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12話 開催 その3
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身勝手な言い分っていうのは、どの時代にもあるとは思うけれど……。食卓を囲んでいる中、ザイル様から飛び込んで来た言葉は特に酷いものだった。「髪を下ろしているのが不気味」といった理由で、私との婚約破棄をしておいて……私が髪を上げ、ポニーテールにした途端手の平を返しているのだから。
「ファリーナは私の物……誰にも渡さない、か。はははははっ」
「……おかしいですか?」
ザイル様の言葉をしっかりと反復してみせるライジング公爵。その態度にザイル様は腹が立ったのか、顔色が変化していた。
「ファリーナ、私のところへ戻ってこい。再び婚約をするぞ」
「へっ?」
まさか、ここにきて、ザイル様から婚約を言い渡されるとは思ってもみなかった……。ここまで身勝手な人だとは、流石の私も思っていなかっただけに。メイサとシルの二人もただただ引いていた。
「あの……ザイル様?」
「……なんだ?」
「この状況で、私が首を縦に振ると思っているんですか?」
「なんだと……?」
そこに来て初めて気付いたのか、メイサやシルの表情にザイル様は目配せをしていた。
「マクレガー様…本当にこの状況でファリーナに婚約なんかして良いと思ってるんですか……?」
「もしそうだったなら……幻滅します」
「……」
メイサもシルも怒りを通り越している印象ね……。なんていうか、呆れかえっているというか、汚物を見る目になっているし……。ザイル様の方が位としては一応高いんだけれど、そんなことを感じさせないくらいね。
でも、私だってメイサやシルと気持ちは同じよ。もう、ザイル様と「様」を付けて呼ぶのが馬鹿馬鹿しいくらいには思っているわ。
「ファリーナ……再び、私の元に戻って来る気はないと……そういうことか?」
「はい、ザイル様。私はあなたとは二度と、婚約をする気はありません」
私の言葉はザイル様に届いたのかしら? 彼はそれ以上何も言わなくなってしまった。表情も読み取れないわ……。そんな時、ライジング公爵が口を開いた。
「マクレガー卿、私がこの面子を揃えたのは、貴殿に反省を促す為だ。貴殿がオルスト嬢にどういったことをしたのか……しっかりと見据え、受け止めてもらいたい」
「……私はどうやら、取り返しのつかないことをしてしまったようですね……」
「そういうことだな」
ザイル様の両目からは僅かに涙が零れ落ちていた。自らの罪を認めたっていうことかしら? しかし、私は同情する気にはなれない。ザイル様を許せる時は、この先も訪れないでしょうね。
「ファリーナは私の物……誰にも渡さない、か。はははははっ」
「……おかしいですか?」
ザイル様の言葉をしっかりと反復してみせるライジング公爵。その態度にザイル様は腹が立ったのか、顔色が変化していた。
「ファリーナ、私のところへ戻ってこい。再び婚約をするぞ」
「へっ?」
まさか、ここにきて、ザイル様から婚約を言い渡されるとは思ってもみなかった……。ここまで身勝手な人だとは、流石の私も思っていなかっただけに。メイサとシルの二人もただただ引いていた。
「あの……ザイル様?」
「……なんだ?」
「この状況で、私が首を縦に振ると思っているんですか?」
「なんだと……?」
そこに来て初めて気付いたのか、メイサやシルの表情にザイル様は目配せをしていた。
「マクレガー様…本当にこの状況でファリーナに婚約なんかして良いと思ってるんですか……?」
「もしそうだったなら……幻滅します」
「……」
メイサもシルも怒りを通り越している印象ね……。なんていうか、呆れかえっているというか、汚物を見る目になっているし……。ザイル様の方が位としては一応高いんだけれど、そんなことを感じさせないくらいね。
でも、私だってメイサやシルと気持ちは同じよ。もう、ザイル様と「様」を付けて呼ぶのが馬鹿馬鹿しいくらいには思っているわ。
「ファリーナ……再び、私の元に戻って来る気はないと……そういうことか?」
「はい、ザイル様。私はあなたとは二度と、婚約をする気はありません」
私の言葉はザイル様に届いたのかしら? 彼はそれ以上何も言わなくなってしまった。表情も読み取れないわ……。そんな時、ライジング公爵が口を開いた。
「マクレガー卿、私がこの面子を揃えたのは、貴殿に反省を促す為だ。貴殿がオルスト嬢にどういったことをしたのか……しっかりと見据え、受け止めてもらいたい」
「……私はどうやら、取り返しのつかないことをしてしまったようですね……」
「そういうことだな」
ザイル様の両目からは僅かに涙が零れ落ちていた。自らの罪を認めたっていうことかしら? しかし、私は同情する気にはなれない。ザイル様を許せる時は、この先も訪れないでしょうね。
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