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ロゼス王国に入りました。

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 翌日、ロゼス王国との国境に着き、私達はロゼス王国に入国した。
 ラフィエルの親戚の家はゼンという地方の街にあるそうなので、私達はそこに向かうことにした。
 それでまずは地図を入手しようと、国境の街の冒険者ギルドに向かった。

「冒険者ギルドなんて、初めてだよ」

 ラフィエルはわくわくした様子で言った。
 やっぱり男の子は冒険者に憧れるものなのかな。
 そう思い、ギルドに入った。
 そこで私はうっかりしていたことに気がついた。
 ラフィエルは目立ち過ぎるのだ。
 フード付きのマントでも買って、着せておくべきだった。
 私はギルドを出たらマントを買おうと思いながら、受付に向かった。

「いらっしゃいませ。ご依頼でしょうか?」

 受付嬢がラフィエルを見てからそう言った。
 やっぱり貴族が来たら、依頼を出すほうだと思うよね。

「いえ、地図を購入したいのですが」
「地図ですね。この周辺の地図と王国全土の地図、それに大陸全土の地図がございますが、どれになさいますか?」
「王国全土の地図をお願いします」
「では千Gいただきます」

 私はお金を払って地図を購入した。
 そしてギルドを出た。

 ギルドの外には馬と、それを見張るレオンがいた。
 私はラフィエルが絡まれずに済んだことにホッとした。
 さて、まずはマントを買って、宿を探そう。
 そう思ったところで、宿の情報を聞くの忘れてたことに気がついた。
 まあ、いいや。今から戻るのも面倒だし、お店に行ったら訊こう。
 私は道行く人にマントを売っているお店の場所を聞き、私達はそこに向かった。

「いらっしゃいませ」

 店員さんが迎えてくれたので、私は彼にラフィエルに似合うフード付きのマントを頼んだ。

「少々お待ちください」

 店員さんが持ってきたマントはとても派手派手しいものだった。
 こんなの着てたら目立つじゃないか。

「もう少し目立たないようなのをお願いします」

 私がそう言うと、次に持ってきたのは地味な色合いのマントだった。
 この店員さん、極端だな。
 そう思いながら、とりあえずそのマントをラフィエルに着せてみた。
 地味だけど、質は良さそうだな。
 私がそう思っていると、店員さんが「そちらはアラフィネラの糸で作られており、防寒に優れております」と言った。
 そういえば、そろそろ肌寒くなる頃だ。
 私は大丈夫だけど、ラフィエルは寒かったかもしれない。
 そう思って、私はそのマントを買うことにした。

「ラフィエル様、そのマントでいい?」
「でも僕はお金持ってないよ」
「私が払うから大丈夫よ」

 そう言って、私はマントの値段を訊いた。
 ……高かった。普通の十倍の値段だった。
 けど、買えない額じゃないので支払った。
 マントはこのまま着ていくことを告げ、忘れずに従魔と泊まれる宿の場所も訊いた。

 お店を出ると、ラフィエルは「すまない」と謝ってきたので、私は「気にしないで」と答えた。

「今まで寒かったんじゃない? 気づかなくてごめんね」
「いや、寒くはなかった」
「そうなの? でもあなたは目立つから、フードは被っていてね」

 そう言うと、ラフィエルは言われた通りにフードを被った。
 そうして私達は教えられた宿に向かって歩き出したのだった。
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