【完結】絶縁したはずの白ロリ美少女の元同級生に襲われたんだけど、いま草深い庭で迷い猫を探している最中なんですが!?(旧題【何かが、庭で。】)

今田ナイ

文字の大きさ
上 下
5 / 13
本編

猫を追う②どうして?

しおりを挟む
「まったく、貴方という人はどうしてこんなに堪え性が無いんです。わんわん君も呆れているじゃないですか」

「え」

「うう……だって、皆楽しそう……わんわんの声、聞こえる。我慢、やだ」

「あ、ごめんねー。俺らの話し声がうるさくて集中出来ないんでしょ、ワンコ書記は騒がしいの嫌いだもんね」

「いっそ耳栓でも使いますか?」

「ダメ、わんわんの声……聞こえなくなる。耳栓いらな、い」

「面倒臭ぇなテメーは、じゃあどうすんだよ」

「頑張ってください、先輩ならきっと最後までやり遂げるって信じてます!」


いや、えーっと。
多分普通に手伝ったりすれば早く終わるんじゃないだろうか。その選択肢は無いの?
ちらちら俺を見る涙目の書記さまは、さっきからお仕事があまり進んでいないようだし。

ハア、とため息を吐く隊長さん。


「仕方ないですね、全く」


そう言って何やら書記さまに耳打ちを――。
え、どうして急にひそひそ話?



「!!」


突如くわっと目を見開いた書記さま(ちょっと怖かった)が物凄い勢いで机上のPCをカタカタ打ち始めた。な、何事!?
書類作成の続きだよねこれ。
ただし、速さが今までの比じゃないんだけど。一心不乱に文章打ち込んでて、手元の分厚い紙束がどんどん少なくなっていく。
す、すげぇよ書記さま。隊長さんは一体何を言ったんだ?


「ふう、ようやく真剣になってくださいましたか。この調子だと作業もすぐ終わりそうですね。ああ、でも念のため会長さまには引き続き、書記さまの監視をお願いします」

「お、おう」


名指しされ、ビクッとする会長さま。
ごまかすみたいに空咳を一つして自分の仕事机へと戻って行ったけれど。
会計さまなんか肩で笑ってるし、ばればれですよ。

実は意外と結構なビビりさんだったりすんのかな。
本人に言ったら怒られそうだけど、ちょっと可愛いかも。



「それじゃあ僕は皆さまに飲み物のお代わりを用意しますね。わんわん君、すみませんが手伝ってくれますか?」

「あ、はい。もちろんですっ」


隊長さんの言葉に直ぐさま席を立つ。
お茶くみは俺の数少ない仕事の一つだもんね。むしろ言われるまで気付かなくてすみません、て感じだし。
ただ、今回は他の意図があったらしく一緒に手伝おうとする他三人を

「わんわん君と少し二人だけで話したい事もあるので」

と断る隊長さん。
そうして俺たちは生徒会室の奥にある別室へと向かうのだった。

.
しおりを挟む
☆拙作をお読み頂き誠にありがとうございます。よかったら以下の作品ものぞいてみて下さい。

第18回恋愛小説大賞にエントリーしておりますので、お気に召しましたら投票・お気に入り登録宜しくお願い致します。動乱によって故国を追われ、飛竜に乗って異界の双竜町へ逃れて来た幼い姫君の現代ファンタジー(逆異世界転移)です。異界に逃れて十数年、戦が終わったから戻ってこいとか今さら許嫁(王子)に言われても、もうお姫様じゃなくてただの女子高生なんですけど!?

田舎の道具屋兼薬草師の少女と駆け出し少年勇者のガール・ミーツ・ボーイ的じれもだ異世界恋愛ファンタジーです。(長編/R15)少年勇者の面倒を見ていたら何かが芽生えてしまったみたい。でも私はただの田舎の道具屋兼薬草師に過ぎないのですが。~私の勇者さま、NPCの祈り~

おさんどん女子高生とひとならざるものの、重めでちょっと切ない現代ファンタジー(異類婚姻譚もどき)です。(中編/R15)中学生の時に火葬場で見初めてきた人外イケメンが、三年後に現れて私を地獄に連れて行くそうなのですが、家事育児が忙しいのでお断りします。(旧題【さよならのタイミング】)

どうみても幼女にしか見えない用務員の長谷川さん♀を中心としたリアル中二病な男子中学生他が騒ぐだけの肩肘張らない青春ストーリーです。(短編/R15)ちっちゃな用務員の長谷川さんは、とにかくちっちゃ可愛い。※○○ではない(たぶん)(旧題【ちっちゃな用務員☆長谷川さん】)
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪夢

ちゃっぷ
ホラー
後味の悪い話、何となく思いついた話、昔見た夢の話などをポツポツと思いついた時に書いていきます。

バベル病院の怪

中岡 始
ホラー
地方都市の市街地に、70年前に建設された円柱形の奇妙な廃病院がある。かつては最先端のモダンなデザインとして話題になったが、今では心霊スポットとして知られ、地元の若者が肝試しに訪れる場所となっていた。 大学生の 森川悠斗 は都市伝説をテーマにした卒業研究のため、この病院の調査を始める。そして、彼はX(旧Twitter)アカウント @babel_report を開設し、廃病院での探索をリアルタイムで投稿しながらフォロワーと情報を共有していった。 最初は何の変哲もない探索だったが、次第に不審な現象が彼の投稿に現れ始める。「背景に知らない人が写っている」「投稿の時間が巻き戻っている」「彼が知らないはずの情報を、誰かが先に投稿している」。フォロワーたちは不安を募らせるが、悠斗本人は気づかない。 そして、ある日を境に @babel_report の投稿が途絶える。 その後、彼のフォロワーの元に、不気味なメッセージが届き始める—— 「次は、君の番だよ」

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

心霊都市の大学生

はるさめ☀️
ホラー
心霊現象が多発し、人々が恐れを抱く都市――うらめ市。 不吉な噂だらけのこの街にある大学に、受験に失敗した脳筋・銀崎誠二は晴れて入学することに。 銀崎は仲間たちと共にホラーなキャンパスライフを満喫する。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

処理中です...