夢の彼方に生まれ変わって

ギルドで募集がありました。

　ギルドに戻り、私はゴブリンの巣のことを報告した。
　けれど、私の報告ではやはり満足な調査とは言えなかった。

「調査修了とは言えませんが、場所はわかったので報酬の一部を支払います。とにかくゴブリンに捕まらなくて良かったです」

　受付嬢はそう言うと、ホッとしたように息をついた。
　それで私は彼女が心配してくれていたことに気がついた。
　私は何もわかってなかったのだなあと反省した。

「すみませんでした」

　私が頭を下げると、受付嬢は「いいのよ。無事で良かったわ」と言ってくれた。
　私はゴブリンの耳を納品して報酬を貰い、宿へと帰った。
　今日はなんだか疲れたので、お風呂屋さんに行くのはやめてお湯で身体を拭くだけにした。


　翌日。
　私達はいつもの森に向かい、いつものように角兎や角猪を大量に狩った。
　そして街に帰るとお風呂に入り、宿に戻って夕食を取った。
　次の日の朝にはギルドに行き、前日に狩ったものを納品した。
　そんな日々を五日続けた次の日、ギルドでゴブリンの巣の殲滅という依頼が出た。
　募集人数は五十人だから、複数のパーティで依頼を受けるのだろう。
　私も応募するかどうか迷ったけど、結局はやめた。
　私達の狩りのスタイルには合わないと思ったし、それにほかのパーティと上手くやっていけそうにないと思ったのだ。
　私達はいつものように狩りをして稼げばいい。
　そう思って、今日も東の森に出発することにした。