傾く方へ

seitennosei

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傾く方へ。

抗う選択肢。

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「ユリ…。」
木内さんはクマをほっぽり私の腰に手を回すと、強引に自身の膝の上に座らせてきた。
「わ、ちょっと…」
直ぐに気が付く。
お尻に硬いのが…。
「もー、なんなんですか、ホント。またこのパターンですか?」
「だって部屋中ユリの匂いすんだもん…。」
レロッと舐められうなじが濡れる。
同時に背中のジッパーが下ろされ、両手が脇腹を通って胸まで滑ってきた。
手の通り道にソワソワとした疼きが残り、ビクビクと身体が反応してしまう。
「ほんとエロいな。」
「エロくなっ…やぁ。」
ブラの上からカリカリと両方の先端を引っかかれ声が漏れる。
やっぱり今日も抗えない。
うなじを食んでいた唇がつつっと耳まで登り、次は耳たぶが吸われた。
「くっ…ふ…。」
私って耳も性感帯だったんだ…。
新たな発見。
それを木内さんに思い知らされるっていうのが癪だけれど。
「ユリ…。自分でホック外して。」
「やっ…。」
唇が掠る程近くから囁かれ肩が上がる。
両方の先端に布越しのもどかしい刺激が続き、また不意に木内さんの香りがしてきて。
気付いたら言われるままにブラのホックを外していた。
すかさず直に差し入れられる手。
自分とは違う骨張った指。
触れるか触れないかのタッチでそれらがサワサワと胸全体を滑っていく。
それでもわざとさっきまで刺激していた先端だけは触れてくれない。
「ユリ。今乳首立ってるか教えて?」
「わ、わかんなっ…」
「分かるだろ?ちゃんと答えて。」
「立ってない…。」
「ふーん…。」
バラバラに動いていた指が段々と規則性を持ち、先端の周りを囲む様に円の動きに変わる。
「嘘だったら虐めるけど良い?」
そう言って円が小さくなっていく。
私は無言でふるふると首を振った。
「本当の事言えば虐めないよ?」
「嘘じゃなっ…」
「良いの?今から確認するけど。」
ねちっこい言葉責めを受け、溢れてじわっと下着に染み込む。
今更襲いくる羞恥心。
木内さんの指が作る円がつつっとより小さくなる。
嘘がばれてしまう。
でもそれを望んでいる自分もいて。
だけど嘘がバレる事よりも、敢えて虐められる事を望んでいたと勘づかれる方が恥ずかしくて。
指が先端へ触れる寸前に白状する。
「うそ、立ってるっぁあ…。」
「あーあ、ちょっと遅かったなぁ…。」
「やっ…ホントのこと、言った…のに…。」
意地悪な声で囁き、木内さんは先端にピタッと付けた指をくるくると動かす。
それに合わせて固くなってコリコリと転がった。
胸から全身に広がる甘い痺れが腰を揺らせる。
結果としてお尻にある硬いモノに自ら押し付ける形になってしまう。
「はー。もう挿れたい…。」
耳を擽る切なそうな声。
私ももう挿れて欲しいと思っていた。
振り向き、木内さんに跨り向かい合う。
黙ってじっと目を見る。
「なに?おねだり?」
恥ずかしい。
声に出さずに頷く。
「はー…。なんでセックス中そんな可愛いの?」
木内さんは私の顔を引き寄せ軽いキスをした。
それと同時にワンピースを脱がしていく。
「あーもー…、今回はじっくり前戯するつもりだったのになー…。」
そう嘆きながらも私を裸にしていく手は性急で。
素早く終えると次は自分の服に手をかけ、Tシャツを脱ぎながら私に命令してきた。
「ユリ。けつポッケにゴム入ってるから。」
当たり前にこちらへ腰を突き出す。
私は木内さんに抱き着く形で手を後ろに回し、ポケットを漁った。
その拍子に下腹の辺りに硬いモノがめり込む。
視線を上げるとすぐ近くに木内さんの顔。
目を閉じ軽く口を開くと、直ぐに柔らかい唇が重ねられた。
隙間から舌が侵入してくる。
最初は優しく。
段々と角度を変えて深くなっていき。
木内さんの両手で頭が包まれもう逃げる事は叶わなくなる。
じわじわと支配されていく。
何も纏っていない上体の素肌同士が触れ、密着する感じが心地良くて、気が付くと夢中でお互いの唇を食べあっていた。
「ユリ。早く。」
木内さんが一旦口を離しそれだけ言うと、また噛み付く様に口を合わせてくる。
私は頭を抑えられ固く目を閉じたまま、ポケットから取り出したゴムを手探りで開封していく。
木内さんも口を合わせたまま、自身のボトムを器用に脱ぎはじめた。
顔を突き出し互いを貪る今の自分達を客観的に見れば、さぞかし滑稽なのだろうと思う。
それでも欲しい衝動と求められる喜びを前には止まれない。
木内さんが下着ごとボトムを膝までずり下げたのを合図に、私は彼のモノにゴムを装着させた。
その間もどちらもキスを止める事はしなくて。
次に口が離れた時。
「自分で挿れて。」と耳元で命令された。
心臓が壊れるかと思う程高鳴る。
抗う選択肢なんて持たない私はそれに従った。
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