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翌日の朝、サーラはこっそりと屋敷を後にした。
ジルと顔を合わせるのが恥ずかしかった。
馬車に揺られながらも思い出すのは、ジルのことばかり。
その想いは日が経つにつれて薄れていくどころか、大きくなっていく。
今までだって何度かジルに会っていたのに、こんな気持ちになるのは初めてだった。
「サーラ! 聞いてるの?」
名前を呼ばれてはっと我に返る。
「は、はい!」
「全く。黙って家を飛び出して。婚約前の娘がすることじゃないわ」
「ごめんなさい。どうしてもお兄様に会いたくなって」
咄嗟についた嘘に母は半信半疑な顔を見せる。
「まあ、いいわ。それよりもいい? 明日はローランド公爵様とのデートのなのよ。失礼がないようにね」
サーラは鏡に映る自分の姿を見つめてため息を吐く。
「このドレス、派手じゃないかしら。私この色好きじゃないわ」
「あなたの趣味なんて関係ないのよ。これはローランド公爵様からプレゼントされたものなんだから」
明日のデートはこのドレスを着てくれーという手紙と共に先日送られてきたドレスを着せられている。
サーラの年齢に不釣り合いな濃い紫色をしたドレスは、胸元が大胆に開いているデザインで胸の谷間が露わになる。
「いい? 公爵様のご機嫌をそうようなことをしてはいけませんよ?」
母の言葉にサーラは頷くことはしなかった。
「もう寝るわ」
そっけなく言ってサーラは部屋を後にする。
明日のデートのことを考えるだけでも憂鬱なのに、その男と結婚をしてこの先も一生一緒にいなければならないと思うと絶望しかなかった。
(相手がジル様だったらもっと楽しみなのにー)
叶うはずもない思いに胸を馳せながら、サーラは眠れない夜を過ごした。
デートの朝ローランドが屋敷まで迎えに来た。
「おお。サーラ。なんと美しい」
「ありがとうございます」
深く頭を下げると胸元が見えてしまうため、サーラは控えめに会釈をして挨拶を交わした。
サーラのドレス姿にローランドは満足げに頷く。
「さあ、行こう。今日は観劇を見て、夜は美味しいレストランを予約してあるからそこで食事だ」
ローランドはサーラの腰に手を回し、ピッタリとくっついてきて自分のものだと言わんばかりの主張をしてきた。
馬車に乗っている間もサーラの目の前に座り、じっとりとした視線で見つめてくる。
サーラは居心地が悪くて窓の外を見ていた。
「このまま今すぐにでも私の屋敷に君を連れて行きたいくらい、私は君のことを愛している」
「ありがとうございます」
「もっと笑顔を見せろ。私と結婚できて嬉しいのだろう?」
「はい」
言われるまま満面の笑みを見せると、ローランドは傲慢な笑みを浮かべた。
退屈な観劇を鑑賞してローランドの行きつけだというレストランに向かう。
高級な料理の数々だったが、今のサーラには味など分からなかった。
「ここのワインがまた絶品なんだ。サーラ、君もワインを飲むだろう?」
「いえ、私はー」
控えめに遠慮をするとローランドは眉根を寄せた。
「私のおすすめのワインが飲めないと?」
「いえ。ただお酒に弱くて」
サーラの返事にローランドは声をあげて笑った。
「酔っ払うことを心配してるのか? 何も心配入らんだろう。この私がいる。君が酔って寝てしまっても責任は私が持つから安心しなさい」
あなたが一緒だから心配なんです! と言い返してやりたかったけれど、グッと堪えて曖昧に笑って返す。
この男は自分の思い通りにことが進まないとすぐにイライラする。
サーラが否定すれば視線で否定するなと威圧してきて、されるがままになってしまうのだ。
こんな男の妻になったら、されるがままになってサーラの心は壊れてしまう。
(絶対にあなたの前では酔わないわ)
そう決意してサーラはグラスに注がれたワインを手に取り、口に含んだ。
「美味しいわ。もっともらえるかしら?」
少し強気な女性を演じるとローランドは満足して、どんどんワインを追加した。
食事を終えてレストランを出る頃には少し足元はふらついていたものの、なんとか平静を保てている。
「今日はありがとうございました」
「顔が赤い。足元もおぼつかないようだが大丈夫か?」
「ええ。平気ですわ」
サーラにはまだ分からなかった。
頬を赤く染めて瞳を潤ませる様が、男心をくすぐることに。
「心配だから君が気分が良くなるまでそばにいよう」
「えっ」
ローランドはサーラの赤くなったふっくらとした頬に手を伸ばす。
「ああ。君は本当に可愛い」
うっとりとした表情で見つめられて、サーラは引き攣った笑みを見せる。
「ロ、ローランド公爵様……」
「私の名前はゲイビルだ。ゲイビルと呼べ」
顎を持ち上げられて距離を詰められ、サーラは咄嗟に身を引こうとしたが腕を掴まれてしまう。
「逃げるな」
口角を上げて意地悪く微笑み、ローランドは唇を近づけてきた。
「んっ……」
いきなり口をこじ開けて舌が侵入してきて、目を丸くする。
「ん、ふっ……」
ねっとりと舌を絡まされて嫌悪感が増す。
ジルにされたキスとは全然違う。
「ん、はっ……」
舌を吸われて足の力が抜けて、立っていられなくなり崩れ落ちそうになったところでようやく肉厚な唇が離れた。
「可愛いな。私のキスだけで腰が抜けたのか」
ローランドは鼻で笑いさらに耳朶まで舐めてくる。
「や、だめです、こんなところでっ……」
ここは往来の道。いくら真っ暗とはいえ人通りはある。
「気にするな、誰も見ていない」
舌先で耳の中を舐められて身震いする。
「ああ、君は耳を舐められるのが好きなのか?」
「いや、っ」
力を込めてローランドを押し出すけれど、彼はピクリとも動かない。
「否定するな、と言ったはずだ」
ローランドは機嫌を損ね、険しい顔つきでサーラを睨む。
「覚えておけ。私の妻になった暁には否定の言葉は一切認めない。この体も私のものだ。誰にも触れさせない」
お前の魅力はそれだけだと豪語し、すっと開いた胸の谷間に指を這わせてくる。
「あっ……」
「まだ子供だが私が一生懸命育てればここももっと成長するだろう」
ぎゅっとドレスの上から胸を鷲掴みにされ、思わず顔を顰める。
「育てがいがありそうで私は嬉しいよ」
胸を揉まれながらまたキスをされる。ローランドはそれでようやく満足したのか離れてくれた。
「送っていこう」
フラフラとした足取りのサーラを支えながら、迎えにきた馬車に乗り込んだ。
ジルと顔を合わせるのが恥ずかしかった。
馬車に揺られながらも思い出すのは、ジルのことばかり。
その想いは日が経つにつれて薄れていくどころか、大きくなっていく。
今までだって何度かジルに会っていたのに、こんな気持ちになるのは初めてだった。
「サーラ! 聞いてるの?」
名前を呼ばれてはっと我に返る。
「は、はい!」
「全く。黙って家を飛び出して。婚約前の娘がすることじゃないわ」
「ごめんなさい。どうしてもお兄様に会いたくなって」
咄嗟についた嘘に母は半信半疑な顔を見せる。
「まあ、いいわ。それよりもいい? 明日はローランド公爵様とのデートのなのよ。失礼がないようにね」
サーラは鏡に映る自分の姿を見つめてため息を吐く。
「このドレス、派手じゃないかしら。私この色好きじゃないわ」
「あなたの趣味なんて関係ないのよ。これはローランド公爵様からプレゼントされたものなんだから」
明日のデートはこのドレスを着てくれーという手紙と共に先日送られてきたドレスを着せられている。
サーラの年齢に不釣り合いな濃い紫色をしたドレスは、胸元が大胆に開いているデザインで胸の谷間が露わになる。
「いい? 公爵様のご機嫌をそうようなことをしてはいけませんよ?」
母の言葉にサーラは頷くことはしなかった。
「もう寝るわ」
そっけなく言ってサーラは部屋を後にする。
明日のデートのことを考えるだけでも憂鬱なのに、その男と結婚をしてこの先も一生一緒にいなければならないと思うと絶望しかなかった。
(相手がジル様だったらもっと楽しみなのにー)
叶うはずもない思いに胸を馳せながら、サーラは眠れない夜を過ごした。
デートの朝ローランドが屋敷まで迎えに来た。
「おお。サーラ。なんと美しい」
「ありがとうございます」
深く頭を下げると胸元が見えてしまうため、サーラは控えめに会釈をして挨拶を交わした。
サーラのドレス姿にローランドは満足げに頷く。
「さあ、行こう。今日は観劇を見て、夜は美味しいレストランを予約してあるからそこで食事だ」
ローランドはサーラの腰に手を回し、ピッタリとくっついてきて自分のものだと言わんばかりの主張をしてきた。
馬車に乗っている間もサーラの目の前に座り、じっとりとした視線で見つめてくる。
サーラは居心地が悪くて窓の外を見ていた。
「このまま今すぐにでも私の屋敷に君を連れて行きたいくらい、私は君のことを愛している」
「ありがとうございます」
「もっと笑顔を見せろ。私と結婚できて嬉しいのだろう?」
「はい」
言われるまま満面の笑みを見せると、ローランドは傲慢な笑みを浮かべた。
退屈な観劇を鑑賞してローランドの行きつけだというレストランに向かう。
高級な料理の数々だったが、今のサーラには味など分からなかった。
「ここのワインがまた絶品なんだ。サーラ、君もワインを飲むだろう?」
「いえ、私はー」
控えめに遠慮をするとローランドは眉根を寄せた。
「私のおすすめのワインが飲めないと?」
「いえ。ただお酒に弱くて」
サーラの返事にローランドは声をあげて笑った。
「酔っ払うことを心配してるのか? 何も心配入らんだろう。この私がいる。君が酔って寝てしまっても責任は私が持つから安心しなさい」
あなたが一緒だから心配なんです! と言い返してやりたかったけれど、グッと堪えて曖昧に笑って返す。
この男は自分の思い通りにことが進まないとすぐにイライラする。
サーラが否定すれば視線で否定するなと威圧してきて、されるがままになってしまうのだ。
こんな男の妻になったら、されるがままになってサーラの心は壊れてしまう。
(絶対にあなたの前では酔わないわ)
そう決意してサーラはグラスに注がれたワインを手に取り、口に含んだ。
「美味しいわ。もっともらえるかしら?」
少し強気な女性を演じるとローランドは満足して、どんどんワインを追加した。
食事を終えてレストランを出る頃には少し足元はふらついていたものの、なんとか平静を保てている。
「今日はありがとうございました」
「顔が赤い。足元もおぼつかないようだが大丈夫か?」
「ええ。平気ですわ」
サーラにはまだ分からなかった。
頬を赤く染めて瞳を潤ませる様が、男心をくすぐることに。
「心配だから君が気分が良くなるまでそばにいよう」
「えっ」
ローランドはサーラの赤くなったふっくらとした頬に手を伸ばす。
「ああ。君は本当に可愛い」
うっとりとした表情で見つめられて、サーラは引き攣った笑みを見せる。
「ロ、ローランド公爵様……」
「私の名前はゲイビルだ。ゲイビルと呼べ」
顎を持ち上げられて距離を詰められ、サーラは咄嗟に身を引こうとしたが腕を掴まれてしまう。
「逃げるな」
口角を上げて意地悪く微笑み、ローランドは唇を近づけてきた。
「んっ……」
いきなり口をこじ開けて舌が侵入してきて、目を丸くする。
「ん、ふっ……」
ねっとりと舌を絡まされて嫌悪感が増す。
ジルにされたキスとは全然違う。
「ん、はっ……」
舌を吸われて足の力が抜けて、立っていられなくなり崩れ落ちそうになったところでようやく肉厚な唇が離れた。
「可愛いな。私のキスだけで腰が抜けたのか」
ローランドは鼻で笑いさらに耳朶まで舐めてくる。
「や、だめです、こんなところでっ……」
ここは往来の道。いくら真っ暗とはいえ人通りはある。
「気にするな、誰も見ていない」
舌先で耳の中を舐められて身震いする。
「ああ、君は耳を舐められるのが好きなのか?」
「いや、っ」
力を込めてローランドを押し出すけれど、彼はピクリとも動かない。
「否定するな、と言ったはずだ」
ローランドは機嫌を損ね、険しい顔つきでサーラを睨む。
「覚えておけ。私の妻になった暁には否定の言葉は一切認めない。この体も私のものだ。誰にも触れさせない」
お前の魅力はそれだけだと豪語し、すっと開いた胸の谷間に指を這わせてくる。
「あっ……」
「まだ子供だが私が一生懸命育てればここももっと成長するだろう」
ぎゅっとドレスの上から胸を鷲掴みにされ、思わず顔を顰める。
「育てがいがありそうで私は嬉しいよ」
胸を揉まれながらまたキスをされる。ローランドはそれでようやく満足したのか離れてくれた。
「送っていこう」
フラフラとした足取りのサーラを支えながら、迎えにきた馬車に乗り込んだ。
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