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プロローグ
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サーラはほどほど嫌気が差していた。
一六歳の誕生日の夜、豪華な晩餐の後、両親から結婚相手を紹介された。
サーラ自身、覚悟はあったけれど実際目の当たりにすると落ち込む。
「いやですっ! 絶対に結婚なんてしませんっ」
息巻くサーラに父フロンタンは困り顔だ。
「相手はローラン公爵家だぞ? 直々にサーラをと申し出てるんだ」
公爵家の令嬢だから同等の身分の男性と結婚する、それが貴族令嬢の務め。
頭では分かっている。だけど好いてもいない男性と結婚しなければならないなんて、夢も希望もない。
しかも相手は一五歳も年上だ。
「どうしてもというなら、私、家出します!!」
「サーラ!?」
サーラの宣言に母は驚き、フロンタンは憤怒する。
「お前まで勝手な行動をするのは許さんぞ」
「どうしてよ? どうして私ばっかりっ……」
サーラはたまらず部屋を飛び出した。
「サーラ!!」
フロンタンの呼ぶ声を無視してサーラは部屋へ向かう。
とりあえずの衣類だけ持って屋敷を飛び出した。
サーラは一度決意したら行動は早い。
悩む前に行動する性格だ。
「お兄様のところへ向かってちょうだい」
中庭にいた御者に声をかける。
息巻くサーラに御者は困り顔で、どうしたものかと頭を悩ませた。
「サ、サーラ様。しかし……」
「早くして」
「は、はいっ」
サーラの迫力に負けて御者はおずおずと馬車を走らせた。
「二度と、ここには戻らないわ」
サーラの兄であるグリードはつい先日、結婚した。
グリードにも決められた婚約相手がいたが、父に背き自分の意思を貫いた。
そんな兄をみてサーラも決意をしたのだ。
結婚をするなら本当に好きになった人としたい。
身分なんて関係ない。
サーラ自身を好きになってくれる人と。
一六歳の誕生日の夜、豪華な晩餐の後、両親から結婚相手を紹介された。
サーラ自身、覚悟はあったけれど実際目の当たりにすると落ち込む。
「いやですっ! 絶対に結婚なんてしませんっ」
息巻くサーラに父フロンタンは困り顔だ。
「相手はローラン公爵家だぞ? 直々にサーラをと申し出てるんだ」
公爵家の令嬢だから同等の身分の男性と結婚する、それが貴族令嬢の務め。
頭では分かっている。だけど好いてもいない男性と結婚しなければならないなんて、夢も希望もない。
しかも相手は一五歳も年上だ。
「どうしてもというなら、私、家出します!!」
「サーラ!?」
サーラの宣言に母は驚き、フロンタンは憤怒する。
「お前まで勝手な行動をするのは許さんぞ」
「どうしてよ? どうして私ばっかりっ……」
サーラはたまらず部屋を飛び出した。
「サーラ!!」
フロンタンの呼ぶ声を無視してサーラは部屋へ向かう。
とりあえずの衣類だけ持って屋敷を飛び出した。
サーラは一度決意したら行動は早い。
悩む前に行動する性格だ。
「お兄様のところへ向かってちょうだい」
中庭にいた御者に声をかける。
息巻くサーラに御者は困り顔で、どうしたものかと頭を悩ませた。
「サ、サーラ様。しかし……」
「早くして」
「は、はいっ」
サーラの迫力に負けて御者はおずおずと馬車を走らせた。
「二度と、ここには戻らないわ」
サーラの兄であるグリードはつい先日、結婚した。
グリードにも決められた婚約相手がいたが、父に背き自分の意思を貫いた。
そんな兄をみてサーラも決意をしたのだ。
結婚をするなら本当に好きになった人としたい。
身分なんて関係ない。
サーラ自身を好きになってくれる人と。
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