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傾く方へ。
身体が優勢になって。
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いつに無く優しい手付きで、木内さんは私の頭を撫でていた。
だけど私は溢れ出る感情を吐き出さずにはいられず、泣きながら彼を責める。
「こんなの…こんなのレイプですよ?」
「…うん。」
「どうするつもりなんですか?」
「…。」
木内さんは答えない。
それでもずっと私の髪を手櫛で解いている。
そんなに愛おしそうに触れないで欲しい。
「妊娠したらどうするんですか?私の人生何だと思ってるんですか?」
「…。」
「木内さんはお金払って終わりってして凛さんと今まで通りでいられますもんね!?産んでもおろしても私は人生めちゃくちゃになるのに!」
今度は泣き喚く私の額を無言のまま優しく撫でた。
キッと睨んで怒りをぶつける。
「出来てなくたって私の心はめちゃくちゃですよ!木内さんのせいで!」
「うん。」
「『うん。』って何ですか?どうしてくれる…ん?…え?え?…もうやだ…何で…?」
私の中に入ったままでいた木内さんのモノがまた大きく固くなってきた。
あまりの展開に着いていけない。
「ごめん。」
「いや、ちょっと、意味分かんないです。今私怒ってるんですけど…?」
「うん。」
木内さんは困った様に眉尻を下げて笑う。
「俺ユリが泣くと興奮するみたいで…。」
「は?」
「ごめん。でも、俺のせいで傷付いて、頭の中俺で一杯にしながら、泣いて嫌がって悪態ついて…。それなのにグズグズに感じてるユリ見るとめちゃくちゃ興奮する。」
「アンタ…本当に最低。」
呆れた様に吐き捨てた私を無視して、木内さんはまたゆっくりと動き出した。
慌てて肩を叩いて抗議する。
「まって、まって!一旦抜いて下さい!さっきの精子出させて!」
「じゃあ、これからも会う?」
この人は狂ってしまったのだろうか。
結局同じ事しか言わない。
「ん、卑怯もの…ん、んっ…。…もう…いや…。」
「俺だって虐めたくない。…早く頷いて。」
何で被害者面してるの?
完全なる加害者の癖に。
じっくりと分からせるみたいに私の中を一杯にしていく。
さっき出された物が動きに合わせて溢れ出した。
「いいかげ、んに、しろ!このクズぅ!」
「ユリが会うって認めるまで抜かないって…、さっき決めたじゃん…。」
自分の中で勝手に決めた事を、まるで二人の間の決定事項みたいに言うな。
話が通じなくてやるせない。
どうしようもなくて泣けてくる。
「うぅ…。ひどいよぉ…。」
「泣くな…。止めれなくなる…。」
泣くな?
どの口が言ってるんだ。
アンタが泣かせている張本人だぞ。
心底嫌気がさす。
それなのにまた身体は反応していて。
出し入れされる度にゾクゾクと背筋が震えた。
「泣く程俺が嫌なのに…感じてんの?」
木内さんは堪らなさそうに目を細めている。
その表情が色っぽくて、屈してしまいそうだ。
私の様子を見ながら探る様に回される腰。
またすぐに気持ちの良い所を探り当てら吐息が漏れた。
「さっきみたいに抵抗してよ。」
コチラの反応を楽しんでいる口振り。
それが癪で、両手を口に充て必死に声を抑えた。
先程達した所をゆっくり押上げながら、「ホント煽るよね。ここ、本気でトントンしちゃうよ?」と意地悪く言う。
もう無言で首を振るしかできない。
縋る目線を向ける私を尻目に、木内さんは宣言通りそこを突き始めた。
身体が仰け反る。
「んんっ、っやぁ。」
「ふっ…。ユリここ好きだよね。」
そう嬉しそうに笑った後、「俺もここ好き。めちゃくちゃ気持ちイイ…。」と呟いた。
まるで恋人を慈しむ様な目で見てくる。
錯覚しそうになるから止めて欲しい。
初めて会った時、ガラスの向こうの凛さんを見詰めていた切ない横顔が思い出された。
胸が痛い。
私はこの人が好きなのに。
この人は凛さんと離れない。
身体の相性だけで私を求めている。
頭では分かっていても心が着いて来なくて。
身体はどうしようも無いくらい悦んでいて。
頭と心と身体がバラバラに引き離されて、私はまた泣いた。
「約束してくれたら…俺だって、優しくするのに…。」
強引な行為とは対照的に、繊細な指使いで私の涙を拭う。
それでも動きは止めてくれない。
一突きされる事に快感が蓄積されていくみたいになって。
また全身が強ばり出した。
「んんっ…。っふぅっ…あ。」
「あー、締まる…。ユリまた泣きながらイってる…。」
うっとりと私を見て目を細めている。
不規則にヒクつきながら、私の感情なんて無視して中は締め上げてしまう。
木内さんは少しの間だけ動かしにくそうに律動を弱めたけれど、直ぐにまた強引に刺激し始めた。
「やっ。木内さん。…っイってるから。あ、あぁ、イってるから止まって!」
「会う?…これからも。」
「んっやぁ。あ、会わないぃ…。」
「はー…。じゃあ、またイっとこうか…?」
そう言って腰を早めた。
わざと大袈裟に溜め息を吐き、まるで私が我儘を言っている雰囲気を出していた。
どうせ頷いたって止めない癖に。
否定し続けたって認めたって、どっちにしても木内さんは自分が満足するまで私を抱くんだ。
木内さんの都合で開放されるまで、私はこの責め苦を味わい続けるんだ。
「も…イきたくない…。や、やめっ…あ、ああ、あっイく…。」
ビクビクと身体が跳ねた。
心臓が暴れていて苦しい。
強い波をやり過ごす為に強く目を閉じる。
息も絶え絶えで、否定も肯定もしなくなった私を見ても、木内さんは容赦なく攻めの手を緩めない。
腰を掴んでひたすら動いてきた。
「イクの止まらないんでしょ?…ずっと締まってる…。はぁっ。めちゃくちゃ気持ちイイ…。」
全身が敏感になり、腰を掴んでいる手がサワッと動くだけで身を捩ってしまう。
波が治まっていないのにまた次の波が来て。
それを繰り返す内に降りられなくなって。
際限なく登り続けて、本当に何も考えられなくなった。
「はぁ、あ…。あ、あ、…あ…。やぁっああ。」
「あ、やばい…。俺もイク。」
固まったままの全身に更に力が入る。
木内さんにも、快感にも、もう抵抗する気が起きなくてそのまま受け入れた。
木内さんのさっぱりとした顔が余裕なく歪むのをただ眺める。
心が折れたら身体が優勢になって、私の中で膨らんで何度も跳ねながら吐精しているのを、欲しいままに搾り続けた。
だけど私は溢れ出る感情を吐き出さずにはいられず、泣きながら彼を責める。
「こんなの…こんなのレイプですよ?」
「…うん。」
「どうするつもりなんですか?」
「…。」
木内さんは答えない。
それでもずっと私の髪を手櫛で解いている。
そんなに愛おしそうに触れないで欲しい。
「妊娠したらどうするんですか?私の人生何だと思ってるんですか?」
「…。」
「木内さんはお金払って終わりってして凛さんと今まで通りでいられますもんね!?産んでもおろしても私は人生めちゃくちゃになるのに!」
今度は泣き喚く私の額を無言のまま優しく撫でた。
キッと睨んで怒りをぶつける。
「出来てなくたって私の心はめちゃくちゃですよ!木内さんのせいで!」
「うん。」
「『うん。』って何ですか?どうしてくれる…ん?…え?え?…もうやだ…何で…?」
私の中に入ったままでいた木内さんのモノがまた大きく固くなってきた。
あまりの展開に着いていけない。
「ごめん。」
「いや、ちょっと、意味分かんないです。今私怒ってるんですけど…?」
「うん。」
木内さんは困った様に眉尻を下げて笑う。
「俺ユリが泣くと興奮するみたいで…。」
「は?」
「ごめん。でも、俺のせいで傷付いて、頭の中俺で一杯にしながら、泣いて嫌がって悪態ついて…。それなのにグズグズに感じてるユリ見るとめちゃくちゃ興奮する。」
「アンタ…本当に最低。」
呆れた様に吐き捨てた私を無視して、木内さんはまたゆっくりと動き出した。
慌てて肩を叩いて抗議する。
「まって、まって!一旦抜いて下さい!さっきの精子出させて!」
「じゃあ、これからも会う?」
この人は狂ってしまったのだろうか。
結局同じ事しか言わない。
「ん、卑怯もの…ん、んっ…。…もう…いや…。」
「俺だって虐めたくない。…早く頷いて。」
何で被害者面してるの?
完全なる加害者の癖に。
じっくりと分からせるみたいに私の中を一杯にしていく。
さっき出された物が動きに合わせて溢れ出した。
「いいかげ、んに、しろ!このクズぅ!」
「ユリが会うって認めるまで抜かないって…、さっき決めたじゃん…。」
自分の中で勝手に決めた事を、まるで二人の間の決定事項みたいに言うな。
話が通じなくてやるせない。
どうしようもなくて泣けてくる。
「うぅ…。ひどいよぉ…。」
「泣くな…。止めれなくなる…。」
泣くな?
どの口が言ってるんだ。
アンタが泣かせている張本人だぞ。
心底嫌気がさす。
それなのにまた身体は反応していて。
出し入れされる度にゾクゾクと背筋が震えた。
「泣く程俺が嫌なのに…感じてんの?」
木内さんは堪らなさそうに目を細めている。
その表情が色っぽくて、屈してしまいそうだ。
私の様子を見ながら探る様に回される腰。
またすぐに気持ちの良い所を探り当てら吐息が漏れた。
「さっきみたいに抵抗してよ。」
コチラの反応を楽しんでいる口振り。
それが癪で、両手を口に充て必死に声を抑えた。
先程達した所をゆっくり押上げながら、「ホント煽るよね。ここ、本気でトントンしちゃうよ?」と意地悪く言う。
もう無言で首を振るしかできない。
縋る目線を向ける私を尻目に、木内さんは宣言通りそこを突き始めた。
身体が仰け反る。
「んんっ、っやぁ。」
「ふっ…。ユリここ好きだよね。」
そう嬉しそうに笑った後、「俺もここ好き。めちゃくちゃ気持ちイイ…。」と呟いた。
まるで恋人を慈しむ様な目で見てくる。
錯覚しそうになるから止めて欲しい。
初めて会った時、ガラスの向こうの凛さんを見詰めていた切ない横顔が思い出された。
胸が痛い。
私はこの人が好きなのに。
この人は凛さんと離れない。
身体の相性だけで私を求めている。
頭では分かっていても心が着いて来なくて。
身体はどうしようも無いくらい悦んでいて。
頭と心と身体がバラバラに引き離されて、私はまた泣いた。
「約束してくれたら…俺だって、優しくするのに…。」
強引な行為とは対照的に、繊細な指使いで私の涙を拭う。
それでも動きは止めてくれない。
一突きされる事に快感が蓄積されていくみたいになって。
また全身が強ばり出した。
「んんっ…。っふぅっ…あ。」
「あー、締まる…。ユリまた泣きながらイってる…。」
うっとりと私を見て目を細めている。
不規則にヒクつきながら、私の感情なんて無視して中は締め上げてしまう。
木内さんは少しの間だけ動かしにくそうに律動を弱めたけれど、直ぐにまた強引に刺激し始めた。
「やっ。木内さん。…っイってるから。あ、あぁ、イってるから止まって!」
「会う?…これからも。」
「んっやぁ。あ、会わないぃ…。」
「はー…。じゃあ、またイっとこうか…?」
そう言って腰を早めた。
わざと大袈裟に溜め息を吐き、まるで私が我儘を言っている雰囲気を出していた。
どうせ頷いたって止めない癖に。
否定し続けたって認めたって、どっちにしても木内さんは自分が満足するまで私を抱くんだ。
木内さんの都合で開放されるまで、私はこの責め苦を味わい続けるんだ。
「も…イきたくない…。や、やめっ…あ、ああ、あっイく…。」
ビクビクと身体が跳ねた。
心臓が暴れていて苦しい。
強い波をやり過ごす為に強く目を閉じる。
息も絶え絶えで、否定も肯定もしなくなった私を見ても、木内さんは容赦なく攻めの手を緩めない。
腰を掴んでひたすら動いてきた。
「イクの止まらないんでしょ?…ずっと締まってる…。はぁっ。めちゃくちゃ気持ちイイ…。」
全身が敏感になり、腰を掴んでいる手がサワッと動くだけで身を捩ってしまう。
波が治まっていないのにまた次の波が来て。
それを繰り返す内に降りられなくなって。
際限なく登り続けて、本当に何も考えられなくなった。
「はぁ、あ…。あ、あ、…あ…。やぁっああ。」
「あ、やばい…。俺もイク。」
固まったままの全身に更に力が入る。
木内さんにも、快感にも、もう抵抗する気が起きなくてそのまま受け入れた。
木内さんのさっぱりとした顔が余裕なく歪むのをただ眺める。
心が折れたら身体が優勢になって、私の中で膨らんで何度も跳ねながら吐精しているのを、欲しいままに搾り続けた。
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