[R18]引きこもりの男爵令嬢〜美貌公爵様の溺愛っぷりについていけません〜

くみ

文字の大きさ
上 下
47 / 66

束の間の蜜月

しおりを挟む
    エリーナの体調が回復するのを待って、ヴァレリー公爵の屋敷を後にした。


    門のところまで見送ったヴァレリー公爵が、呟いた。


「フォード公爵よりも先に俺と出会ってたら、君は間違いなく俺に惚れただろうね」


 「えー?」


    何を言っているのか聞き取れなかったが、ヴァレリー公爵はただ微笑を浮かべていた。


「悪かったな。約束通り、二度と君たちの前に現れないから安心して」


    カールはヴァレリー公爵をひと睨みし、素早くエリーナの手を引っ張り、門の前で待機していた馬車に乗り込ませた。


    馬車で移動中もカールはエリーナにぴったりとくっついて、離れない。


    そしててっきり屋敷に戻るとばかり思っていたが、着いた先はフォード公爵の屋敷よりもかなり小さめの小屋のような建物だった。


「ここは?」


「別荘、と言ったところかな? ここには誰もいない。一人になりたいときはよくここで休暇している」


    キッチンと小さなテーブル、ベッドが一つ置かれた寝室があるくらいで他にはなにもない。


 「掃除などは定期的に任せているから、埃っぽいこともないだろう?」


「ええ。すごく綺麗です」


    部屋を見渡すエリーナを、カールは後ろから抱きしめた。


「君と二人だけで過ごしたかった」


「カール様……」


    言われてみると二人きりで過ごしたことは今までなかった。


    もちろん部屋の中では二人きりで過ごすけれど、それ以外は常に誰かがそばにいる。


「ずっとここで君と暮らせたらいいのにな」


    ちゅ、と首筋にキスをされてエリーナは小さく身を震わせる。


「君に辛い思いをさせてすまなかった。夫の前で他の男にされるなど屈辱だっただろう?」


    エリーナのサラサラの髪を撫でながら申し訳なさそうに言われて、あの羞恥を思い出しかっと顔を赤くする。


「ヴァレリー公爵様にされている間も、ただ、カール様だけを、見てました。カール様がいてくれたから、耐えられて……」


 「エリーナっ」


    感極まったカールが搔き切るようにエリーナのドレスを引き裂き、乳房を揉む。


「あ、んっ」


「ここには誰もいない。思う存分、君の可愛い声を私だけに聞かせてくれ」


    エリーナはカールに横抱きにされて、寝室へと運ばれる。


    二人きりしかいない小屋で、エリーナはあられもない声を上げた。


 「ああ、エリーナ、私の、わたしだけの……っ」


    身体中に赤い跡が散らされていく。カールのものだという証のように感じて嬉しかった。


    昨夜も数え切れないほど抱き合ったのに、カールの熱は止まらなかった。


    何度も意識が飛びそうになる。


「もっと、もっと、おくっ」


「ああ、ここだろう?」


    一際強くそこを突かれて、エリーナは弓なりに身を反らした。


    突き出した乳房を揉まれながら突かれると、またカールのものを締め付けてしまう。


    離れないでと訴えているかのようだ。


    際限なく繰り返される行為に二人とも溺れていく。


    エリーナの瞳からは自然と涙が溢れる。


    もう触れることも叶わないと思っていた愛しい人が、エリーナのことを欲しがっている。


    腕を伸ばしてカールの大きな背中に腕を回す。


「カール、様っ、んっ」


「っつ、ん」


    エリーナから舌を出してキスをせがんだ。


    夢中でキスをしているうちに、カールのものがまた膨張する。

「ん、ふっ、ま、また、おおきいっ、あん、いい? 気持ちいい?」


「っ、ああ、最高だっ、エリーナっ」


    キスをしながら突き上げられ、またも蜜が肉壁から溢れ出す。


「あ、く、くるっ、きちゃう、またっ……あんっ」


「わたしも、だっ」


    カールの熱を感じながらエリーナは甲高い声を上げて、果てた。


    


      


    


     

    


    


    


    


しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

婚約者が巨乳好きだと知ったので、お義兄様に胸を大きくしてもらいます。

恋愛
可憐な見た目とは裏腹に、突っ走りがちな令嬢のパトリシア。婚約者のフィリップが、巨乳じゃないと女として見れない、と話しているのを聞いてしまう。 パトリシアは、小さい頃に両親を亡くし、母の弟である伯爵家で、本当の娘の様に育てられた。お世話になった家族の為にも、幸せな結婚生活を送らねばならないと、兄の様に慕っているアレックスに、あるお願いをしに行く。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

処理中です...