、誰だって思うかもしれないけれど……これが、エトワール家の現状ね……。お父様たちとの関係性を失くすことが最善……それは私にも理解出来ていた。
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