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    非現実的な状況にエリーナはまともに考えることができなかった。


    エリーナは長椅子の上に裸で座らされて、足を開いている。


    目の前にはカールではなくヴァレリー公爵が跪いていて、エリーナの一番恥ずかしいところを見られていた。


    すでにカールの愛撫で秘所は濡れそぼっている。


「いいね……。最高の眺めだよ」


    興奮気味にヴァレリー公爵は呟き、エリーナのそこに指を忍ばせた。


    カールはテーブルを挟んだ先の向かいの長椅子に腰掛け、二人のことを観察している。


    エリーナはできるだけカールに視線を合わせた。


    本当はこんな姿を見られているなんて、耐えられない。


    だけど、カールの力強い視線が大丈夫だと言ってくれているようで心が弛む。


「っ、あっ……」


    どんなに気持ちは抗っても、身体は反応し喉元からは甘ったるい声が漏れてしまう。


    ヴァレリー公爵の指が二本に増やされて、隘路を行き来していく。


 「すごいね、君のここ。とろとろに溶けて俺の指をすんなりと飲み込んでいくよ」


    エリーナは声を漏らさないように口元を手で覆った。


「ひゃっ……」


    赤くぷっくりとした花芽に触れられて、エリーナは思わず声を上げてしまう。


    ヴァレリー公爵がニヤリと不敵に笑い、花芽をコリコリと転がしたりきゅっと摘んだりされて、エリーナは小さく震える。


「すごい、またどんどん溢れてくる。見てみるかい? フォード公爵」


    ヴァレリー公爵の後ろで静観していたカールに見えるように、位置をずらす。


「や、あっ……」


    カールの眉根がピクリと上がる。他の男性に愛撫されて善がるエリーナをどんな気持ちで見詰めているのだろう。


    カールが他の女性とそんなことをしている姿を同じように見ろと言われたら、きっと耐えられない。


「あ、んっ、み、みないで、ください、こんな、のっ……」


    必死でいやいやと頭をふりながら快感に耐え抜く。


 「けっこう頑張るんだね? 昨夜のときはあっさりと達してたのに」


    つまらないなと言いながら肩を竦め、ヴァレリー公爵はぎゅっとエリーナの乳房を揉んだ。


「や、っ……」


    やわやわと乳房を揉まれながら、二本の指が速度を速めて挿入を繰り返す。


    くちゅくちゅ、という水音と、エリーナのか細い喘ぎ声がシンとした室内に響く。


「あ、ふっ……」


    ピクピクと内腿が痙攣し、次々と押し寄せる快楽の波にのまれそうになる。


    意識が弾けそうになる寸前、エリーナはカールを見つめた。


 「あ、ん、あっ……」


    違う。今、エリーナを翻弄しているのはカールじゃない。


    じっとエリーナだけを見つめているカールの熱っぽい視線を受けながら、そう心に言い聞かせる。


    ぎゅっと尖りきった乳首を摘まれて、エリーナは大きく身を竦ませた。


「そろそろ限界じゃない? 一度達した方が楽だよ?」


    耳元で囁かれてぞくっと肌が粟立つ。


    一瞬、火花が飛んで弾けそうになったけれど寸でのところで押し止めた。


「ちっ……、そんなにあの男の方がいいのか?」


    ヴァレリー公爵が苛立たしげに舌打ちをする。


「それまでだな、ヴァレリー公爵」


    静かな言葉で遮るカールを、ヴァレリー公爵は忌々しげに睨み返した。


       


    




    


 


    


    


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