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27話 側室 その4
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「インヴァル殿、ルシア殿……ご息女であるマリア殿より、私の側室になっていただける旨の了承があった。そのことについて、ご両名はどのように考えているだろうか?」
ヨハン国王陛下からの丁寧な問いかけに、お父様もお母様もすっかり固まってしまっている。でも、流石にこればかりは助け船を出すことは出来なかった。
「そ、それはヨハン国王陛下の側室は、とても光栄であると考えております! 自慢の娘ではありますが、国王陛下にであれば、快く進呈させていただきたいと考えております!」
「……そうか、礼を言う」
「そんな、滅相もございません!」
ところどころ会話が変な気がするけれど、まあ気にしないでも大丈夫よね。お父様は一応、国王陛下が私を側室として迎え入れる件について、承諾の意を表明したわけだけど……私は素直に喜んでいいのかしら?
「ルシア殿もマリア殿の側室の件は、問題ないと考えて良いのかな?」
「も、もちろんでございます、国王陛下! 私達の至宝ではございますが、国王陛下にであれば、喜んでお渡しさせていただきます!」
「そうか、感謝する」
お母様の返答もお父様とほとんど変わらなかった。私のことをトロフィーとしか見てくれていない……そこにはなんだか、寂しさを覚えてしまうわね……。
「……」
「マリア、どうかしたのかしら?」
「お母様……? いえ、なんでもありません」
寂しさを感じていた私は、お母様からの問いかけにも元気よく振舞うことが出来なかった。素っ気ない返事をしてしまう。
「……」
そんな私をじっと見つめている人物が一人……マリアンヌ様だった。なんだか、視線を感じていたけれど、まさかマリアンヌ様だったとは思っていなかった。マリアンヌ様は私に視線を合わせた後、お母様たちに向き直り、話し始めた。
「あまり釈然とする問題ではありませんわね……。マリアが可哀想ですわ……」
「ま、マリアンヌ様……?」
俯いていた私だけれど、彼女の意外な発言に顔を上げた。マリアンヌ様はどうやら怒っていらっしゃるみたいね。どういうことかしら……?
「インヴァル殿とルシア殿……マリアの両親であるのなら、もう少し、娘の身を案じるのが普通なのではなくて? それをさっきから聞いていると、マリアを物のように扱う言動……少々、問題がありましてよ?」
「な……マリアンヌ様、それは……!」
マリアンヌ様はソファから立ち上がり、お父様とお母様を睨んでいる。私も心の中では感じていたことだけれど、まさかそれをマリアンヌ様がおっしゃるとは思わなかった……。
正妃としては不味い言動なのでは? と私は頭で考えていたけれど、ヨハン様もラウド大臣も彼女を止める様子は微塵もなかった。考えていることは皆、同じということなのかしら……?
ヨハン国王陛下からの丁寧な問いかけに、お父様もお母様もすっかり固まってしまっている。でも、流石にこればかりは助け船を出すことは出来なかった。
「そ、それはヨハン国王陛下の側室は、とても光栄であると考えております! 自慢の娘ではありますが、国王陛下にであれば、快く進呈させていただきたいと考えております!」
「……そうか、礼を言う」
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「お母様……? いえ、なんでもありません」
寂しさを感じていた私は、お母様からの問いかけにも元気よく振舞うことが出来なかった。素っ気ない返事をしてしまう。
「……」
そんな私をじっと見つめている人物が一人……マリアンヌ様だった。なんだか、視線を感じていたけれど、まさかマリアンヌ様だったとは思っていなかった。マリアンヌ様は私に視線を合わせた後、お母様たちに向き直り、話し始めた。
「あまり釈然とする問題ではありませんわね……。マリアが可哀想ですわ……」
「ま、マリアンヌ様……?」
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「な……マリアンヌ様、それは……!」
マリアンヌ様はソファから立ち上がり、お父様とお母様を睨んでいる。私も心の中では感じていたことだけれど、まさかそれをマリアンヌ様がおっしゃるとは思わなかった……。
正妃としては不味い言動なのでは? と私は頭で考えていたけれど、ヨハン様もラウド大臣も彼女を止める様子は微塵もなかった。考えていることは皆、同じということなのかしら……?
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