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12話 ざまぁの開始 その3
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「こ、国王陛下……!」
予期せぬ人物の登場に、ユリカお姉さまとカンザスの二人はとても狼狽えていた。そのまま腰を深く曲げて礼をしている。そんな二人を無視するかのように、ヨハン様は私に視線を合わせた。
「よく来てくれた、マリア嬢。本日は無礼講だ、気兼ねなくヨハン、と呼び捨てにしてくれ」
「へ……?」
ヨハン国王陛下からのとんでもない発言。無礼講って……平民の間での上下関係なら、許されるかもしれないけれど……。
私の狼狽えとは裏腹に、ヨハン様は上機嫌に笑っていらっしゃった。そんな時、隣からはラウド大臣が姿を現す。
「陛下……陛下に対して無礼講を出来る者など存在しません」
「わかっている。相変わらず固いなラウドは……」
「陛下が柔軟過ぎるのですぞっ! いくら、マリア・テオドアに対してとはいえ、節度をお持ちください」
なんだか、ラウド大臣が保護者の立ち位置に見えて来る。確かにヨハン様は若くして国王陛下になられた立場だから、仕方ないのかもしれないけれど。
ヨハン国王陛下とラウド大臣……王国内でもトップレベルの重鎮を前に、ユリカお姉さまとカンザスは、完全に言葉を失っていた。そして、このタイミングで初めて、ヨハン様は二人に向き直る。
「そういえば、私がマリア嬢をピエトロ宮殿に招待した理由だったな。理由は幾つかあるが……」
ヨハン様は淡々と話し始める。私をヨハン様がこの場所に呼んだ理由は、私自身もよく分かっていない。だからこそ、彼の言葉に強く耳を傾けていた。
「まずは、マリア嬢に対して、理不尽な婚約破棄をした者とその浮気相手……私はその現場を見ていた」
「あ、あの現場を……国王陛下がですか……!?」
今まで言葉を失っていたカンザスとお姉さまは、いつの間にか息を吹き返していた。あの現場……カンザスが私に一方的に婚約破棄をした瞬間を、ヨハン様に見られていた。その事実に、二人は再び凍りついてしまう。
「貴族全体の格式を落とす行為と見られても致し方あるまい」
「ま、まさか……アルバータ公爵が、ピエトロ宮殿への招待状を書いてくれたのは……?」
「ああ、事前に私が許可を出しておいた。本日はあの時のことを問いただす為に呼んだのだ」
「そ、そんな……!! せっかく、ピエトロ宮殿に招待されたと思ったのに……! ひどい……!」
相手が国王陛下だということを忘れて、ユリカお姉さまは取り乱していた。自業自得なのに、その辺りは完全に忘れている辺り、随分と調子のよい脳みそよね。
「マリア嬢を呼んだのは、別にある」
「えっ……? 他にも理由があるのですか……?」
「当然だ。婚約破棄の件は基本的には関係がない」
なら一体どういう理由で……? 私の中での期待感が膨らんでいくのを確かに感じていた。
「私自身が個人的に、マリア嬢を気に入っているからだ。君が応じてくれるならば、側室として迎えたいと考えている」
びっくりするくらいの国王陛下からの爆弾発言。カンザスやお姉さまの口も塞がっていなかったけれど、私の心の中の期待感は膨らみ過ぎて爆発していた……。そ、側室~~~~~!?
予期せぬ人物の登場に、ユリカお姉さまとカンザスの二人はとても狼狽えていた。そのまま腰を深く曲げて礼をしている。そんな二人を無視するかのように、ヨハン様は私に視線を合わせた。
「よく来てくれた、マリア嬢。本日は無礼講だ、気兼ねなくヨハン、と呼び捨てにしてくれ」
「へ……?」
ヨハン国王陛下からのとんでもない発言。無礼講って……平民の間での上下関係なら、許されるかもしれないけれど……。
私の狼狽えとは裏腹に、ヨハン様は上機嫌に笑っていらっしゃった。そんな時、隣からはラウド大臣が姿を現す。
「陛下……陛下に対して無礼講を出来る者など存在しません」
「わかっている。相変わらず固いなラウドは……」
「陛下が柔軟過ぎるのですぞっ! いくら、マリア・テオドアに対してとはいえ、節度をお持ちください」
なんだか、ラウド大臣が保護者の立ち位置に見えて来る。確かにヨハン様は若くして国王陛下になられた立場だから、仕方ないのかもしれないけれど。
ヨハン国王陛下とラウド大臣……王国内でもトップレベルの重鎮を前に、ユリカお姉さまとカンザスは、完全に言葉を失っていた。そして、このタイミングで初めて、ヨハン様は二人に向き直る。
「そういえば、私がマリア嬢をピエトロ宮殿に招待した理由だったな。理由は幾つかあるが……」
ヨハン様は淡々と話し始める。私をヨハン様がこの場所に呼んだ理由は、私自身もよく分かっていない。だからこそ、彼の言葉に強く耳を傾けていた。
「まずは、マリア嬢に対して、理不尽な婚約破棄をした者とその浮気相手……私はその現場を見ていた」
「あ、あの現場を……国王陛下がですか……!?」
今まで言葉を失っていたカンザスとお姉さまは、いつの間にか息を吹き返していた。あの現場……カンザスが私に一方的に婚約破棄をした瞬間を、ヨハン様に見られていた。その事実に、二人は再び凍りついてしまう。
「貴族全体の格式を落とす行為と見られても致し方あるまい」
「ま、まさか……アルバータ公爵が、ピエトロ宮殿への招待状を書いてくれたのは……?」
「ああ、事前に私が許可を出しておいた。本日はあの時のことを問いただす為に呼んだのだ」
「そ、そんな……!! せっかく、ピエトロ宮殿に招待されたと思ったのに……! ひどい……!」
相手が国王陛下だということを忘れて、ユリカお姉さまは取り乱していた。自業自得なのに、その辺りは完全に忘れている辺り、随分と調子のよい脳みそよね。
「マリア嬢を呼んだのは、別にある」
「えっ……? 他にも理由があるのですか……?」
「当然だ。婚約破棄の件は基本的には関係がない」
なら一体どういう理由で……? 私の中での期待感が膨らんでいくのを確かに感じていた。
「私自身が個人的に、マリア嬢を気に入っているからだ。君が応じてくれるならば、側室として迎えたいと考えている」
びっくりするくらいの国王陛下からの爆弾発言。カンザスやお姉さまの口も塞がっていなかったけれど、私の心の中の期待感は膨らみ過ぎて爆発していた……。そ、側室~~~~~!?
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