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18話 お寿司のお店 その2
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「言うまでもなく、この店での支払いは全く気にすることはない。好きなだけ食べてくれ」
「ライジング公爵……ありがとうございます」
私はお礼を言いながらも、ライジング公爵のお寿司を食べるペースに圧倒されていた。20個くらいあったイクラも半分以上消えて、さらにマグロやハマチ、ネギトロなんかも注文していってるし。
「ライジング公爵……大食いだったのですか?」
「はははっ、普段は抑えているが、寿司になるとどうもな。やはり大好物は大量に食べたくなるだろう?」
「は、はい……おっしゃることは理解できます……」
「良かったよ。イメージと違うとして引かれてしまうかと思っていたからな」
イメージと全然違うって意味では確かに正しい。ライジング公爵は既にお寿司を30個以上は食べている。正式には30貫だったかしら? でも、そんなライジング公爵の意外な一面を見れて、より惹かれてしまうわけで……駄洒落じゃないわよ?
「あ、ハマチとてもおいしいです、マグロも……」
「お寿司の中で好物はあるのかな? ファリーナ」
「はい、私はネギトロが好物です……」
「ネグトロか、なかなか渋いな」
あのグチャっとした触感が堪らないのよね、確かに少し渋いチョイスかもしれないけれど、ライジング公爵は笑ってくださっている。
「ライジング公爵のお好きな物はどれになるんですか?」
「私はそうだな……最初に食べたイクラになるか」
「とてもたくさん召し上がっていらっしゃいますもんね」
「その通りだ、はははははっ」
「うふふふふふっ」
私達はなんだかおかしくなってしまい、同時に笑い出した。こんなに楽しく笑った食事はいつ以来かしら? ライジング公爵の食べるペースがものすごいけれど、私はこの楽しい時間が少しでも長く続くように願っている。変な邪魔などが入らないことを祈るばかりだ。
-------------------------
滞りなく、楽しい食事は続いていくけれど……なんだか、妙な雰囲気を私は店内に感じていた。
「よ~し、ファリーナちゃん、キスやでキス? でも、それ以上のことはまだ許さんで~~?」
「えっ、意外に身持ち堅いっていうか……もっと放任主義かと思ってました」
「そうですよ、お父様っ! ここはファリーナの幸せを願って、最後まで……!」
「……君らにお父様言われるんは何か微妙やけど……まあ、悪くないな」
なんだろう……近くのお客さんの声かしら? イマイチ聞こえ辛いけど、どこか聞き覚えのある声に私は違和感を覚えていた……。
「ライジング公爵……ありがとうございます」
私はお礼を言いながらも、ライジング公爵のお寿司を食べるペースに圧倒されていた。20個くらいあったイクラも半分以上消えて、さらにマグロやハマチ、ネギトロなんかも注文していってるし。
「ライジング公爵……大食いだったのですか?」
「はははっ、普段は抑えているが、寿司になるとどうもな。やはり大好物は大量に食べたくなるだろう?」
「は、はい……おっしゃることは理解できます……」
「良かったよ。イメージと違うとして引かれてしまうかと思っていたからな」
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「あ、ハマチとてもおいしいです、マグロも……」
「お寿司の中で好物はあるのかな? ファリーナ」
「はい、私はネギトロが好物です……」
「ネグトロか、なかなか渋いな」
あのグチャっとした触感が堪らないのよね、確かに少し渋いチョイスかもしれないけれど、ライジング公爵は笑ってくださっている。
「ライジング公爵のお好きな物はどれになるんですか?」
「私はそうだな……最初に食べたイクラになるか」
「とてもたくさん召し上がっていらっしゃいますもんね」
「その通りだ、はははははっ」
「うふふふふふっ」
私達はなんだかおかしくなってしまい、同時に笑い出した。こんなに楽しく笑った食事はいつ以来かしら? ライジング公爵の食べるペースがものすごいけれど、私はこの楽しい時間が少しでも長く続くように願っている。変な邪魔などが入らないことを祈るばかりだ。
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滞りなく、楽しい食事は続いていくけれど……なんだか、妙な雰囲気を私は店内に感じていた。
「よ~し、ファリーナちゃん、キスやでキス? でも、それ以上のことはまだ許さんで~~?」
「えっ、意外に身持ち堅いっていうか……もっと放任主義かと思ってました」
「そうですよ、お父様っ! ここはファリーナの幸せを願って、最後まで……!」
「……君らにお父様言われるんは何か微妙やけど……まあ、悪くないな」
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