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狩りをしました。

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 夢から覚めた私は、レイのことを考えた。
 レイは親がいないのだろうか。いないとしたら、ちゃんとご飯は食べているのだろうか。
 やつれた様子はなかったから大丈夫かもしれないけど、いったいどういう状況でいるのだろう。
 今度、夢の中で訊いてみよう。



 レオンと共に食堂で朝食を取ると、私達は村を出発した。
 街道はまばらに人が歩いていたので、私は軽く走り出し彼らを抜き去って行った。
 今回はレオンは抱えずに、私の後を追いかけさせている。
 たまには走らせないと、狩りをしないのだから運動不足になってしまう。

 人の姿が見えなくなると、レオンが後をついて来れるか確かめながらスピードを上げていった。
 そしてしばらく走ると前方に森が見えたので少し狩りをすることにした。

「レオン! 森に入ったら、また獲物を探してくれる?」

 レオンを振り向いて訊くと、レオンから『わかったー』と返事がきた。
 森に入ると私は立ち止まり、今度はレオンの後を追いかけて走った。
 レオンの止まった先に角兎がいたので、私はすぐに狩ってからレオンを褒めた。

「レオン、ありがとねー」

 私はわしゃわしゃとレオンを撫でた。
 レオンが嬉しそうに『また小さいの、さがすー?』と言ったので、ああ、獲物と言うと小さいのなんだ、と気がついた。

「大きくても、小さくても、どっちでもいいよ」

 そう言うと、レオンは『わかったー』とまた走り出した。
 私はレオンを追いかけて、そしてまた角兎を狩った。
 そうやって十匹狩ったところで休憩にし、それからまた十匹狩ってから終了とした。

 狩りを終えて街道に戻り、また私達は走り出した。
 そしてしばらく行くと、魔狼の群れに襲われている荷馬車を見つけたのだった。
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