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最初の日。
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子供の頃、放課後はいつも家に一人だった。
両親は仕事が忙しく、身体の弱い3歳下の双子の弟達は、いつもどこかに預けられていた。
学校は楽しくない。
身体が小さくて気が弱い事を同級生からバカにされる。
親は自分のいない間、俺を学童に入れたかったみたいだけど、放課後になってまで学校で過ごすことが嫌で強く拒否した。
一人で留守番する方が気が楽だった。
だけど一人の家は本当に静かで。
まるで世界に自分一人しかいないのかもしれないと不安になる瞬間がたまにあって…。
そんな時は家の門の前に座り、近くの中学校から下校しているお兄さんお姉さん達を見て安心していた。
いつも同じ時間に一人で通るお姉さんがいた。
去年は見掛けなかったらから1年生だと思う。
その人は制服を着ていなければ小学生に見えるくらい幼い見た目をしていて、小学2年生の自分にとってずっと遠い存在である中学生の中でも、そのお姉さんだけには少し親近感が持てていた。
そんなある日、お姉さんが漫画を歩き読みしていた。
その漫画は俺も読んでいるもので、もともとの勝手な親近感もあり、自然と声を掛けた。
「好きなの?それ。」
お姉さんは立ち止まると振り返ってキョトンとしていた。
突然知らない子供に声を掛けられたのだから無理もない反応だろう。
だけどその、不思議そうに真っ直ぐ見詰めてくる顔が可愛くて、もっと仲良くなりたいって思った。
「俺もこれ好き。面白いよね。」
今思えばなんて馴れ馴れしい子供なんだろうと思う。
だけどお姉さんは照れたように笑ってこっちに来てくれた。
「ねぇ、オネーサン。良かったら少し話しませんか?」
オネーサンは頷くと、俺の横に腰を掛けた。
それがオネーサンと仲良くなった最初の日だ。
両親は仕事が忙しく、身体の弱い3歳下の双子の弟達は、いつもどこかに預けられていた。
学校は楽しくない。
身体が小さくて気が弱い事を同級生からバカにされる。
親は自分のいない間、俺を学童に入れたかったみたいだけど、放課後になってまで学校で過ごすことが嫌で強く拒否した。
一人で留守番する方が気が楽だった。
だけど一人の家は本当に静かで。
まるで世界に自分一人しかいないのかもしれないと不安になる瞬間がたまにあって…。
そんな時は家の門の前に座り、近くの中学校から下校しているお兄さんお姉さん達を見て安心していた。
いつも同じ時間に一人で通るお姉さんがいた。
去年は見掛けなかったらから1年生だと思う。
その人は制服を着ていなければ小学生に見えるくらい幼い見た目をしていて、小学2年生の自分にとってずっと遠い存在である中学生の中でも、そのお姉さんだけには少し親近感が持てていた。
そんなある日、お姉さんが漫画を歩き読みしていた。
その漫画は俺も読んでいるもので、もともとの勝手な親近感もあり、自然と声を掛けた。
「好きなの?それ。」
お姉さんは立ち止まると振り返ってキョトンとしていた。
突然知らない子供に声を掛けられたのだから無理もない反応だろう。
だけどその、不思議そうに真っ直ぐ見詰めてくる顔が可愛くて、もっと仲良くなりたいって思った。
「俺もこれ好き。面白いよね。」
今思えばなんて馴れ馴れしい子供なんだろうと思う。
だけどお姉さんは照れたように笑ってこっちに来てくれた。
「ねぇ、オネーサン。良かったら少し話しませんか?」
オネーサンは頷くと、俺の横に腰を掛けた。
それがオネーサンと仲良くなった最初の日だ。
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