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第四章
エピローグ
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オーランはケーロビアと交渉し、お互いに条件を出し和平に結びつけた。
色々と条件を突きつけられたがとりあえずこれで落ち着いてくれればと、オーランは安堵の表情を浮かべていた。
それから半年後、イレーナはオーランとの結婚式を執り行い正式に陛下の妃としての地位を得る。
「イレーナ、綺麗だよ」
真っ白なドレスに身を包んだオーランがうっとりとした眼差しで見つめてくる。
イレーナは厳かな式の間ずっと緊張しっぱなしで、早く身軽になりたかったけれどオーランにまだそのままでと言われてしまった。
オーランはウェディングドレス姿のままのイレーナを抱き、感慨深く言った。
「やっと俺だけのものだー」
「ええ。私はあなたのものよ。オーランも私だけのものー」
イレーナにはもう姫巫女の力は完全に無くなってしまっていた。
幾何学模様が浮かび上がることはもう無いかもしれない。
それだけ深くオーランを愛してしまったからー。
オーランの毒を取り除くことができなかったのが一番悔やまれるけれど、その分イレーナが側にいて支えてやればいい。
「よかったな。あの老婆が回復して式に出席してくれて」
「ええ。本当に嬉しかったわ」
あのあとイレーナは何度かあのお婆さんのところに見舞いに行っていた。
彼女は唯一の故郷の人間で、なぜだかとても親近感が湧いていた。
「ありがとう。お婆さんに会わせてくれて」
「何。俺も最近彼女がお前の国の出身だと知ったばかりだ」
オーランのさりげない優しさが伝わってくる。
はじめての出会いが最悪で、ずっとオーランを憎んでいた。
この思いは心の奥に燻り続け、たとえ夫婦になっても変わることはない。
そのことを忘れずに胸にしまって、オーランを愛していく。
この先何があってもー。
※完結です。
途中挫折しましたが、何とか完結しました。
拙い文章と矛盾したところも多々あるかと思いますが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
色々と条件を突きつけられたがとりあえずこれで落ち着いてくれればと、オーランは安堵の表情を浮かべていた。
それから半年後、イレーナはオーランとの結婚式を執り行い正式に陛下の妃としての地位を得る。
「イレーナ、綺麗だよ」
真っ白なドレスに身を包んだオーランがうっとりとした眼差しで見つめてくる。
イレーナは厳かな式の間ずっと緊張しっぱなしで、早く身軽になりたかったけれどオーランにまだそのままでと言われてしまった。
オーランはウェディングドレス姿のままのイレーナを抱き、感慨深く言った。
「やっと俺だけのものだー」
「ええ。私はあなたのものよ。オーランも私だけのものー」
イレーナにはもう姫巫女の力は完全に無くなってしまっていた。
幾何学模様が浮かび上がることはもう無いかもしれない。
それだけ深くオーランを愛してしまったからー。
オーランの毒を取り除くことができなかったのが一番悔やまれるけれど、その分イレーナが側にいて支えてやればいい。
「よかったな。あの老婆が回復して式に出席してくれて」
「ええ。本当に嬉しかったわ」
あのあとイレーナは何度かあのお婆さんのところに見舞いに行っていた。
彼女は唯一の故郷の人間で、なぜだかとても親近感が湧いていた。
「ありがとう。お婆さんに会わせてくれて」
「何。俺も最近彼女がお前の国の出身だと知ったばかりだ」
オーランのさりげない優しさが伝わってくる。
はじめての出会いが最悪で、ずっとオーランを憎んでいた。
この思いは心の奥に燻り続け、たとえ夫婦になっても変わることはない。
そのことを忘れずに胸にしまって、オーランを愛していく。
この先何があってもー。
※完結です。
途中挫折しましたが、何とか完結しました。
拙い文章と矛盾したところも多々あるかと思いますが、最後まで読んで頂きありがとうございました。
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