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17話 シンディとディエスの婚約 その2
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「ディエス・マローネ公爵令息とシンディ・エトワール令嬢の婚約……?」
「なんだか、すごいことになっているわね……」
「はあ? シンディがディエス様と!? ふざけるんじゃないわよ!」
色々な驚嘆の声が会場内に響いている中、ディエス様は会場中央で周囲の貴族達に向き直る。ていうか、誰よ? 私とディエス様の婚約を、あからさまに否定してた奴は……!
「さて、様々な反応があるかと存じますが……ここで皆さまに言っておかなければならないことがあります」
神妙なディエス様の表情と低い声。先ほどまでざわついていた会場は、静寂に包まれていった。ディエス様の影響力ってこういうところだと、特に感じられるわね……流石だわ……。ジニーとフリント様は後ろで固まっていた。いくらなんでも、ディエス様の発言の邪魔は出来ないみたいね。これが私だったら、全力で妨害してくるんでしょうけど……。
「話というのは、他でもない。ここに居る、フリント・アラベスク殿と、シンディ・エトワール殿との婚約破棄の内容についてだ」
「えっ? そっち……?」
「どういうことだ……?」
ディエス様はわざと勿体ぶった話し方をしているみたいね。私とフリント様のことを強く印象付ける意味合いがありそう。貴族の方々も、興味はそちらに注がれている。
「二人の婚約破棄の理由について……それは、性格の不一致などではない。フリント殿のジニー・エトワールとの浮気が原因だ」
「ええっ!?」
「ど、どういう……? ええっ!」
ディエス様は高らかに宣言した。公爵令息様からの言葉だけに、他の貴族達の反応はすさまじいものになっている。ディエス様は各々の反応を見ながら、さらに続けていく。
「さらに、フリント殿は最低なことをしたのだ。それは……肉体を捧げないからという理由で、妹のジニーに興味を移らせている。性格の不一致ならぬ、性の不一致ということか」
なんだかディエス様がお茶目に見えたのは間違いじゃないわよね? でも的を得た言葉に、周りはさらにざわつき出した。
「なんだそれは……侯爵令息であるアラベスクの御曹司が……嘆かわしい」
「本当にそんな理由で、シンディ殿を振ったの? あり得ないわよ?」
「どうなんですかっ!!」
貴族達の怒号が飛び交う。その矛先はフリント様だ。彼は言葉が出せず、非常に弱々しく身体を震わせていた。ディエス様の想定通りに事が運んでいるわね……私もフリント様に同情する気はない。でも……ジニーには少しだけ……ううん、それは駄目ね。妹を想う姉だからこそ、ここは救いの手を出さないのが優しさだわ。
そんな貴族からの怒号が飛び交う中、フリント様とジニーは矢面に立たされることになった……。一体、どういう弁解をするのかしら……?
「なんだか、すごいことになっているわね……」
「はあ? シンディがディエス様と!? ふざけるんじゃないわよ!」
色々な驚嘆の声が会場内に響いている中、ディエス様は会場中央で周囲の貴族達に向き直る。ていうか、誰よ? 私とディエス様の婚約を、あからさまに否定してた奴は……!
「さて、様々な反応があるかと存じますが……ここで皆さまに言っておかなければならないことがあります」
神妙なディエス様の表情と低い声。先ほどまでざわついていた会場は、静寂に包まれていった。ディエス様の影響力ってこういうところだと、特に感じられるわね……流石だわ……。ジニーとフリント様は後ろで固まっていた。いくらなんでも、ディエス様の発言の邪魔は出来ないみたいね。これが私だったら、全力で妨害してくるんでしょうけど……。
「話というのは、他でもない。ここに居る、フリント・アラベスク殿と、シンディ・エトワール殿との婚約破棄の内容についてだ」
「えっ? そっち……?」
「どういうことだ……?」
ディエス様はわざと勿体ぶった話し方をしているみたいね。私とフリント様のことを強く印象付ける意味合いがありそう。貴族の方々も、興味はそちらに注がれている。
「二人の婚約破棄の理由について……それは、性格の不一致などではない。フリント殿のジニー・エトワールとの浮気が原因だ」
「ええっ!?」
「ど、どういう……? ええっ!」
ディエス様は高らかに宣言した。公爵令息様からの言葉だけに、他の貴族達の反応はすさまじいものになっている。ディエス様は各々の反応を見ながら、さらに続けていく。
「さらに、フリント殿は最低なことをしたのだ。それは……肉体を捧げないからという理由で、妹のジニーに興味を移らせている。性格の不一致ならぬ、性の不一致ということか」
なんだかディエス様がお茶目に見えたのは間違いじゃないわよね? でも的を得た言葉に、周りはさらにざわつき出した。
「なんだそれは……侯爵令息であるアラベスクの御曹司が……嘆かわしい」
「本当にそんな理由で、シンディ殿を振ったの? あり得ないわよ?」
「どうなんですかっ!!」
貴族達の怒号が飛び交う。その矛先はフリント様だ。彼は言葉が出せず、非常に弱々しく身体を震わせていた。ディエス様の想定通りに事が運んでいるわね……私もフリント様に同情する気はない。でも……ジニーには少しだけ……ううん、それは駄目ね。妹を想う姉だからこそ、ここは救いの手を出さないのが優しさだわ。
そんな貴族からの怒号が飛び交う中、フリント様とジニーは矢面に立たされることになった……。一体、どういう弁解をするのかしら……?
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