月華の女帝

ピヨ

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フィリアーナ・レイクローの日常

俺の主の日常~カイル視点~

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 「カイル~!ヴェラさんのお店行かない?」
大きな声で後ろから呼ばれる。振り返らなくても、それが誰の声か分かる。フィリアだ。
「新作のホワイトチョコの試食に来ないかって手紙が来たの!ほら、速く速く!」
少しつり目で、はっきりとした整った顔。大人っぽい綺麗な顔だとは思うが、目がキラキラしててそれを裏切っている。
「分かった分かった。でもお前、ちゃんと仕事したんだろうな?」
どや顔をする。分かりやすい。
「あったりまえでしょ?私を誰だと思ってるのよ?」
おてんば王女。と答えたい。
「ま、フィリアは速いもんな。紙が破れる程。」
ムッとした顔をする。本当に分かりやすい。
「おっと。」
肘打ちが飛んできた。
「一言余計なのよ!」
「へいへい。だけど、暴力的な女はモテねーぞ?」
こいつ、容姿はいいのに、性格がな。まあ、それでも好きな物好きもいるが。
「そんなこといーの!もし必要なら、私の演技で骨抜きにしてあげるわ。」
爽やかな笑顔で言うことじゃねーだろ。と思いつつ、こいつの外交スマイルを思い出す。あれは恐ろしい。
「お前と結婚するやつに同情するよ。俺みてーにお前に振り回されるんだろーな。」
「そうかな?・・・ま、出来るなら友達にはなれない性格で、私の邪魔をしない人で、国に不利益を与えず、カッコいい人がいいわ。だって・・・」
「お!フィリアじゃねーか!俺が送った招待状は届いたか?」
大男がフィリアに話しかけてきた。知らねーやつだ。
「わ、チャック!?久しぶりね!結婚するんですって?おめでとう!」
大男が照れくさそうな顔をする。
「ああ。ま、ありがとな。」
「ふふ、良かったわね?スーシー取られなくて。」
「う、うるせえなぁ!・・・ったく、この話し止めだ!あー、そいつはフィリアの彼氏か?」
大男が俺をみる。冗談じゃねぇ。こいつの彼氏なんかになったら俺は過労死する。主に精神的に。
「ちげーよ。」
「あはは、あり得ない。」
いい笑顔でバサッと切り捨てられた。いや、良いんだけど、男としての矜持が・・・。
「そ、そうか・・・。」
チャック、憐れみを込めて俺を見るな。フィリアはただの主だ。
「今でさえこいつの世話するのにいっぱいいっぱいなんだぞ?彼氏なんかになってみろ。ぜってーに菓子、本、休み、なんでもねだられるな。」
隣でフィリアがうなずいている。
「そうね。私もこれ幸いとねだると思うわ。」
チャックは微妙な顔をしている。
「ほんとフィリアっておしいよな。」
同意する。
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