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11話 パーティ会場へ その1
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私は隣に使用人のライラを引き連れて、本邸のパーティ会場へ足を踏み出した。ここのはダイニングルームとしても使われており、本邸の中でも一番大きい部屋なんだけれど……今日は雰囲気そのものが違うわね。
「テーブルもいつもよりたくさん設置されてるし、お皿も大量に用意されているわね」
「それはもちろんでございます。他の貴族令嬢や令息の方々もお見えになるのですから」
「貴族令嬢や令息……」
「ええ、おそらくはジニー様の計画の一部かと思われます」
なるほど……伯爵家などの息子を多く招集することで、私と同年代の人を増やそうという魂胆ね……。ジニー、流石に用意周到過ぎない……? そこまで、私のことを陥れたいのかしら……?
私は実の妹の考えにとても悲しい気持ちになってしまった。同じ血を分けた姉妹のはずなのに……。
--------------------------------------
「あら、お姉さま。お早い御着きですわね」
「ジニー……」
それから程なくして、今回のパーティの主役とも言える、妹のジニーが現れた。相変わらず、憎たらしい笑みを浮かべているわね……。
「まだ、料理長たちの準備が整っていないので、食事はまだですのよ?」
「そんなことわかっているわよ」
まだ、パーティ開催の30分以上前だ。テーブルにはお皿だけが並べられているのは当然と言える。
「今日でエトワールの歴史に大きな爪痕が残されますの。フリント様との婚約……待ち遠しいですわ」
「……」
私は何か言い返そうかと思ったけれど、怒りでそれどころではなかった。ジニーはまるで当然のように、フリント様の名前を口にし、自らの婚約者のように語っている……この態度を見て、いくら実の妹とはいえ怒りを抑えられるかしら? 多分、私じゃなかったら暴力に発展していてもおかしくないと思うわ……。
ライラも私と同じように眉間にしわを寄せている。そんな彼女の態度に嬉しくなっていた時……パーティ会場に一人の人物が訪れた。まさか、フリント様……私は顔をしかめたままで、その人物に視線を合わせたけれど……。
「遅れて申し訳なかった」
「でぃ、ディエス様……!」
「えっ……!?」
ある意味では最高の登場の仕方と言えるのかもしれない。パーティ会場に現れたディエス様だけれど、それを見たジニーは一瞬の内に顔面蒼白になっていたから。多分思考が追い付いていないわね……。
「テーブルもいつもよりたくさん設置されてるし、お皿も大量に用意されているわね」
「それはもちろんでございます。他の貴族令嬢や令息の方々もお見えになるのですから」
「貴族令嬢や令息……」
「ええ、おそらくはジニー様の計画の一部かと思われます」
なるほど……伯爵家などの息子を多く招集することで、私と同年代の人を増やそうという魂胆ね……。ジニー、流石に用意周到過ぎない……? そこまで、私のことを陥れたいのかしら……?
私は実の妹の考えにとても悲しい気持ちになってしまった。同じ血を分けた姉妹のはずなのに……。
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「あら、お姉さま。お早い御着きですわね」
「ジニー……」
それから程なくして、今回のパーティの主役とも言える、妹のジニーが現れた。相変わらず、憎たらしい笑みを浮かべているわね……。
「まだ、料理長たちの準備が整っていないので、食事はまだですのよ?」
「そんなことわかっているわよ」
まだ、パーティ開催の30分以上前だ。テーブルにはお皿だけが並べられているのは当然と言える。
「今日でエトワールの歴史に大きな爪痕が残されますの。フリント様との婚約……待ち遠しいですわ」
「……」
私は何か言い返そうかと思ったけれど、怒りでそれどころではなかった。ジニーはまるで当然のように、フリント様の名前を口にし、自らの婚約者のように語っている……この態度を見て、いくら実の妹とはいえ怒りを抑えられるかしら? 多分、私じゃなかったら暴力に発展していてもおかしくないと思うわ……。
ライラも私と同じように眉間にしわを寄せている。そんな彼女の態度に嬉しくなっていた時……パーティ会場に一人の人物が訪れた。まさか、フリント様……私は顔をしかめたままで、その人物に視線を合わせたけれど……。
「遅れて申し訳なかった」
「でぃ、ディエス様……!」
「えっ……!?」
ある意味では最高の登場の仕方と言えるのかもしれない。パーティ会場に現れたディエス様だけれど、それを見たジニーは一瞬の内に顔面蒼白になっていたから。多分思考が追い付いていないわね……。
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