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仕置き1

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 エリーナは背筋に冷たい水を浴びたようになり、怯えた瞳をカールに向ける。


「カ、カール様……なにを……」


「仕置きだよ、エリーナ」


 憤怒していた態度からして一転、穏やかに笑うカールが逆に怖かった。


「ヴァレリー公爵に見せつけてあげよう。エリーナは私のもとでどんな風に啼くのかー」


 ヴァレリー公爵では絶対にさせることはできないだろうーと、不適な笑みをカールは零す。


 強引に唇が塞がれ、歯列を割り舌が侵入してくる。


「んっ、ふっ……」


「ほら、いつもみたいに舌を絡めて?」


 頭ではだめだと警鐘が鳴っているのに、身体は待ち望んでいたかのように震えだす。


 久しぶりのキスだった。


 舌を絡めカールの舌に吸い付く。ヴァレリー公爵とは違う、甘くて濃密なキスにエリーナはそれだけで蕩けそうになった。


 頬を赤らめ恍惚とした表情をするエリーナに、カールが満足気に微笑を浮かべる。


(だめなのにー、どうして……)


 ヴァレリー公爵が息をのむように、見つめていた。


 静かな空間に二人のキスを交わす音だけが響く。


 こんな姿をヴァレリー公爵に見られていると思うと、顔から火が出るような思いになる。


「ん、ふぁっ……」


 がくりと膝から力が抜けて崩れ落ちそうになった。カールはエリーナを支えながらも首筋や鎖骨にもキスを落とす。


「カ、カールさ、ま……も、もう……」


 やめてほしいと懇願した刹那、エリーナは驚きに目を見張る。


 カールの手が伸びてきて、エリーナが身に着けていたネグリジェを脱がそうとしてきたのだ。


「や、ま、まって……」


 ヴァレリー公爵がいるのに、こんなところで裸になるなど耐えられない。


 まさか、本当にここで抱くつもりなのだろうか。


 ぞっとしてエリーナは必死で抵抗する。


 エリーナの抗議も空しく、無情にもネグリジェがはらりと床に落ちた。


「っ……」


 身体がほてり消え入りたい気持ちになってきた。


 うつむき羞恥に耐えるエリーナに、カールは容赦なく言い放つ。


「エリーナ。これは仕置きだと言っただろう? 勝手に私の元から離れようとした罰だよー。そしてー」


 エリーナはくるりと向きを変えられて、ヴァレリー公爵と向き合う形になる。


「や、いやっ……」


「教えてあげるんだよ、ヴァレリー公爵に。君の身体がどれだけ私に愛されてて、どんな風に喜ぶのかを」


 言いながらカールは、エリーナの乳房を後ろから揉みしだく。


「あ、あんっ……」


 見ているー。


 ヴァレリー公爵が、食い入るようにエリーナの痴態を見詰めていた。


 エリーナは羞恥の念が全身に漲って来るのを感じた。


 今まで経験したことのない状況に、頭が混乱してくる。


 残酷な仕置きー。


 だけどカールが触れてくる手は、今までにないほど優しい手つきだ。


 心は拒否しても身体はすぐに反応を示す。


 つんと尖ってきた乳首を摘ままれ、ビクッと身を竦ませる。


 ころころと転がしたり摘ままれたりとされているうちに、エリーナはこんな状況なのに甘ったるい声を洩らした。


「あ、は、んっ、あっ……」


 ぴくぴくと小刻みに痙攣して、快感に耐える。


 ヴァレリー公爵は興奮のあまり言葉を失って、エリーナの醜態を凝視していたー。


 


 


 


 

 


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