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ほかの冒険者と出会いました。

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 目覚めはスッキリしていた。
 今日は仕事をしないと、宿代がなくなってしまう。
 村長さんから貰ったお金はあるけど、これは困った時までとっておきたい。
 よし! 今日もお仕事頑張るぞー!


 ギルドで依頼票を確認すると、FとEの所にはめぼしいものが無かった。
 常時依頼に変化はないかを見たが変わらないようだった。
 私は一昨日と同じ森に向かうことにした。

 森に着くと、今日は大物狙いなので最初から人を避けて奥のほうに入っていった。
 まずは角兎を見つけたので、それを素早く狩ってアイテムボックスに放り込んだ。
 次に見つけたのは角猪だ。
 そいつも私に気づくと逃げようとしたので、急いで雷撃を放って仕留めた。
 毛皮がちょっと焦げてしまったけど仕方がない。
 素手で倒すのはさすがに無理そうだったのだ。
 なるべく雷属性のことは隠しておきたかったけど、やっぱり全然使わないのは無理っぽい。
 まあ二属性持ちならそんなに目立たないだろう。

 角猪のあとは角兎を何匹か狩って、ちょっと休憩していると、何かが近づいて来る音がした。
 急いで立ち上がって警戒していると、現れたのは慌てた様子の少年達だった。
 彼らは私に気づくと「逃げろっ!」と叫んだ。
 私が動かずにいると、こっちに駆け寄って来て腕を掴んだ。

「何なの!?」
「角熊だ! 早く逃げるんだ!」

 戸惑う私に少年の一人が言ったけど、角熊相手ならたぶん逃げなくても大丈夫。
 逃げようとしない私に焦れて、少年たち三人が早く早くと急き立てるけれど、そうこうしているうちに角熊が姿を現してしまった。

「わああっ! 来たっ!」

 少年たちは慌てている。私は落ち着いて雷撃を放った。

 角熊は呆気なくその場に倒れた。
 少年たちは、ぽかんとしている。

 私は角熊にそっと近づいた。
 それに気づいた少年が「危ないよ!」と言ったけど、私は構わずに角熊が死んでいることを確かめた。


♢♢♢


「凄いなハルカ! 角熊を一撃なんて!」

 少年の一人、ラーイが興奮した様子で言った。

「俺の火じゃダメだったのに……」

 小柄な少年、ロンが落ち込んだ様子で呟いた。

「それにハルカのアイテムボックスも凄いよな! ハルカに会えて助かったぜ」

 そう言って私に尊敬の眼差しを送るのはゼクトだ。

 あれから私達は自己紹介しあってこうして森を歩いている。
 彼らはEランク冒険者で、三人とも十六歳だそうだ。
 今日は角兎を狩りに来たけど森の浅い所には見つからず、どんどん森の奥に入ってしまったそうだ。
 そして運悪く、角熊に出会ってしまったということだった。
 彼らはまだ一匹も狩ってないと言うので、角熊は彼らに進呈することにした。
 どっちみち毛皮が焼け焦げていて、たいした金額にならなそうだと思ったのだが、彼らはことのほか喜んでくれたのだった。

「ロンは火の魔法が使えるんだ?」
「うん。でも角熊には効かなかった……」

 角熊は火の耐性が強いのかもしれない。
 それにしても、森で火の魔法はまずいんじゃないだろうか。

「森で火の魔法は、燃え移ったらたいへんだよ」
「うっ……逃げるのに必死で、つい……」
「火事にならないように気をつけてね」
「うん……」

 ロンも反省しているようだから、それ以上は言わなかった。
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