42 / 48
十章
夜明け
しおりを挟む
繰り返す波音が耳底を打つ。吹き抜ける風が頬を撫で髪を揺らす。浮き立つ心に駆け出したいが、リリアルーラはサジャミールが搦めた指にしっかりと繋ぎ止められている。
手を繋いで歩いているだけなのに、たまらなく幸福だ。隣を歩く美丈夫は、熱の籠もった視線で秒毎に愛を告げてくれる。繋いだ手から伝わるぬくもりは、優しくも穏やかなのに狂おしく熱いようにも思える。
「サジャミール様、大好きです」
ためらうことなく口にすれば、サジャミールはうっとりするような笑顔を浮かべた。
「風に凪ぐあなたの髪は、羽のようだ。こんなに近くにいるのに、どこかへ飛んで行ってしまいそうにも思える」
だが、その瞳は紺碧に沈んでいて、ひどく痛ましい。どうしてそんなに悲しそうなのだろう? どうしてそんなことを言うのだろう? 自分は今、愛を告げたのに。
「どこかへ飛んでいってしまいそうなんて、そんな。私――」
突然視界が切り替わり、一切の光がない暗闇に包まれていた。一瞬どこにいるのかわからず息を呑み、ごとごとと揺れる馬車にリリアルーラは我に返る。夢を見ていたのだ。
「私、寝てたのね……」
座椅子にもたれた背中と腰が軋む。いつの間に眠ってしまったのだろう。
「夢、なのね……」
耳底には未だ波音が響いている。鮮烈な風の匂いも思い出せる。だがあれは夢で、リリアルーラは今、砂漠にいるのだ。海――サジャミールの王宮からは秒毎に離れ続けている。
「どこにも行きません、なんて、言わなくて良かったわ」
ぽつりと呟いた途端、身体の芯から凍るような絶望が湧いた。夢の中でもサジャミールには嘘をつきたくないなんて、今さら何を。嘘をつくよりひどいことをしたのに。
あまりの寄る辺なさに、「夜の砂漠は寒いから」とイルマが用意してくれた外套ごと自分を抱きしめた。だが、ぶ厚くも軽く優しい布地は心まであたためてくれない。行儀が悪いのは承知で靴を脱ぎ、座席に深く座り込んで膝を抱えた。
その時、足首に走ったひんやりとした感触にリリアルーラは戦慄した。たった数日で身体に馴染みきっていた足輪が、忘れるなとばかりに存在を訴えてくる。
(魔除けと守護を果たし、あなたに幸運をもたらすように)
サジャミールの声が蘇った。夜闇にも明るい碧の瞳が一瞬で潤む。あの時から彼はリリアルーラの幸福を祈ってくれていたのだ。きっともう、あの時には愛されていた。初めての謁見の時から彼は、リリアルーラに運命を感じたと言っていた。それを信じなかったのは、軽んじたのは――。
「あ、あ、ああ……」
ぼろぼろと大粒の涙が零れ落ち、喉奥から嗚咽が溢れる。バイフーラに戻るまでは、絶対に泣かないと決めていたのに。
サジャミールの元を去ることに後悔はない。それ以外選べなかった。キリアから恐ろしい言葉をぶつけられた。リリアルーラを忌む呪詛を、たった一日でうんざりするほど耳にした。もしリリアルーラが砂漠の出身なら――いや、「禍の姫君」などという呼び名を冠していなければ違ったかもしれない。だが、仮定の話をしたところで現実は覆らない。
あのまま王宮に残れば、必ずやリリアルーラは争乱の種となっただろう。ただでさえ不穏なシャファーフォンに、大いなる戦禍をもたらすかもしれない。
離別は耐え難く、心だけでなく全身がばらばらになりそうな痛みを覚えている。サジャミールはリリアルーラの運命、生涯ただ一人の恋人。彼以外には決して誰も愛せない。
バイフーラに戻ったら、修道院へ入ろうと決めている。そうして、サジャミールとシャファーフォン王国の幸福を祈って暮らすのだ。不名誉な呼び名を持つ姫君が嫁ぎもせずにのうのうとのさばっていてはバイフーラに禍を呼ぶ。リリアルーラは「禍の姫君」だから。
(幸福になるための運命以外、捨ててしまえばいい)
ルーユアンの声を思い出したリリアルーラの胸を、更なる痛みが貫いた。運命に出会えば幸福になれると思っていた。永劫続く幸福に包まれると信じていた。
しかし耳をすまし目を見開きすべてを見定め、愛の本質と痛みを知り、かつての自身が間違っていたと知った。その上で、愛した。全身全霊で、愛した。
だからリリアルーラは、サジャミールを守ることを選んだ。それこそがリリアルーラの運命で、愛だと。自らの幸福と引き換えに、すべてを捨て去ることなどできないから。
今にも叫び出しそうな自分を、リリアルーラは必死で堪える。今すぐ馬車を降りて王宮へ駈けていきたい想いを殺す。
堪えきれない嗚咽が喉を震わせ、干上がるのではと思うほど涙が落ちる。泣きすぎたせいか、割れんばかりに頭が痛む。後悔はなくとも未練はある。もう二度と会えないと思えば、このまま息絶えてしまいたいと思う。だがそんなこと、彼女自身許せるはずもない。
しゃくり上げた拍子に、小窓に掛かるカーテンが揺れた。かすかに覗いた外に明るさを認め、リリアルーラは腰を上げる。
うす青い光が砂漠を満たしている。地平線の彼方は濃い青に染まっているが、たなびく雲はオレンジ色を帯びている。
「もう、朝……」
深夜を随分と回ってようやく、王宮を出られた。兵の目をかいくぐったわけではなく、正式な手順を踏んだ分だけ時間がかかったのだ。あれから数時間しか過ぎていないのに、果てしなく遠くへ来た気がする。もう、リリアルーラの足では絶対に王宮に戻れない。
ひたひたの絶望が胸を蝕む。枯れることのない涙が頬を濡らす。しかし、はっと息を呑んだリリアルーラの涙が止まった。濃い青に染まっていた遠い地平線が白とオレンジを帯びている。窓に張りつきその根源を確かめると、はるか後方に金の光が見えた。
夜明けだ。うす青い世界に金が瞬く。刻一刻と夜が去っていく。
「海、だわ」
碧の瞳から涙が噴き出した。風紋たゆたう砂漠に、金の光が舞う。サジャミールと並んで見た夜明けの海、きらきらと瞬いていた波のように。
「サジャミール、様……」
愛しい王の名を呼んだリリアルーラを、滂沱の涙が濡らす。会いたい。会えない。二度と会わない。決して忘れはしないけれど。いついつまでも、どんな瞬間も愛するけれど。
(愛してる、リリアルーラ、私の小鳥……)
リリアルーラはしゃくり上げた。本当に、小鳥だったら良かった。そうしたら何も気にせずサジャミールの元へと飛べた。
「あ……」
唐突な天啓がひらめいた。サジャミールの肩帯に踊っていた一羽の小鳥。あれは、リリアルーラの部屋の天蓋で翼を広げていた小鳥と同じ意匠ではなかったか?
「あ、あ、あ……」
ただの偶然かもしれない。あるいはリリアルーラの思い込みかもしれない。だが、サジャミールが王として身に纏った肩帯に、小鳥が縫い取られていたのは確かだ。小鳥――リリアルーラ。信じられない程深い愛を注がれていたことを今更思い知る。
(魂はいつもあなたの傍に)
この世の誰より愛しい声が、こだまのように脳裏に響く。リリアルーラは目を見開き小窓の外に広がる青空を焼きつけた。バイフーラの空へと繋がる砂漠の空を。
「サ……じゃ――」
狂ったように号泣するリリアルーラはもうまともな言葉を紡げず、サジャミールの名さえ呼べない。だから心で強く思う。
魂の一部をここに置いていこう。そうして、遠い空の果てから幸いを祈ろう。翼はないけれど、心は自由に飛べる。小鳥はいつもあなたの傍に。私の愛は砂漠の王のもの。
手を繋いで歩いているだけなのに、たまらなく幸福だ。隣を歩く美丈夫は、熱の籠もった視線で秒毎に愛を告げてくれる。繋いだ手から伝わるぬくもりは、優しくも穏やかなのに狂おしく熱いようにも思える。
「サジャミール様、大好きです」
ためらうことなく口にすれば、サジャミールはうっとりするような笑顔を浮かべた。
「風に凪ぐあなたの髪は、羽のようだ。こんなに近くにいるのに、どこかへ飛んで行ってしまいそうにも思える」
だが、その瞳は紺碧に沈んでいて、ひどく痛ましい。どうしてそんなに悲しそうなのだろう? どうしてそんなことを言うのだろう? 自分は今、愛を告げたのに。
「どこかへ飛んでいってしまいそうなんて、そんな。私――」
突然視界が切り替わり、一切の光がない暗闇に包まれていた。一瞬どこにいるのかわからず息を呑み、ごとごとと揺れる馬車にリリアルーラは我に返る。夢を見ていたのだ。
「私、寝てたのね……」
座椅子にもたれた背中と腰が軋む。いつの間に眠ってしまったのだろう。
「夢、なのね……」
耳底には未だ波音が響いている。鮮烈な風の匂いも思い出せる。だがあれは夢で、リリアルーラは今、砂漠にいるのだ。海――サジャミールの王宮からは秒毎に離れ続けている。
「どこにも行きません、なんて、言わなくて良かったわ」
ぽつりと呟いた途端、身体の芯から凍るような絶望が湧いた。夢の中でもサジャミールには嘘をつきたくないなんて、今さら何を。嘘をつくよりひどいことをしたのに。
あまりの寄る辺なさに、「夜の砂漠は寒いから」とイルマが用意してくれた外套ごと自分を抱きしめた。だが、ぶ厚くも軽く優しい布地は心まであたためてくれない。行儀が悪いのは承知で靴を脱ぎ、座席に深く座り込んで膝を抱えた。
その時、足首に走ったひんやりとした感触にリリアルーラは戦慄した。たった数日で身体に馴染みきっていた足輪が、忘れるなとばかりに存在を訴えてくる。
(魔除けと守護を果たし、あなたに幸運をもたらすように)
サジャミールの声が蘇った。夜闇にも明るい碧の瞳が一瞬で潤む。あの時から彼はリリアルーラの幸福を祈ってくれていたのだ。きっともう、あの時には愛されていた。初めての謁見の時から彼は、リリアルーラに運命を感じたと言っていた。それを信じなかったのは、軽んじたのは――。
「あ、あ、ああ……」
ぼろぼろと大粒の涙が零れ落ち、喉奥から嗚咽が溢れる。バイフーラに戻るまでは、絶対に泣かないと決めていたのに。
サジャミールの元を去ることに後悔はない。それ以外選べなかった。キリアから恐ろしい言葉をぶつけられた。リリアルーラを忌む呪詛を、たった一日でうんざりするほど耳にした。もしリリアルーラが砂漠の出身なら――いや、「禍の姫君」などという呼び名を冠していなければ違ったかもしれない。だが、仮定の話をしたところで現実は覆らない。
あのまま王宮に残れば、必ずやリリアルーラは争乱の種となっただろう。ただでさえ不穏なシャファーフォンに、大いなる戦禍をもたらすかもしれない。
離別は耐え難く、心だけでなく全身がばらばらになりそうな痛みを覚えている。サジャミールはリリアルーラの運命、生涯ただ一人の恋人。彼以外には決して誰も愛せない。
バイフーラに戻ったら、修道院へ入ろうと決めている。そうして、サジャミールとシャファーフォン王国の幸福を祈って暮らすのだ。不名誉な呼び名を持つ姫君が嫁ぎもせずにのうのうとのさばっていてはバイフーラに禍を呼ぶ。リリアルーラは「禍の姫君」だから。
(幸福になるための運命以外、捨ててしまえばいい)
ルーユアンの声を思い出したリリアルーラの胸を、更なる痛みが貫いた。運命に出会えば幸福になれると思っていた。永劫続く幸福に包まれると信じていた。
しかし耳をすまし目を見開きすべてを見定め、愛の本質と痛みを知り、かつての自身が間違っていたと知った。その上で、愛した。全身全霊で、愛した。
だからリリアルーラは、サジャミールを守ることを選んだ。それこそがリリアルーラの運命で、愛だと。自らの幸福と引き換えに、すべてを捨て去ることなどできないから。
今にも叫び出しそうな自分を、リリアルーラは必死で堪える。今すぐ馬車を降りて王宮へ駈けていきたい想いを殺す。
堪えきれない嗚咽が喉を震わせ、干上がるのではと思うほど涙が落ちる。泣きすぎたせいか、割れんばかりに頭が痛む。後悔はなくとも未練はある。もう二度と会えないと思えば、このまま息絶えてしまいたいと思う。だがそんなこと、彼女自身許せるはずもない。
しゃくり上げた拍子に、小窓に掛かるカーテンが揺れた。かすかに覗いた外に明るさを認め、リリアルーラは腰を上げる。
うす青い光が砂漠を満たしている。地平線の彼方は濃い青に染まっているが、たなびく雲はオレンジ色を帯びている。
「もう、朝……」
深夜を随分と回ってようやく、王宮を出られた。兵の目をかいくぐったわけではなく、正式な手順を踏んだ分だけ時間がかかったのだ。あれから数時間しか過ぎていないのに、果てしなく遠くへ来た気がする。もう、リリアルーラの足では絶対に王宮に戻れない。
ひたひたの絶望が胸を蝕む。枯れることのない涙が頬を濡らす。しかし、はっと息を呑んだリリアルーラの涙が止まった。濃い青に染まっていた遠い地平線が白とオレンジを帯びている。窓に張りつきその根源を確かめると、はるか後方に金の光が見えた。
夜明けだ。うす青い世界に金が瞬く。刻一刻と夜が去っていく。
「海、だわ」
碧の瞳から涙が噴き出した。風紋たゆたう砂漠に、金の光が舞う。サジャミールと並んで見た夜明けの海、きらきらと瞬いていた波のように。
「サジャミール、様……」
愛しい王の名を呼んだリリアルーラを、滂沱の涙が濡らす。会いたい。会えない。二度と会わない。決して忘れはしないけれど。いついつまでも、どんな瞬間も愛するけれど。
(愛してる、リリアルーラ、私の小鳥……)
リリアルーラはしゃくり上げた。本当に、小鳥だったら良かった。そうしたら何も気にせずサジャミールの元へと飛べた。
「あ……」
唐突な天啓がひらめいた。サジャミールの肩帯に踊っていた一羽の小鳥。あれは、リリアルーラの部屋の天蓋で翼を広げていた小鳥と同じ意匠ではなかったか?
「あ、あ、あ……」
ただの偶然かもしれない。あるいはリリアルーラの思い込みかもしれない。だが、サジャミールが王として身に纏った肩帯に、小鳥が縫い取られていたのは確かだ。小鳥――リリアルーラ。信じられない程深い愛を注がれていたことを今更思い知る。
(魂はいつもあなたの傍に)
この世の誰より愛しい声が、こだまのように脳裏に響く。リリアルーラは目を見開き小窓の外に広がる青空を焼きつけた。バイフーラの空へと繋がる砂漠の空を。
「サ……じゃ――」
狂ったように号泣するリリアルーラはもうまともな言葉を紡げず、サジャミールの名さえ呼べない。だから心で強く思う。
魂の一部をここに置いていこう。そうして、遠い空の果てから幸いを祈ろう。翼はないけれど、心は自由に飛べる。小鳥はいつもあなたの傍に。私の愛は砂漠の王のもの。
0
お気に入りに追加
172
あなたにおすすめの小説
慰み者の姫は新皇帝に溺愛される
苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。
皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。
ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。
早速、二人の初夜が始まった。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
【完結】【R18】男色疑惑のある公爵様の契約妻となりましたが、気がついたら愛されているんですけれど!?
夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
「俺と結婚してくれたら、衣食住完全補償。なんだったら、キミの実家に支援させてもらうよ」
「え、じゃあ結婚します!」
メラーズ王国に住まう子爵令嬢マーガレットは悩んでいた。
というのも、元々借金まみれだった家の財政状況がさらに悪化し、ついには没落か夜逃げかという二択を迫られていたのだ。
そんな中、父に「頼むからいい男を捕まえてこい!」と送り出された舞踏会にて、マーガレットは王国の二大公爵家の一つオルブルヒ家の当主クローヴィスと出逢う。
彼はマーガレットの話を聞くと、何を思ったのか「俺と契約結婚しない?」と言ってくる。
しかし、マーガレットはためらう。何故ならば……彼には男色家だといううわさがあったのだ。つまり、形だけの結婚になるのは目に見えている。
そう思ったものの、彼が提示してきた条件にマーガレットは飛びついた。
そして、マーガレットはクローヴィスの(契約)妻となった。
男色家疑惑のある自由気ままな公爵様×貧乏性で現金な子爵令嬢。
二人がなんやかんやありながらも両想いになる勘違い話。
◆hotランキング 10位ありがとうございます……!
――
◆掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ、エブリスタ
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
【完結】そんなに側妃を愛しているなら邪魔者のわたしは消えることにします。
たろ
恋愛
わたしの愛する人の隣には、わたしではない人がいる。………彼の横で彼を見て微笑んでいた。
わたしはそれを遠くからそっと見て、視線を逸らした。
ううん、もう見るのも嫌だった。
結婚して1年を過ぎた。
政略結婚でも、結婚してしまえばお互い寄り添い大事にして暮らしていけるだろうと思っていた。
なのに彼は婚約してからも結婚してからもわたしを見ない。
見ようとしない。
わたしたち夫婦には子どもが出来なかった。
義両親からの期待というプレッシャーにわたしは心が折れそうになった。
わたしは彼の姿を見るのも嫌で彼との時間を拒否するようになってしまった。
そして彼は側室を迎えた。
拗れた殿下が妻のオリエを愛する話です。
ただそれがオリエに伝わることは……
とても設定はゆるいお話です。
短編から長編へ変更しました。
すみません
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる