俺の装備は拾い物

豪之伸

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88話 ダンジョン探索 2

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 ボス戦をゼノ達に丸投げしてみた。


「主様にこの部屋の攻略を任された。今回の戦闘の作戦を伝える。主な目的は部屋の攻略と人属のパーティーの鍛練だ。なのでボスの攻略は人属パーティーがしろ。残りのザコどもは我等が引き受ける。
 まず我とナイト達で部屋中のモンスターどものヘイトを稼ぎながら前進し、近づいて来たところをマジシャンとガーディアンズによる魔法で殲滅している内に、遊撃部隊として人属パーティーには側面から背後に回ってもらい直接ボスを叩いてもらう。
 我々もヘイトを稼ぎつつ前進するため取り巻きの狼どもを1~2匹引っ張れるかもしれんが最悪、氷大熊と氷大狼4匹相手どることになる。出来るか?」


「折角そこまでお膳立てしてくれるんだ。やって見せるさ!」

「盾職の腕の見せ処ね任せて!」

「10階層分は強く成ってるし、大丈夫でしょー」

「そんな安易な…こちらも作戦をたてなくちゃ不味いよ?!もう……アヤちゃんに止めて貰って、私の火魔法で焼きつつお兄ちゃんとナオヤさんが左右から遊撃で。
 クニユキさんは隠密で動いて貰って氷大狼を一匹は狩って欲しいです。」

「一匹は狩れると思う。二匹目は隠密がばれなかったらいけるかな。」

「私は皆の回復ね!任せて!」




「そちらも作戦をたてた様だな。では行こうか。」


 ゼノが、まるで買い物へでも行くかの様な気軽さで、ボス部屋の扉を開け中へと入って行った。

 ボス部屋の扉は、「いつでも挑戦者が逃げ帰る事が出来る様に」という意味合いなのか、開け放たれたままなので、残った俺たち(ゴシン、モカ、ミサ、ユウ、一葉)は部屋の外から観戦だ。


 ゼノ達は中に入ってすぐ陣形をとった。
 前面に、ナイト6人を3メート間隔で置き、そのすぐ後ろ中央にゼノ自身が陣取り左右にソードマンを配置、その真後ろにプリーストとマジシャンの魔法職を置いている。ガーディアンズは四人づつに分かれてゼノ達を囲む様に縦に並んでいる。ナオヤ達はその後ろだ。
 

 その陣形のまま中に入って部屋の3分の1ぐらいまで進んだ時に、向こうにも動きがあった。最前列の魔物数十匹が動き出したのだ。
 ゼノは前進するのを止めてこう言った。


「我の咆哮を合図に戦闘に入る。各自自分の役割を遂行しろ!」

 そう言うと吠えた。


「GuOOOOOOOOOO!!!!!!!! 」


 洞窟が揺れるが如く響く咆哮に、向こうの熊も焦ったのか、ゼノの咆哮で縮こまった部下達に向け怒鳴った。怒鳴った様に聞こえた。ゼノの咆哮の後だとショボく聞こえた。それでも効果があったのか、前面に展開していたモンスター達が一斉に前進してきた。一匹狼も付いてきた。部隊長のつもりだろうか?

 次いでナイト達が盾を打ちならし「挑発」のスキルでヘイトを稼ぎつつ、ナオヤ達はここから離脱して氷大熊の背後に行くべく異動していった。


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