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サーラはグリードの屋敷まで来た。
ちょうど新妻を我が家に迎え入れたタイミングだったらしい。
「お兄様っ」
「サーラ?」
いきなり現れた妹に、普段はクールなグリードもさすがに驚いたようだ。
そして、グリードの隣にぴったりと寄り添うように立っている女性に目がいく。
グリードの新妻、リアだ。可愛らしい女性でグリードが夢中になるのも分かる。
「よろしくお願いします、お姉様」
「よ、よろしくお願いします」
サーラはグリードに小言を言われないよう、リアに話を振った。
だがグリードはそんなに甘くない。
リアにはとことん甘いのに、妹には容赦がなかった。
「お前、いつまでここにいるつもりだ? 早く家に帰れ」
「帰らないわよ。帰ったら絶対に結婚させられるもの」
意固地になるサーラにグリードは嘆息する。
「お兄様だって、婚約者がいたのにリアお姉様と結婚したじゃない。私だって、好きな人と結婚したいわ」
「お前には好きな人がいるのか?」
「そ、それは……」
グリードの追求に口ごもる。
「こ、これから舞踏会にでてかっこよくて素敵な男性と出会うわ」
「それなら貴族令嬢としてもう少し淑やかになるよう、嗜みを学ぶ事だな」
一々的をつくことを叱責されて、サーラは悔しくなる。
グリードは目を引くような美貌と完璧な立ち居振る舞いをしていて、 同じ兄妹なのにどうしてこうも違うのだろうかと恨みがましく思う。
サーラは新婚の兄夫婦のところに滞在することにした。
相変わらずグリードは厳しい目を向けてくるが、リアは快くサーラを受け入れてくれている。
リアはサーラよりも年上なのに恋愛に関しては全くの無知だった。
「お兄様についていくのは大変でしょうね」
グリードは今まで恋愛に関しては無頓着だったけれど、一度目覚めるとこんなにも熱くなるのかと妹ながら感心している。
サーラも恋愛経験はないけれど、ある程度の知識や友人から色々と聴いていて少しは理解しているつもりだ。
でもリアはまったくの無知で、サーラに相談してくるほどだ。
素直に相談できる性格も羨ましい。
何日か滞在したある夜。
「リアー!! 久しぶりだなっ、会いたかったよ」
「お、お兄様? どうして」
「久しぶりにジルと飲もうと思って招待したんだ」
リアの兄、ジル・ルード伯爵。
何度か会った事がある彼は、リアによく似ている。
男らしいというより美青年だ。
甘いマスクに柔和な笑み。
完璧な容貌をしているジルだが、未だに独身だ。
その原因はおそらく。
「ああ、リアが屋敷にいないと俺は寂しくて寂しくて」
「もう、お兄様ったら。私はもう子供じゃないのよ」
リアに抱きつくジルを、グリードは不服そうな目で見ている。
リアのことが可愛くて仕方がないといった態度がありありとわかる。
彼はーシスコンだ。
ちょうど新妻を我が家に迎え入れたタイミングだったらしい。
「お兄様っ」
「サーラ?」
いきなり現れた妹に、普段はクールなグリードもさすがに驚いたようだ。
そして、グリードの隣にぴったりと寄り添うように立っている女性に目がいく。
グリードの新妻、リアだ。可愛らしい女性でグリードが夢中になるのも分かる。
「よろしくお願いします、お姉様」
「よ、よろしくお願いします」
サーラはグリードに小言を言われないよう、リアに話を振った。
だがグリードはそんなに甘くない。
リアにはとことん甘いのに、妹には容赦がなかった。
「お前、いつまでここにいるつもりだ? 早く家に帰れ」
「帰らないわよ。帰ったら絶対に結婚させられるもの」
意固地になるサーラにグリードは嘆息する。
「お兄様だって、婚約者がいたのにリアお姉様と結婚したじゃない。私だって、好きな人と結婚したいわ」
「お前には好きな人がいるのか?」
「そ、それは……」
グリードの追求に口ごもる。
「こ、これから舞踏会にでてかっこよくて素敵な男性と出会うわ」
「それなら貴族令嬢としてもう少し淑やかになるよう、嗜みを学ぶ事だな」
一々的をつくことを叱責されて、サーラは悔しくなる。
グリードは目を引くような美貌と完璧な立ち居振る舞いをしていて、 同じ兄妹なのにどうしてこうも違うのだろうかと恨みがましく思う。
サーラは新婚の兄夫婦のところに滞在することにした。
相変わらずグリードは厳しい目を向けてくるが、リアは快くサーラを受け入れてくれている。
リアはサーラよりも年上なのに恋愛に関しては全くの無知だった。
「お兄様についていくのは大変でしょうね」
グリードは今まで恋愛に関しては無頓着だったけれど、一度目覚めるとこんなにも熱くなるのかと妹ながら感心している。
サーラも恋愛経験はないけれど、ある程度の知識や友人から色々と聴いていて少しは理解しているつもりだ。
でもリアはまったくの無知で、サーラに相談してくるほどだ。
素直に相談できる性格も羨ましい。
何日か滞在したある夜。
「リアー!! 久しぶりだなっ、会いたかったよ」
「お、お兄様? どうして」
「久しぶりにジルと飲もうと思って招待したんだ」
リアの兄、ジル・ルード伯爵。
何度か会った事がある彼は、リアによく似ている。
男らしいというより美青年だ。
甘いマスクに柔和な笑み。
完璧な容貌をしているジルだが、未だに独身だ。
その原因はおそらく。
「ああ、リアが屋敷にいないと俺は寂しくて寂しくて」
「もう、お兄様ったら。私はもう子供じゃないのよ」
リアに抱きつくジルを、グリードは不服そうな目で見ている。
リアのことが可愛くて仕方がないといった態度がありありとわかる。
彼はーシスコンだ。
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