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木曜日のスイッチ。
スイッチ。
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俺は一体何を言っているんだ。
「僕の言う通りにしてみて下さい」じゃないよ。
これから彼女に何をする気なんだ。
こんな事、早く止めなくては。
そう頭では分かっているのに、もう後には引けなくなっていた。
「まずは優しく両手で胸を包んで下さい。」
彼女は頷くとモゾモゾと手を動かし始める。
細谷咲が俺の言う通りに行動している現状。
何処までの要求なら飲むのだろう。
頭が可笑しくなってしまいそうだ。
だけど、彼女は真剣に悩んでいる。
なんとか理性を働かせなくては。
「包んでいる手をゆっくり動かしてみて下さい。優しく。ゆっくり。円を描くみたいに。」
俺が囁く度ピクピクと肩が跳ねている。
それが余りにも可愛くて触れたい衝動と必死に戦う。
「どうですか?痛みは無いですか?…擽ったいですか?」
彼女はフルフルと首を横に振ると「なんか、ムズムズ…します。」と呟く。
ああ、本当に困った事になった。
下半身が熱い。
そんなこと絶対に気取られてはならない。
少し腰を引いて誤魔化す。
「ムズムズしてるのはどこ?」
暫しの沈黙。
しまった。
流石に今の発言はセクハラが過ぎたかと焦るも彼女が呟く。
「先が…胸の先が。」
「え?」
「胸の先がムズムズしてます…。」
頭の中でプツッと切れる音。
何本もある理性の糸。
段階毎に張っているそれの、一番下の段階の糸。
それが簡単に切れてしまった。
まだ一番下だから。
本当にダメなことはしないから。
そう言い訳をして、勝手に自分で設けた基準で。
一つ自分を許してしまった。
「では、スイッチが入っているか確認しますね。」
すっとシャツの裾から両手を差し入れる。
当初は服の上からの約束だったのに。
そんな事は忘れた振りをして直に彼女のウエストに触れた。
「んんっ…。」
ビビッと電気に触れた様に身を跳ねる彼女。
「ごめんなさい…まだちょっとくすぐったくて…。」
「謝る必要なんてないですよ。」
しっとりと吸い付く様な肌。
堪らない。
またプツッと一本の糸が切れた。
彼女の肘を両手で包む。
それにもピクっと反応している。
こんなところまでこの身体は感じるのか。
俺から与えられている刺激に必死に耐えている姿が愛おしい。
「少し手伝います。」
そう宣言し肘から腕伝いにつつっと登らせ、今度は彼女の手を上から包み込む。
大丈夫。
本当にダメな一線は超えないから。
絶対に直接は触らないから。
心の中で言い訳を続ける。
「痛かったり、嫌な事があったら直ぐに言って下さい。」
コクリと頷くのを見届け、ゆっくりと手を動かす。
やわやわと微かに指を折ると、それに押され彼女の指が胸に沈んでいく。
彼女の手を隔てているのに柔らかな感触がこちらにまで伝わってくる。
小さな手から零れた胸に俺の指が直接当たってしまうけれど、それは仕方がない事だからと言い訳を重ねた。
Cカップくらいかな?
邪な考えが頭を過って慌てて振り払う。
今は、そういうんじゃないから。
とにかく無心になってふにふにと揉む。
「ふっ…」
不意に彼女が声を漏らした。
「痛いですか?」
心配になって訊ねるとフルフルと首を横に振って否定する応えが返ってくる。
「擽ったいですか?」
またフルフルと。
ああ、ダメだ。
膨れ上がった願望に押し上げられ、理性の糸が下からプツプツと切れていく。
もう生き残っている糸の方が少ないのではないかと思う。
直接触れるのだけは本当に本当にダメだと、そこだけは何とか踏み止まる。
「スイッチ…入りそうですか?」
返答はない。
けれど、彼女の耳が赤く色付いた。
そして否定もしない。
その反応に調子に乗ってしまった。
少し今までよりも強く手を揉みこんだ時。
彼女の指の隙間に噛み合うように俺の指が落ちる。
瞬間、直接指に感じる柔らかさ。
その中にコリっと小さな弾力が1粒。
「はっ…ぁっ。」
ビクッと背を反る彼女。
その頭がトンっと俺の鎖骨の辺りに当たった。
天を仰ぐ彼女と不意に目が合う。
潤んだ瞳。
苦しそうに寄せられた眉根。
上気した頬。
だらしなく開いた唇。
はだけたシャツの隙間から彼女の胸を包む俺の手が見えた。
フワッと香る細谷咲の匂い。
本当に不味い。
自らプチプチとちぎってきた理性の糸達を今更慌てて結び直す。
不味い、不味い。
早い事終わらせなければ。
「もうスイッチ入ったか確認しますね。」
スっと手をウエストに下ろし、そのまま触れるか触れないかの微かな動きで優しく撫でる。
「ふっ…あぁっ…。んんっ。」
俺の手の動きに合わせて身を震わせ涙ぐむ。
開きっぱなしの唇からは赤い舌がチラチラ動いて見えていた。
そこに自分の口を合わせたい衝動をグッと抑え込む。
「スイッチ、入りましたか?」
彼女は答えない。
だけどとろんとした目で俺を見ながら喘いでいる。
「あっ…ぁ。せんせ…ぃ。」
「まだ擽ったいですか?」
不安でしつこく確認してしまう。
それでも止めはしない。
さわさわとウエストからみぞおちにかけて指を滑らす。
彼女は耐えきれない様に身を捩る。
ただ擽ったい感じとは明らかに違う反応。
キュッと目を閉じ、口も結ぶとフルフルと首を横に振っている。
そして。
「せんせいの手、ぞくぞく…します…。」と囁く様に零した。
なんという破壊力。
ちまちまと結び直した理性の糸が全て弾け切れるかと思った。
「僕の言う通りにしてみて下さい」じゃないよ。
これから彼女に何をする気なんだ。
こんな事、早く止めなくては。
そう頭では分かっているのに、もう後には引けなくなっていた。
「まずは優しく両手で胸を包んで下さい。」
彼女は頷くとモゾモゾと手を動かし始める。
細谷咲が俺の言う通りに行動している現状。
何処までの要求なら飲むのだろう。
頭が可笑しくなってしまいそうだ。
だけど、彼女は真剣に悩んでいる。
なんとか理性を働かせなくては。
「包んでいる手をゆっくり動かしてみて下さい。優しく。ゆっくり。円を描くみたいに。」
俺が囁く度ピクピクと肩が跳ねている。
それが余りにも可愛くて触れたい衝動と必死に戦う。
「どうですか?痛みは無いですか?…擽ったいですか?」
彼女はフルフルと首を横に振ると「なんか、ムズムズ…します。」と呟く。
ああ、本当に困った事になった。
下半身が熱い。
そんなこと絶対に気取られてはならない。
少し腰を引いて誤魔化す。
「ムズムズしてるのはどこ?」
暫しの沈黙。
しまった。
流石に今の発言はセクハラが過ぎたかと焦るも彼女が呟く。
「先が…胸の先が。」
「え?」
「胸の先がムズムズしてます…。」
頭の中でプツッと切れる音。
何本もある理性の糸。
段階毎に張っているそれの、一番下の段階の糸。
それが簡単に切れてしまった。
まだ一番下だから。
本当にダメなことはしないから。
そう言い訳をして、勝手に自分で設けた基準で。
一つ自分を許してしまった。
「では、スイッチが入っているか確認しますね。」
すっとシャツの裾から両手を差し入れる。
当初は服の上からの約束だったのに。
そんな事は忘れた振りをして直に彼女のウエストに触れた。
「んんっ…。」
ビビッと電気に触れた様に身を跳ねる彼女。
「ごめんなさい…まだちょっとくすぐったくて…。」
「謝る必要なんてないですよ。」
しっとりと吸い付く様な肌。
堪らない。
またプツッと一本の糸が切れた。
彼女の肘を両手で包む。
それにもピクっと反応している。
こんなところまでこの身体は感じるのか。
俺から与えられている刺激に必死に耐えている姿が愛おしい。
「少し手伝います。」
そう宣言し肘から腕伝いにつつっと登らせ、今度は彼女の手を上から包み込む。
大丈夫。
本当にダメな一線は超えないから。
絶対に直接は触らないから。
心の中で言い訳を続ける。
「痛かったり、嫌な事があったら直ぐに言って下さい。」
コクリと頷くのを見届け、ゆっくりと手を動かす。
やわやわと微かに指を折ると、それに押され彼女の指が胸に沈んでいく。
彼女の手を隔てているのに柔らかな感触がこちらにまで伝わってくる。
小さな手から零れた胸に俺の指が直接当たってしまうけれど、それは仕方がない事だからと言い訳を重ねた。
Cカップくらいかな?
邪な考えが頭を過って慌てて振り払う。
今は、そういうんじゃないから。
とにかく無心になってふにふにと揉む。
「ふっ…」
不意に彼女が声を漏らした。
「痛いですか?」
心配になって訊ねるとフルフルと首を横に振って否定する応えが返ってくる。
「擽ったいですか?」
またフルフルと。
ああ、ダメだ。
膨れ上がった願望に押し上げられ、理性の糸が下からプツプツと切れていく。
もう生き残っている糸の方が少ないのではないかと思う。
直接触れるのだけは本当に本当にダメだと、そこだけは何とか踏み止まる。
「スイッチ…入りそうですか?」
返答はない。
けれど、彼女の耳が赤く色付いた。
そして否定もしない。
その反応に調子に乗ってしまった。
少し今までよりも強く手を揉みこんだ時。
彼女の指の隙間に噛み合うように俺の指が落ちる。
瞬間、直接指に感じる柔らかさ。
その中にコリっと小さな弾力が1粒。
「はっ…ぁっ。」
ビクッと背を反る彼女。
その頭がトンっと俺の鎖骨の辺りに当たった。
天を仰ぐ彼女と不意に目が合う。
潤んだ瞳。
苦しそうに寄せられた眉根。
上気した頬。
だらしなく開いた唇。
はだけたシャツの隙間から彼女の胸を包む俺の手が見えた。
フワッと香る細谷咲の匂い。
本当に不味い。
自らプチプチとちぎってきた理性の糸達を今更慌てて結び直す。
不味い、不味い。
早い事終わらせなければ。
「もうスイッチ入ったか確認しますね。」
スっと手をウエストに下ろし、そのまま触れるか触れないかの微かな動きで優しく撫でる。
「ふっ…あぁっ…。んんっ。」
俺の手の動きに合わせて身を震わせ涙ぐむ。
開きっぱなしの唇からは赤い舌がチラチラ動いて見えていた。
そこに自分の口を合わせたい衝動をグッと抑え込む。
「スイッチ、入りましたか?」
彼女は答えない。
だけどとろんとした目で俺を見ながら喘いでいる。
「あっ…ぁ。せんせ…ぃ。」
「まだ擽ったいですか?」
不安でしつこく確認してしまう。
それでも止めはしない。
さわさわとウエストからみぞおちにかけて指を滑らす。
彼女は耐えきれない様に身を捩る。
ただ擽ったい感じとは明らかに違う反応。
キュッと目を閉じ、口も結ぶとフルフルと首を横に振っている。
そして。
「せんせいの手、ぞくぞく…します…。」と囁く様に零した。
なんという破壊力。
ちまちまと結び直した理性の糸が全て弾け切れるかと思った。
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