婚約破棄されたけど、大公様と公爵様に求婚されました!

安奈

文字の大きさ
6 / 7

6話 パーティー出席 その1

しおりを挟む
 私はとりあえず、ノウェム様が主催するらしいパーティーに参加するメンバーを集めた。イスルギ様とラクロア様は決定で、後は比較的親しい人たちを選んだんだけれど……。


「ミュリア様……本当に、私達が出席してもいいのですか……?」

「え、ええ……ノウェム伯爵からも許可は出ているから」


「本当ですか、信じられない……! 貴族のパーティーに出席できるなんて、夢のようですわ!」

「そんなに特別なものでもないんだけれどね……」


 まずは料理スキルを習得する過程で知り合った平民の何人かの人を誘った。それから、子爵令嬢や男爵令嬢など、貴族の中で仲の良い人々も誘った。皆、感激している様子ね。まあ、確かにノウェム伯爵のパーティーに出席ともなれば、自慢できることだし仕方ないけれど。


 私としては婚約破棄をされた相手なので、出来れば出席はしたくなかったんだけれど……出席しなければ、また嫌がらせをされそうだから。


 私達は既に、貴族街にあるノウェム伯爵の屋敷の近くまで来ている。これから、その屋敷に入るのだけれど……私は少し場所を移動し、木陰のところまで移動した。そこにはイスルギ様とラクロア様が待機していた。


「イスルギ様、ラクロア様……私達はこれから、ノウェム様の屋敷に入り、パーティーに出席いたしますが……お二人はどうされるのですか?」


 このまま私と行動を共にしていたら、ものすごい注目を浴びてしまうでしょうね。それこそ、パーティーどころではなくなるくらいに。私としてはそれでも良かったんだけれど、お二人には別の考えがあるみたい。


「僕とイスルギ殿は時間差で入る予定だよ。ミュリア、君たちは先にパーティーを楽しんでくれるかい?」

「ミュリア嬢も気を付けてな」

「は、はい、畏まりました。それでは、私が招待した者達と一緒に、先にパーティー会場に入ることに致します」


 私は二人に頭を下げると、その場を足早に去ることにした。イスルギ様とラクロア様は笑顔で私を見送ってくれているみたい。他の誰にも気づかれてないわよね? ……うん、大丈夫みたいね。



「あの、ミュリア・エンデヴァーです。ノウェム・シリング伯爵のパーティーへの出席のために訪れました」

「ミュリア・エンデヴァー様でございますね。お連れの方々を含め、お話しは伺っております。お通りくださいませ」


 執事に通され、私たちはノウェム様の屋敷に入ることができた。知り合いの何名かは、それだけで既に涙をこぼしている。ノウェム様の本性を知らないからしょうがないかもだけど……。

 パーティーが始まろうしていた。果たしてどんな事態になるのかしら? 私は楽しみでもあると同時に不安感も持っていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました

放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。 だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。 「彼女は可哀想なんだ」 「この子を跡取りにする」 そして人前で、平然と言い放つ。 ――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」 その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。 「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」

勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました

鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」 そう言ったのは、王太子アレス。 そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。 外交も財政も軍備も―― すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。 けれど功績はすべて王太子のもの。 感謝も敬意も、ただの一度もない。 そして迎えた舞踏会の夜。 「便利だったが、飾りには向かん」 公開婚約破棄。 それならば、とレイナは微笑む。 「では業務も終了でよろしいですね?」 王太子が望んだ通り、 彼女は“確認”をやめた。 保証を外し、責任を返し、 そして最後に―― 「ご確認を」と差し出した書類に、 彼は何も読まずに署名した。 国は契約で成り立っている。 確認しない者に、王の資格はない。 働きたくない公爵令嬢と、 責任を理解しなかった王太子。 静かな契約ざまぁ劇、開幕。 ---

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

平民とでも結婚すれば?と言われたので、隣国の王と結婚しました

ゆっこ
恋愛
「リリアーナ・ベルフォード、これまでの婚約は白紙に戻す」  その言葉を聞いた瞬間、私はようやく――心のどこかで予感していた結末に、静かに息を吐いた。  王太子アルベルト殿下。金糸の髪に、これ見よがしな笑み。彼の隣には、私が知っている顔がある。  ――侯爵令嬢、ミレーユ・カスタニア。  学園で何かと殿下に寄り添い、私を「高慢な婚約者」と陰で嘲っていた令嬢だ。 「殿下、どういうことでしょう?」  私の声は驚くほど落ち着いていた。 「わたくしは、あなたの婚約者としてこれまで――」

勝手にしろと言われたので、勝手にさせていただきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
子爵家の私は自分よりも身分の高い婚約者に、いつもいいように顎でこき使われていた。ある日、突然婚約者に呼び出されて一方的に婚約破棄を告げられてしまう。二人の婚約は家同士が決めたこと。当然受け入れられるはずもないので拒絶すると「婚約破棄は絶対する。後のことなどしるものか。お前の方で勝手にしろ」と言い切られてしまう。 いいでしょう……そこまで言うのなら、勝手にさせていただきます。 ただし、後のことはどうなっても知りませんよ? * 他サイトでも投稿 * ショートショートです。あっさり終わります

「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?

あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」 仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。

処理中です...