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現在⑶
⑽黒柴
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あの時、白木さんに名字について聞かれていた。
なぜかというと、いつもやつだった。黒柴という名字だからか、どうしても柴犬を思い出すらしい。
確かに黒柴犬ならかわいいが、別に自分自身がかわいいわけじゃないよ。ただの名字に過ぎない。
それでも、ツボにはまってしまうと誰しも聞きたくなるのだろう。
特に面白くもないと思うけど。
ちょっと雑談できるくらい今日は暇だった。少しは慣れて周りも見渡せるようになったし、だから白木さんはそんな話をしてきたんだろうし。
白木さんが、次の荷物が来るからって準備してた。そんな時間か、と時計を見た。
出入り口を見た時に……、
見たのは、配送のトラックじゃなく、一般車両。
しかも、入り口に目掛けて一直線に入ってきた!!
そして、偶然白木さんは入り口近くにいた。
車が突っ込んできた。
すべてが一瞬だった。
車がすべてをなぎ倒して、店の中に入ってきた。激しい音がして、何か破裂したような、爆発したような、大きな音。
そして、ガラスの割れる音。
自分はレジカウンターの中にいた。 だから何もケガもなかった。
車が来る前に中から、白木さんに声をかけたはず。
突っ込んできたのが見えたから、何か言って避けてもらおうとしたはず。
激しい音がして気がついた時には、店の中はぐちゃぐちゃでひどい有り様だった。
ほんの5分前まで、普通に店は営業してたのに。
我に帰って、白木さんを探した。店の中だから、すぐに見つかったけど…。
白木さんは、突っ込んできた車のすぐ近くにいた。直接的には当たってないが、車がなぎ倒した棚に挟まれていた。
それに……、ガラスの破片でどこか切れたようで出血していた。
ガラスは粉々とはいかないけど、大きな破片はない。でも手のひらぐらいの破片がいくつもある。
なんで、こんなガラスで切れたと思ったけど、本当に当たりが悪いとしか言いようがなかった。
サイレンの音。
そうだ、救急車。でも自分も震えていて、ガクガクしている。何が起こったかはわかってる。
でも、驚き過ぎてしなきゃいけないことも、だんだんわからなくなってきた。
なんで、どうして、いきなりこんなことになったんだろう…。
さっきまで、いつも通りだったのに……。
なぜかというと、いつもやつだった。黒柴という名字だからか、どうしても柴犬を思い出すらしい。
確かに黒柴犬ならかわいいが、別に自分自身がかわいいわけじゃないよ。ただの名字に過ぎない。
それでも、ツボにはまってしまうと誰しも聞きたくなるのだろう。
特に面白くもないと思うけど。
ちょっと雑談できるくらい今日は暇だった。少しは慣れて周りも見渡せるようになったし、だから白木さんはそんな話をしてきたんだろうし。
白木さんが、次の荷物が来るからって準備してた。そんな時間か、と時計を見た。
出入り口を見た時に……、
見たのは、配送のトラックじゃなく、一般車両。
しかも、入り口に目掛けて一直線に入ってきた!!
そして、偶然白木さんは入り口近くにいた。
車が突っ込んできた。
すべてが一瞬だった。
車がすべてをなぎ倒して、店の中に入ってきた。激しい音がして、何か破裂したような、爆発したような、大きな音。
そして、ガラスの割れる音。
自分はレジカウンターの中にいた。 だから何もケガもなかった。
車が来る前に中から、白木さんに声をかけたはず。
突っ込んできたのが見えたから、何か言って避けてもらおうとしたはず。
激しい音がして気がついた時には、店の中はぐちゃぐちゃでひどい有り様だった。
ほんの5分前まで、普通に店は営業してたのに。
我に帰って、白木さんを探した。店の中だから、すぐに見つかったけど…。
白木さんは、突っ込んできた車のすぐ近くにいた。直接的には当たってないが、車がなぎ倒した棚に挟まれていた。
それに……、ガラスの破片でどこか切れたようで出血していた。
ガラスは粉々とはいかないけど、大きな破片はない。でも手のひらぐらいの破片がいくつもある。
なんで、こんなガラスで切れたと思ったけど、本当に当たりが悪いとしか言いようがなかった。
サイレンの音。
そうだ、救急車。でも自分も震えていて、ガクガクしている。何が起こったかはわかってる。
でも、驚き過ぎてしなきゃいけないことも、だんだんわからなくなってきた。
なんで、どうして、いきなりこんなことになったんだろう…。
さっきまで、いつも通りだったのに……。
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