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甘い新婚生活 1
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ホテルから馬車に揺られて半日。これから住むことになるカールの屋敷に着いた。
さすが公爵家の屋敷の建物はお城のように豪華で、門から玄関までの道も馬車で移動し広い敷地には綺麗に整えられた庭が広がっていた。
ようやく玄関に辿り着くと大勢の使用人が主と新しく嫁いできたエリーナを出迎える。人前に出たことのないエリーナは緊張でいっぱいいっぱいだった。
簡単に自己紹介をすませ、今日は疲れているだろうからと寝室で休むことになった。
「いくつもお部屋があって、迷いそうですね」
「そうだな。あまり一人では出歩かないほうがいい。明日また屋敷の中を案内しよう」
「楽しみです」
つい先日まで屋敷に引きこもっていたエリーナにはなにもかも新鮮だった。
「君専属のメイド、ユリアだ。年も君と近いし話し相手にもなるだろう」
「よろしくお願い致します。エリーナ公爵夫人。なにかあれば遠慮なくおっしゃってくださいね」
エリーナが寝床につくための準備をしていたらしいユリアは、にっこりと可愛らしい笑顔をみせた。緊張しながらエリーナも笑顔で挨拶を返す。
一通りの準備をすませたユリアが退出し、二人きりになるとカールは大きな寝台に寝転がった。
「エリーナ。そろそろ寝よう。さすがに私も疲れた」
「え」
確かにそろそろ寝る時間。日付も変わろうとしている頃合いだ。
寝るという単語にエリーナが過剰に反応すると、カールは苦笑して起き上がりエリーナの手をとった。
「安心しろ。今夜は、ああいったことは、しない」
「い、いえ。あの……」
エリーナはもじもじと恥ずかしそうに弁解した。
「ごめんなさい。あの嫌だとか、そ、そういうことじゃありませんからっ。あの、ただ、き、緊張してて……」
ずっとカールと一緒にいて、カールがエリーナのことを常に気遣ってくれていることは分かっている。
そろそろカールの前でだけでも緊張しないでいられるようになりたいけれど、性格は簡単に変えられない。
「私、もっと、ちゃんと、向き合えるようになります、からー。カール様の前でも緊張しないように、屋敷のみなさんとも、仲良くできるように……」
エリーナはフォード公爵のもとへ嫁いだのだ。その嫁がいつまでも引きこもりで緊張しっぱなしではカールの評判にも繋がってしまう。
「私としては、今のままの君でいてほしいと思っているがな。私の前で平然としていられたら、それはそれで傷つくが」
「え、いえ。そういう意味ではっ。だ、大丈夫ですっ、きっと、あの、カール様の前では、表に出さなくなっても、いつまでも、緊張していると思いますっ」
必死に弁解すると、カールは肩を揺らしながら笑った。
「すまない。冗談だ。ーだが、君が社交的になって外に出るようになったらよけいな虫がつくのは目に見えている」
カールがふいに真剣な顔つきで呟く。意味が分からずどういうことだろう、と首をかしげているといきなり手を引っ張られカールの上に押し倒されてしまう。
「カ、カール様っ……!?」
押し倒されて驚くエリーナをぎゅっと抱きしめ、唇にちゅっと触れるだけのキスをした。
昨夜の行為が脳裏によみがえってエリーナは顔を真っ赤にする。
「エリーナ。私のために頑張ろうとしてくれるのは嬉しいが、それで君が疲れてしまっては意味がない。いつも通りのエリーナでいてくれ」
優しい声音で言わて緊張が解けていく。でも甘えてばかりもいられない。少しでもカールに相応しい人妻にならなければとエリーナは心の中で固く決心した。
「カール様、これから、よろしくお願いします」
カールの魅惑的な唇が弧を描いて微笑む。
「よろしく。可愛い奥さん」
ちゅっ、と唇にキスを落としてカールは優しくエリーナを抱きしめる。
エリーナがまたぽっと頬を染める姿を、カールは楽しそうに眺めた。
さすが公爵家の屋敷の建物はお城のように豪華で、門から玄関までの道も馬車で移動し広い敷地には綺麗に整えられた庭が広がっていた。
ようやく玄関に辿り着くと大勢の使用人が主と新しく嫁いできたエリーナを出迎える。人前に出たことのないエリーナは緊張でいっぱいいっぱいだった。
簡単に自己紹介をすませ、今日は疲れているだろうからと寝室で休むことになった。
「いくつもお部屋があって、迷いそうですね」
「そうだな。あまり一人では出歩かないほうがいい。明日また屋敷の中を案内しよう」
「楽しみです」
つい先日まで屋敷に引きこもっていたエリーナにはなにもかも新鮮だった。
「君専属のメイド、ユリアだ。年も君と近いし話し相手にもなるだろう」
「よろしくお願い致します。エリーナ公爵夫人。なにかあれば遠慮なくおっしゃってくださいね」
エリーナが寝床につくための準備をしていたらしいユリアは、にっこりと可愛らしい笑顔をみせた。緊張しながらエリーナも笑顔で挨拶を返す。
一通りの準備をすませたユリアが退出し、二人きりになるとカールは大きな寝台に寝転がった。
「エリーナ。そろそろ寝よう。さすがに私も疲れた」
「え」
確かにそろそろ寝る時間。日付も変わろうとしている頃合いだ。
寝るという単語にエリーナが過剰に反応すると、カールは苦笑して起き上がりエリーナの手をとった。
「安心しろ。今夜は、ああいったことは、しない」
「い、いえ。あの……」
エリーナはもじもじと恥ずかしそうに弁解した。
「ごめんなさい。あの嫌だとか、そ、そういうことじゃありませんからっ。あの、ただ、き、緊張してて……」
ずっとカールと一緒にいて、カールがエリーナのことを常に気遣ってくれていることは分かっている。
そろそろカールの前でだけでも緊張しないでいられるようになりたいけれど、性格は簡単に変えられない。
「私、もっと、ちゃんと、向き合えるようになります、からー。カール様の前でも緊張しないように、屋敷のみなさんとも、仲良くできるように……」
エリーナはフォード公爵のもとへ嫁いだのだ。その嫁がいつまでも引きこもりで緊張しっぱなしではカールの評判にも繋がってしまう。
「私としては、今のままの君でいてほしいと思っているがな。私の前で平然としていられたら、それはそれで傷つくが」
「え、いえ。そういう意味ではっ。だ、大丈夫ですっ、きっと、あの、カール様の前では、表に出さなくなっても、いつまでも、緊張していると思いますっ」
必死に弁解すると、カールは肩を揺らしながら笑った。
「すまない。冗談だ。ーだが、君が社交的になって外に出るようになったらよけいな虫がつくのは目に見えている」
カールがふいに真剣な顔つきで呟く。意味が分からずどういうことだろう、と首をかしげているといきなり手を引っ張られカールの上に押し倒されてしまう。
「カ、カール様っ……!?」
押し倒されて驚くエリーナをぎゅっと抱きしめ、唇にちゅっと触れるだけのキスをした。
昨夜の行為が脳裏によみがえってエリーナは顔を真っ赤にする。
「エリーナ。私のために頑張ろうとしてくれるのは嬉しいが、それで君が疲れてしまっては意味がない。いつも通りのエリーナでいてくれ」
優しい声音で言わて緊張が解けていく。でも甘えてばかりもいられない。少しでもカールに相応しい人妻にならなければとエリーナは心の中で固く決心した。
「カール様、これから、よろしくお願いします」
カールの魅惑的な唇が弧を描いて微笑む。
「よろしく。可愛い奥さん」
ちゅっ、と唇にキスを落としてカールは優しくエリーナを抱きしめる。
エリーナがまたぽっと頬を染める姿を、カールは楽しそうに眺めた。
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