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9話 ささやかな催し その3
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ザイル・マクレガー様との突然の遭遇……それは、私の中で一体、何をもたらすんだろうか? 出会った瞬間に、外見の変わった私に気付かなかった……仮にも婚約者だったのにあり得ないけど、それだけ薄い付き合いしかしていなかったのかもしれない。
でも、メイサやシルはすぐに気付いてくれたし、普通は気付かない方がおかしいと思うけど。
「いや……私の為に、髪を上げてくれるとはね……ははははっ」
「……えっ?」
この方は何を言ってるんだろうか? まさか、まだ自分の物とでも思っているとか? ザイル様の為に髪を上げるなんてするわけないでしょ! これはライジング公爵様の助言があったからよ!
でも、人見知りが解消していない私は、ザイル様に面と向かって言うことが出来なかった。代わりに、メイサとシルが口を開いて反論してくれた。ごめんなさい、二人とも……。
「そんなわけないと思いますよ? どうして今さらマクレガー様の為に、ファリーナが髪を上げないといけないんですか?」
「そうですよ、婚約破棄は成立しているのに!」
「これは大変な言われようだな……まったく。だが、これ程までの美人だったとは……前言は撤回しようじゃないか。どうだ? また私と婚約関係にでも……」
「……お断りいたします」
私は出来るだけ、自分の感情を押し殺して答えた。本来であれば、あまりに身勝手な言い分に鉄拳制裁くらいはしたい気持ちでいっぱいだったけれど、さすがにそんなことは出来ない。
「よく、集まってくれた。礼を言おう」
「あ……ライジング公爵……」
そんな時、ライジング公爵が現れた。普段から正装をされているけれど、今日は一段と綺麗なお召し物をされている。私は女性だけれど、ライジング公爵に思わず見惚れてしまった。
「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます」
それぞれ、ライジング公爵に挨拶を交わした。公爵の手招きの合図で顔を上げる。
「本日は簡単なパーティーでしかない。あまり気負わず、自由にやってくれ。貴殿らの普段は見せない顔なども楽しみにしているぞ。はっはっはっはっはっ」
ライジング公爵のお茶目な発言と言えばいいのかしら? メイサもシルも公爵相手になんと突っ込めばいいのか、そもそも突っ込んでいいのかを迷っているようだった。一方、ザイル様はというと……。
「いやいや、ライジング公爵殿。本日は本当にお招きいただきありがとうございます。麗しい女性陣が多く、私も目のやり場に困ってしまいますよ」
ザイル様は私達の言葉など、まったく意に介していない態度を取っていた。その態度は私はもちろん、メイサやシルにも決して良い感情を与えていない。
そんな形で始まったパーティーは、早くも不穏な空気を漂わせていた。
でも、メイサやシルはすぐに気付いてくれたし、普通は気付かない方がおかしいと思うけど。
「いや……私の為に、髪を上げてくれるとはね……ははははっ」
「……えっ?」
この方は何を言ってるんだろうか? まさか、まだ自分の物とでも思っているとか? ザイル様の為に髪を上げるなんてするわけないでしょ! これはライジング公爵様の助言があったからよ!
でも、人見知りが解消していない私は、ザイル様に面と向かって言うことが出来なかった。代わりに、メイサとシルが口を開いて反論してくれた。ごめんなさい、二人とも……。
「そんなわけないと思いますよ? どうして今さらマクレガー様の為に、ファリーナが髪を上げないといけないんですか?」
「そうですよ、婚約破棄は成立しているのに!」
「これは大変な言われようだな……まったく。だが、これ程までの美人だったとは……前言は撤回しようじゃないか。どうだ? また私と婚約関係にでも……」
「……お断りいたします」
私は出来るだけ、自分の感情を押し殺して答えた。本来であれば、あまりに身勝手な言い分に鉄拳制裁くらいはしたい気持ちでいっぱいだったけれど、さすがにそんなことは出来ない。
「よく、集まってくれた。礼を言おう」
「あ……ライジング公爵……」
そんな時、ライジング公爵が現れた。普段から正装をされているけれど、今日は一段と綺麗なお召し物をされている。私は女性だけれど、ライジング公爵に思わず見惚れてしまった。
「本日はお招きいただきまして、ありがとうございます」
それぞれ、ライジング公爵に挨拶を交わした。公爵の手招きの合図で顔を上げる。
「本日は簡単なパーティーでしかない。あまり気負わず、自由にやってくれ。貴殿らの普段は見せない顔なども楽しみにしているぞ。はっはっはっはっはっ」
ライジング公爵のお茶目な発言と言えばいいのかしら? メイサもシルも公爵相手になんと突っ込めばいいのか、そもそも突っ込んでいいのかを迷っているようだった。一方、ザイル様はというと……。
「いやいや、ライジング公爵殿。本日は本当にお招きいただきありがとうございます。麗しい女性陣が多く、私も目のやり場に困ってしまいますよ」
ザイル様は私達の言葉など、まったく意に介していない態度を取っていた。その態度は私はもちろん、メイサやシルにも決して良い感情を与えていない。
そんな形で始まったパーティーは、早くも不穏な空気を漂わせていた。
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