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15話 パーティ開催 その3
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「ああ……俺、いや、私もシンディとの別れは苦渋の決断だった。しかし、自分の気持ちにウソを付けなかったのは事実だ……」
「フリント様……!」
わざとらしく大袈裟に、会場中央付近で抱き着く二人。これって、ギャグか何か……というわけではなさそうね。芝居がかった演技だけれど、周囲の貴族は大真面目に捉えているみたいだし。
「……これはこれで、良い話なのかもしれないわね」
「ジニー殿とフリント殿のカップルか……それも悪くないかもしれないな。シンディ殿にはとってみれば、あれかもしれないが……」
「一つの恋が終わり、一つの恋が芽生えたということなのか……」
なんだか感動している人も居るみたいだけれど、本来だったなら私のことをもっと蔑むつもりだったのよね? ただ単純に、私は婚約破棄された側でジニーは選ばれた側みたいな……。それをちょっと芝居がけて良い話っぽくまとめようとしているのかしら? 真実を知るディエス様への配慮というか……。
「シンディ殿、ずいぶんと話しが先走っているようだが、どのようにするか? 今すぐにでも真実を晒しに行くか?」
私の隣に居たディエス様が質問してきた。私としてもそうしたいのは山々なんだけれど、そういう普通の勝ち方はしたくない側面もあった……。絶対に二人はシラを切ってくるだろうし、目撃者が他に居たとかでもないんだから……下手をすると、ディエス様の家系にいらぬ傷が付くかもしれないし。
「正攻法で行くのが正しいかもしれませんが、ジニー達も対策を練っている可能性があると思います。もう少し、別の方法を模索しませんか?」
ジニーもフリント様も対策しているであろう方法以外で二人の鼻を明かしたい……なんていうか、この状況を逆に利用してやる方法とかで……。
「なるほど、確かに……。では、こういうのはどうだろうか?」
「えっ?」
その後、ディエス様は私に耳打ちをし、考えている作戦を私に伝えた……。
-----------------------------
会場は終始、ジニー達の雰囲気に変貌していた。ジニーはさしずめ悲劇のヒロインといったところかしら? 使い方間違っている気がするけれど……。
「なかなか上手い芝居だったぞ、ジニー」
「うふふ、ありがとうございます、フリント様……」
明らかに会場の空気に酔っている二人は、私とディエス様の接近に気付いていなかった。ジニーとフリント様の会話は聞こえていたけれど、この際は無視して彼らの前に立つ。
「盛り上がっているところ申し訳ないが……貴殿らに報告することが、こちらにもあってな……」
「でぃ、ディエス様……!? それに、姉さまも……」
私たちの接近に気付いたジニーは、焦りの色を隠せないでいた。フリント様も同様だった。
「い、今更何の用ですかね……? 俺とシンディの別れ話に文句を付けたところで、いまさら……」
フリント様はディエス様に真実をバラされることを悟ったのか、やや引き気味で話していた。ディエス様なら、そっちからでも十分にフリント様を崩せるとは思うけれど、今回の報告はそうじゃない……。
「いやなに……婚約破棄と婚約の報告が同時にあったのだ。それならばもう一つ、婚約の話があった方がめでたいだろうと思ってな」
「もう一つ……? 婚約……?」
フリント様はイマイチ、ディエス様の言葉の真意が理解できていなかった。ディエス様は周囲の貴族にも伝わるように、大きめの口調ではっきりと言った。
「私とシンディ・エトワール殿との婚約の話だよ」
その瞬間、先ほどよりも大きな歓声が会場中に響き渡った。
「フリント様……!」
わざとらしく大袈裟に、会場中央付近で抱き着く二人。これって、ギャグか何か……というわけではなさそうね。芝居がかった演技だけれど、周囲の貴族は大真面目に捉えているみたいだし。
「……これはこれで、良い話なのかもしれないわね」
「ジニー殿とフリント殿のカップルか……それも悪くないかもしれないな。シンディ殿にはとってみれば、あれかもしれないが……」
「一つの恋が終わり、一つの恋が芽生えたということなのか……」
なんだか感動している人も居るみたいだけれど、本来だったなら私のことをもっと蔑むつもりだったのよね? ただ単純に、私は婚約破棄された側でジニーは選ばれた側みたいな……。それをちょっと芝居がけて良い話っぽくまとめようとしているのかしら? 真実を知るディエス様への配慮というか……。
「シンディ殿、ずいぶんと話しが先走っているようだが、どのようにするか? 今すぐにでも真実を晒しに行くか?」
私の隣に居たディエス様が質問してきた。私としてもそうしたいのは山々なんだけれど、そういう普通の勝ち方はしたくない側面もあった……。絶対に二人はシラを切ってくるだろうし、目撃者が他に居たとかでもないんだから……下手をすると、ディエス様の家系にいらぬ傷が付くかもしれないし。
「正攻法で行くのが正しいかもしれませんが、ジニー達も対策を練っている可能性があると思います。もう少し、別の方法を模索しませんか?」
ジニーもフリント様も対策しているであろう方法以外で二人の鼻を明かしたい……なんていうか、この状況を逆に利用してやる方法とかで……。
「なるほど、確かに……。では、こういうのはどうだろうか?」
「えっ?」
その後、ディエス様は私に耳打ちをし、考えている作戦を私に伝えた……。
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会場は終始、ジニー達の雰囲気に変貌していた。ジニーはさしずめ悲劇のヒロインといったところかしら? 使い方間違っている気がするけれど……。
「なかなか上手い芝居だったぞ、ジニー」
「うふふ、ありがとうございます、フリント様……」
明らかに会場の空気に酔っている二人は、私とディエス様の接近に気付いていなかった。ジニーとフリント様の会話は聞こえていたけれど、この際は無視して彼らの前に立つ。
「盛り上がっているところ申し訳ないが……貴殿らに報告することが、こちらにもあってな……」
「でぃ、ディエス様……!? それに、姉さまも……」
私たちの接近に気付いたジニーは、焦りの色を隠せないでいた。フリント様も同様だった。
「い、今更何の用ですかね……? 俺とシンディの別れ話に文句を付けたところで、いまさら……」
フリント様はディエス様に真実をバラされることを悟ったのか、やや引き気味で話していた。ディエス様なら、そっちからでも十分にフリント様を崩せるとは思うけれど、今回の報告はそうじゃない……。
「いやなに……婚約破棄と婚約の報告が同時にあったのだ。それならばもう一つ、婚約の話があった方がめでたいだろうと思ってな」
「もう一つ……? 婚約……?」
フリント様はイマイチ、ディエス様の言葉の真意が理解できていなかった。ディエス様は周囲の貴族にも伝わるように、大きめの口調ではっきりと言った。
「私とシンディ・エトワール殿との婚約の話だよ」
その瞬間、先ほどよりも大きな歓声が会場中に響き渡った。
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