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2話 シンディの婚約破棄 その2
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「今日は非常に晴れている……出来れば、こういう現場には遭遇したくはなかったが……」
「ディエス様……なぜ、ここに?」
私は単純にディエス・マローネ様に会ったことに驚いていたけれど、フリント様は明らかに取り乱していた。それもそのはず……後ろめたいことがあるからね。
「ここに来たのは偶々だ。しかし……聞き捨てならない言葉を聞いたが? フリント殿?」
フリント様とディエス様はお互いファーストネームで呼び合っている。この王国の貴族の中では珍しいことじゃない。ファミリーネームで呼び合うのは余程親しくない間柄の場合だけだし。でも、こういった後ろ暗い話の場合、ファーストネームでの呼び合いは、色々と胸に刺さる想いになったりする。
「お、俺は別に……単なる別れ話ですよ……それくらいは普通にあるでしょう?」
「確かに、ただの別れ話であれば、悲しいことではあるが、仕方ないとも言えるな。だが……」
貴族や平民問わず、別れ話自体はまったく問題はない。ディエス様ははっきりとおっしゃっていた。でも、ディエス様の言葉はさらに続いて行く。
「ただの別れ話ではなく、身勝手な婚約破棄に見えたが? 違うのか、フリント殿?」
「ま、まさか……ただの別れ話ですよ、性格の不一致みたいな。そうだろ、シンディ?」
「えっ……そ、それは……」
フリント様は半ば強制的な質問を私にしてきた。強制的というのは同意以外は許さないという、確かな波動のある言葉……ここで、私が頷かないと、侯爵家の力を使って復讐してきそうな気がする……。ど、どうしよう……と、私が迷っていると、ディエス様が助けてくれた。
「無駄だ、フリント殿。私は貴殿の言葉を聞いている。確かシンディ殿の妹と婚約をし直すらしいな? しかも、その理由は身体を許さないから……いわゆる浮気か」
「うっ……そ、それは……」
フリント様は急に言葉尻が弱くなった。公爵家のディエス様にそこまで聞かれているのだったら、下手な言い訳は通用しなくなる。フリント様とディエス様では、貴族としての格がかなり違うのだから……。
「浮気による婚約破棄か……シンディ殿、それで間違いはないか?」
ディエス様は事実を確定させる為に、私に質問をしてきた。フリント様は無言ながらも睨んでいるみたい……この国では、浮気とかはあんまり褒められたものとは認識されていない。フリント様としては、公爵家の方に失態は絶対に見せたくないのだろうけど……。
ディエス様の瞳が私に勇気をくれていた。
「はい、事実に間違いありません。私はそういった理由でフリント様に婚約破棄を言い渡されました」
私ははっきりとした口調でディエス様に伝えたのだった。
「ディエス様……なぜ、ここに?」
私は単純にディエス・マローネ様に会ったことに驚いていたけれど、フリント様は明らかに取り乱していた。それもそのはず……後ろめたいことがあるからね。
「ここに来たのは偶々だ。しかし……聞き捨てならない言葉を聞いたが? フリント殿?」
フリント様とディエス様はお互いファーストネームで呼び合っている。この王国の貴族の中では珍しいことじゃない。ファミリーネームで呼び合うのは余程親しくない間柄の場合だけだし。でも、こういった後ろ暗い話の場合、ファーストネームでの呼び合いは、色々と胸に刺さる想いになったりする。
「お、俺は別に……単なる別れ話ですよ……それくらいは普通にあるでしょう?」
「確かに、ただの別れ話であれば、悲しいことではあるが、仕方ないとも言えるな。だが……」
貴族や平民問わず、別れ話自体はまったく問題はない。ディエス様ははっきりとおっしゃっていた。でも、ディエス様の言葉はさらに続いて行く。
「ただの別れ話ではなく、身勝手な婚約破棄に見えたが? 違うのか、フリント殿?」
「ま、まさか……ただの別れ話ですよ、性格の不一致みたいな。そうだろ、シンディ?」
「えっ……そ、それは……」
フリント様は半ば強制的な質問を私にしてきた。強制的というのは同意以外は許さないという、確かな波動のある言葉……ここで、私が頷かないと、侯爵家の力を使って復讐してきそうな気がする……。ど、どうしよう……と、私が迷っていると、ディエス様が助けてくれた。
「無駄だ、フリント殿。私は貴殿の言葉を聞いている。確かシンディ殿の妹と婚約をし直すらしいな? しかも、その理由は身体を許さないから……いわゆる浮気か」
「うっ……そ、それは……」
フリント様は急に言葉尻が弱くなった。公爵家のディエス様にそこまで聞かれているのだったら、下手な言い訳は通用しなくなる。フリント様とディエス様では、貴族としての格がかなり違うのだから……。
「浮気による婚約破棄か……シンディ殿、それで間違いはないか?」
ディエス様は事実を確定させる為に、私に質問をしてきた。フリント様は無言ながらも睨んでいるみたい……この国では、浮気とかはあんまり褒められたものとは認識されていない。フリント様としては、公爵家の方に失態は絶対に見せたくないのだろうけど……。
ディエス様の瞳が私に勇気をくれていた。
「はい、事実に間違いありません。私はそういった理由でフリント様に婚約破棄を言い渡されました」
私ははっきりとした口調でディエス様に伝えたのだった。
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