15 / 16
15話 駆り出されました
しおりを挟む2ランクも上げてくれるらしい……逆に怪しいよね……まぁ、登録しようと思ってたからラッキーと言えばラッキーなのかな?しかし……
「ランクを上げて頂けるのは有りがたいんですが、私は名前を告げてませんよね?しかも、貴方が何者かも聞いてません。胡散臭さが半端ないんですが?」
「おっ?そうか言ってなかったな。俺の名はガイン。ここラフィーラ王国ラフィレの街、冒険者ギルドラフィロ支部長だ。それでお前は……トールであってるよな?」
「……なぜ名前を知っている?」
俺がこの世界に降り立ち、まだ一日も経っていない。名乗ったのも街の入り口の警備兵と隣のおばちゃんだけだ。しかもほぼ真っ直ぐここに来ている。
俺が警戒の姿勢をとると
「ははっ、警戒させちまったか?
何故名前を知ってるかだが、南門の警備兵のデリィースから冒険者ギルドに問合せがあったのさ。
『トールと言う少年が来たが冒険者か?ランクは何か?』
ってな。照会してみたが、この地域でトールという名で少年というほどの年齢の冒険者に該当者がいなかった。デリィースになぜ照会させたか聞いたら、ゴブリンの異常な繁殖の兆しを報告に来たって言うじゃねぇか。しかもそいつはホブゴブリンのパーティーまで単独討伐してるって言うしな。で、俺は思った訳さ『もしかしたら冒険者登録に来るんじゃねぇか?』てな。それで俺が直々に受付で待ってたって訳さ」
待ち構えられてた〰
「折角俺が受付に座ってるってのに、お前さんが中々来ないもんで退屈してたんだぜ?
で、するよな冒険者登録。まぁ冒険者登録なんかはどこの街でも出来るけどよ……Eランク から始められるってのは今ここでの登録だけだぜ?
……怪しんでスルーして2年棒に振るか、今飛び込んでE ランクをゲットするか。考えるまでもないと思うがなぁ?冒険者にはなるつもりなんだろ?」
「……わかったよ。ここで登録するよ。ちゃんとランク上げてくれよ?」
「おぅ!そいつは任しとけ!それじゃこの書類を書いてくれ。字書けるか?代筆もできるが」
「いや、書けるから大丈夫。」
書類を書いて渡して、渡したそれをガインが確認したあと奥にいる事務員?に渡した。渡された事務員は何かをタイピングしている。
タイピングの終わった事務員が、その機械から今度はドックタグ……映画なんかで軍人が着けてる認識表……と名刺サイズの謎金属のセットを出してきた。
「トール、この2つに書いてあることを確認したら、最後にこれらに血を1滴づつ垂らしてくれ。」
「これは?」
「これらは、個人特定するための簡単な魔道具だ。まぁドックタグはそのまんまギルド員を示すものだな。もうひとつの方は体に張り付けてもらうもんだ。前はドックタグだけだったんだが、それで生死を偽る奴が居てな。まぁ心配すんな!貼り付けちまえば生体と一体化して違和感はなくなる。それで死んじまったら、この2つを照らし合わせて本人確認するのさ。
それで貼り付けるとこのお勧めは心臓がある辺りかな。こいつは魔道具って言ったよな?こいつを張り付けたとこを中心に半径30cmぐらいに防御幕を形成してくれんだよ。これが中々優れもんでな。体から出てる少ない魔力で動いててな。燃料いらずなのに最後の生死の境目には生き残れたりするのさ。
だからと言って手足はやめとけよ?そっちはすぐ取れちまうから」
最後のは冒険者ギルドあるあるのブラックジョークか?しかし中々優れものの様だ
俺は受け取ったタグとプレートに血を垂らす。血を出すための針が受付に置いてあったけど、誰が使ったのか判んないようなのは使う気にならず、指の先端を噛みきった。
すると一瞬淡く光って消えた。それを見届けた、ギルド長のガインが
「よし、これで登録完了だ。ギルド章はさっき言った位置がお薦めだ。後で自分で付けといてくれ。
でだ、ギルド員になったお前さんに初仕事だ。ギルドからの緊急特別指名依頼『ゴブリンの異常な繁殖の疑い有り森を調査せよ』だ。よろしく頼むぜ!」
「!ちょ、ちょっと待ってくれ!今登録したやつに何で指名依頼なんかできるのさ?」
「いやいや、大丈夫だぞ?指名依頼はE ランクから受け付けてる。しかも緊急特別指名依頼は断れない。断ったら除名だ。」
計られた
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる