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13話 パーティーの終了

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 その後、ささやかな催しは順調に進み、夕方ごろには終了した。私達は結局、ジンギスカンを初め、相当な値段がするであろう料理をライジング公爵から、奢ってもらう形になっていた。


 ライジング公爵の別荘地から出た私達は、とても満足した表情になっていた。ザイル様は先に帰ってしまったけれど……まあ、あの雰囲気では最後まで食べるなんて難しいわよね。

 でも、変なプライドを持っているのか、最後まで私に対する謝罪はなかった。まあ、別にいいんだけどさ。


「ライジング公爵! 本日はお招きいただいて、本当にありがとうございました!」

「ありがとうございました!」


 メイサとシルの二人は元気よく公爵に頭を下げていた。私も二人に遅れて、頭を下げる。


「本日は、ありがとうございました。ライジング公爵」

「気にするな、ファリーナ。貴殿と一緒に食事をすることが出来て楽しかったよ」

「……えっ? あ、そ、その……」

「……」


 ドキリとするようなライジング公爵の言葉に、私は思わず視線を逸らしてしまった。トマトのように真っ赤な顔を見られまいとして。すかさず、メイサとシルの二人に小突かれる。

「痛い……」

「もう、何良い雰囲気になってるのよ?」

「そうよ、ここまで来たらデートの誘いとか色々あるでしょ?」


 えっ? デートの誘い……? 流れ的にはライジング公爵を誘うのよね……え? 本当に? 私は戸惑っていたけれど、メイサとシルの二人はなぜかノリノリだ。私をグイグイと押し込んでライジング公爵の目の前まで連れて行った。

「あ、あの……」

「あ、ああ……」


 後ろでニヤニヤと笑みを浮かべているメイサとシル。その二人の雰囲気も相まって、私だけでなく公爵自身も顔を赤くしていた。なんだかめずらしい表情を拝んでいる気がする。


「言っちゃえ、ファリーナ!」

「いけいけ~~!」


 妙にテンションが高くなった二人。酔っているのかしら……? 確か、食卓にお酒の類はなかったはずだけど。もう、しょうがないわね……二人は楽しんでいるのもあるんだろうけど、ちゃんと私のことを考えてくれている。せっかく友達が作ってくれたチャンス。私は最大限に応えることにしてみた。


「ライジング公爵……よろしければ今度、で、デートなど如何でしょうか……」


 私は自分を最大限に鼓舞して言ってみたけど、やっぱり弱々しくなってしまった。だって、相手は公爵様よ? とても緊張するんだから。

「喜んで……」


 私の緊張感に溢れた誘いの言葉……ライジング公爵から帰って来た言葉は、短い一言の承諾。それもそのはず……ライジング公爵も私に負けないくらい顔を真っ赤にしていたのだから。
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