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タルパと夜に泣く。
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この先もアナとしてやっていく為に必要な事。
それは最低限の設定を決めておく事だ。
「アナは夜にしか現れない。」とか、「毎日出てくる訳では無い。」とか。
アナの発生条件に関してだけでも早急に考えそれに沿って行動しなければならないと思っていた。
だから先程清太郎が「話そう。」と言い出した時は渡りに船だと喜んだ。
これで今後のアナとしての活動が少しでもしやすくなるかもしれないと。
しかし蓋を開けてみたらコレだ。
会話などろくに無いまま覆い被さっている清太郎を私は睨んだ。
この発情野郎が。
だけど何処か心の奥の方でこの時を待っていた自分もいて。
触れられた所からゾクゾクと全身に広がっていく多幸感。
結局私は目を閉じ全て受け入れる事にした。
互いの唇が一瞬だけ触れまた直ぐに離れる。
瞼を開くと不安げな顔と目が合った。
「消えてないな。…てか、タルパってセックス出来んのか?」
私は首を傾げて見せる。
清太郎は私の唇を指でなぞり隙間を作ると顔を傾け深いキスをしてきた。
口内に広がるアルコールの匂い。
身体は冷たいのに割り込んでくる舌は熱く、清太郎の内側に触れられた気分になって胸がキュッと苦しくなった。
会話をしてくれないのだから身体で対話するしかない。
口内でゆるゆると好き勝手に遊んでいる清太郎の舌を私の舌で擽り返してやった。
舌の横の奥の方や上顎の敏感な所をヌルヌルと舐め上げる。
途端にガバッと上体を起こし清太郎は私を睨み付けた。
「は?上手くね?何で?タルパなのに?ちょっとムカつくんだけど。これも俺の願望なの?」
余りにも無遠慮な発言。
思わず吹き出してしまう。
「何が可笑しいんだよ。」
不貞腐れた声で吐き捨てている清太郎が可愛くて。
私は諭す様に手を伸ばし頬に触れながら訊ねた。
「じゃあ、清太郎は私がどんなだと嬉しいの?大人しくしてた方が良い?」
暫くの間無言で斜め上に視線を外し考え込む清太郎。
その後私の質問には答えないままもう一度深く口を合わせてきた。
今度は私が舌の横の奥や上顎を刺激されて。
鼻だけの呼吸じゃ賄えなくなり声を洩らして身を捩った。
苦しいのか気持ちいいのか恥ずかしいのか。
自分でも分からないままじわっと目が潤む。
口を離した清太郎は愛おしそうな眼差しで私を捕えた。
「可愛いなぁ…。俺の所為でエロい顔してんの。」
そして優しく私の髪を撫でながらゆっくりと語り出す。
「町田手毬ってさ。何か禁欲的なんだよな。誰にでも人懐っこい癖に、わざと女性性を感じさせない様にしてる感じでさ。私イヤらしい事知りません。だからイヤらしい目で見ないで下さい。私もイヤらしい目で見てないですから。みたいなさ。」
強い衝撃だった。
生まれて初めての指摘。
だけど確かにその通りなのだ。
私は母親の影響で異性から性的に見られることを避ける価値観が染み付いている。
禁欲的に振舞っている自覚はあったが、それに気が付いている者が居るとは思わなかった。
この人は一体何処でこんなにも私を観察しているのだろうか。
こちらの戸惑いなど気にも留めずに清太郎は語り続ける。
「そんな女がさ。俺の手で俺の前でだけグズグズに感じてたら…滅茶苦茶エロいと思わねぇ?」
「…わからない…。そういうモノなの?」
「他の奴がどうかは知らねぇけど俺はそういうの大好き。…きっと、快感で女である事を思い知る度に罪悪感で抑制しようとするんだよ。だけど普段抑えている分一旦気持ちよくなったら止まらくなって、自分自身を責めながら乱れてく。そういうの堪んないよな。」
満面の笑みで気持ちの悪い事を言い切っている。
ただ何故か全く嫌ではない。
寧ろ知らない内に私をこんなにイヤらしい目で見ていた男が存在していた事にいつに無く興奮している。
「だからアナも俺がスイッチ入れるまでは澄ました顔して、イヤらしい事なんて知らない風にしてて欲しい。」
自分勝手な要求を口にすると清太郎はまた深いキスをしてきた。
もうスイッチなんてとっくに入っているのに…。
イヤらしい事知らない顔なんてどうやってすれば良いのだろうと私は思った。
シャツワンピのボタンが上から外されていく。
中は薄いキャミソールとショーツのみではだけられた途端に恥ずかしくなる。
キャミソールに浮き出ている胸の先端を見て清太郎は笑う。
「え?ノーブラ…?無防備過ぎだろ。」
カッと顔が熱い。
だってタルパが下着を付けるのかどうか分からなかったんだもん!
実際には口に出せない言い訳を心の中で叫ぶ。
昨日まさか人と鉢合わせるとは思わず、私は部屋着でノーブラという超軽装だった。
今日は昨日の状態を再現をした方が良いのかと思い成る可くラフな格好にしたのだ。
決してこんな展開を望んで破廉恥な格好をしている訳では無い。
羞恥心で顔を背ける私に清太郎は気を良くしている。
「良いじゃん。恥ずかしそうな顔。そそる。」
胸の先端がキャミの上からカシッと指で引っ掻かれた。
ピクッと身体が跳ね吐息が洩れる。
キャミを捲り上げながらウエストそして胸へと舌が這い登ってきた。
腰を捩って必死に声を我慢する。
「…禁欲的なのが良いって言ったけどさ。気持ち良くなったんだったら声我慢すんなよ。」
先端に強い刺激を感じ、急な事に身を竦ませた。
清太郎の頭で見えないが先端が甘く齧られているみたいだ。
チリッとした刺激がくる度にビクビクと身体が動いてしまい下腹部が疼き益々濡れていった。
「ふーっ、うっ。」
唇を固く結んで耐える。
清太郎は時々上目遣いにこちらの様子を窺いながら強弱を付け刺激を変化させている。
優しく舐め上げられた後断続的に吸われ。
それに慣れた頃今度はカリッと噛まれを繰り返す。
堪らず身体を捩った時、腰にゴリッと硬いモノが当たった。
それが何か理解した途端に子宮がキューッと主張しショーツのシミが広がった。
清太郎と目が合う。
欲しい。
声に出さずに訴えた。
それは最低限の設定を決めておく事だ。
「アナは夜にしか現れない。」とか、「毎日出てくる訳では無い。」とか。
アナの発生条件に関してだけでも早急に考えそれに沿って行動しなければならないと思っていた。
だから先程清太郎が「話そう。」と言い出した時は渡りに船だと喜んだ。
これで今後のアナとしての活動が少しでもしやすくなるかもしれないと。
しかし蓋を開けてみたらコレだ。
会話などろくに無いまま覆い被さっている清太郎を私は睨んだ。
この発情野郎が。
だけど何処か心の奥の方でこの時を待っていた自分もいて。
触れられた所からゾクゾクと全身に広がっていく多幸感。
結局私は目を閉じ全て受け入れる事にした。
互いの唇が一瞬だけ触れまた直ぐに離れる。
瞼を開くと不安げな顔と目が合った。
「消えてないな。…てか、タルパってセックス出来んのか?」
私は首を傾げて見せる。
清太郎は私の唇を指でなぞり隙間を作ると顔を傾け深いキスをしてきた。
口内に広がるアルコールの匂い。
身体は冷たいのに割り込んでくる舌は熱く、清太郎の内側に触れられた気分になって胸がキュッと苦しくなった。
会話をしてくれないのだから身体で対話するしかない。
口内でゆるゆると好き勝手に遊んでいる清太郎の舌を私の舌で擽り返してやった。
舌の横の奥の方や上顎の敏感な所をヌルヌルと舐め上げる。
途端にガバッと上体を起こし清太郎は私を睨み付けた。
「は?上手くね?何で?タルパなのに?ちょっとムカつくんだけど。これも俺の願望なの?」
余りにも無遠慮な発言。
思わず吹き出してしまう。
「何が可笑しいんだよ。」
不貞腐れた声で吐き捨てている清太郎が可愛くて。
私は諭す様に手を伸ばし頬に触れながら訊ねた。
「じゃあ、清太郎は私がどんなだと嬉しいの?大人しくしてた方が良い?」
暫くの間無言で斜め上に視線を外し考え込む清太郎。
その後私の質問には答えないままもう一度深く口を合わせてきた。
今度は私が舌の横の奥や上顎を刺激されて。
鼻だけの呼吸じゃ賄えなくなり声を洩らして身を捩った。
苦しいのか気持ちいいのか恥ずかしいのか。
自分でも分からないままじわっと目が潤む。
口を離した清太郎は愛おしそうな眼差しで私を捕えた。
「可愛いなぁ…。俺の所為でエロい顔してんの。」
そして優しく私の髪を撫でながらゆっくりと語り出す。
「町田手毬ってさ。何か禁欲的なんだよな。誰にでも人懐っこい癖に、わざと女性性を感じさせない様にしてる感じでさ。私イヤらしい事知りません。だからイヤらしい目で見ないで下さい。私もイヤらしい目で見てないですから。みたいなさ。」
強い衝撃だった。
生まれて初めての指摘。
だけど確かにその通りなのだ。
私は母親の影響で異性から性的に見られることを避ける価値観が染み付いている。
禁欲的に振舞っている自覚はあったが、それに気が付いている者が居るとは思わなかった。
この人は一体何処でこんなにも私を観察しているのだろうか。
こちらの戸惑いなど気にも留めずに清太郎は語り続ける。
「そんな女がさ。俺の手で俺の前でだけグズグズに感じてたら…滅茶苦茶エロいと思わねぇ?」
「…わからない…。そういうモノなの?」
「他の奴がどうかは知らねぇけど俺はそういうの大好き。…きっと、快感で女である事を思い知る度に罪悪感で抑制しようとするんだよ。だけど普段抑えている分一旦気持ちよくなったら止まらくなって、自分自身を責めながら乱れてく。そういうの堪んないよな。」
満面の笑みで気持ちの悪い事を言い切っている。
ただ何故か全く嫌ではない。
寧ろ知らない内に私をこんなにイヤらしい目で見ていた男が存在していた事にいつに無く興奮している。
「だからアナも俺がスイッチ入れるまでは澄ました顔して、イヤらしい事なんて知らない風にしてて欲しい。」
自分勝手な要求を口にすると清太郎はまた深いキスをしてきた。
もうスイッチなんてとっくに入っているのに…。
イヤらしい事知らない顔なんてどうやってすれば良いのだろうと私は思った。
シャツワンピのボタンが上から外されていく。
中は薄いキャミソールとショーツのみではだけられた途端に恥ずかしくなる。
キャミソールに浮き出ている胸の先端を見て清太郎は笑う。
「え?ノーブラ…?無防備過ぎだろ。」
カッと顔が熱い。
だってタルパが下着を付けるのかどうか分からなかったんだもん!
実際には口に出せない言い訳を心の中で叫ぶ。
昨日まさか人と鉢合わせるとは思わず、私は部屋着でノーブラという超軽装だった。
今日は昨日の状態を再現をした方が良いのかと思い成る可くラフな格好にしたのだ。
決してこんな展開を望んで破廉恥な格好をしている訳では無い。
羞恥心で顔を背ける私に清太郎は気を良くしている。
「良いじゃん。恥ずかしそうな顔。そそる。」
胸の先端がキャミの上からカシッと指で引っ掻かれた。
ピクッと身体が跳ね吐息が洩れる。
キャミを捲り上げながらウエストそして胸へと舌が這い登ってきた。
腰を捩って必死に声を我慢する。
「…禁欲的なのが良いって言ったけどさ。気持ち良くなったんだったら声我慢すんなよ。」
先端に強い刺激を感じ、急な事に身を竦ませた。
清太郎の頭で見えないが先端が甘く齧られているみたいだ。
チリッとした刺激がくる度にビクビクと身体が動いてしまい下腹部が疼き益々濡れていった。
「ふーっ、うっ。」
唇を固く結んで耐える。
清太郎は時々上目遣いにこちらの様子を窺いながら強弱を付け刺激を変化させている。
優しく舐め上げられた後断続的に吸われ。
それに慣れた頃今度はカリッと噛まれを繰り返す。
堪らず身体を捩った時、腰にゴリッと硬いモノが当たった。
それが何か理解した途端に子宮がキューッと主張しショーツのシミが広がった。
清太郎と目が合う。
欲しい。
声に出さずに訴えた。
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