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*ヴェイル視点 36
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「やめないか!仲間割れをしている場合ではないだろう!」
俺達が睨み合っていると、樹人族の異能者リアーナ殿が止めに入った。
「止めるな、リアーナ殿。どう見ても、魔物の王は、あの体に慣れていない。今が、アイツを仕留める好機なんだ!」
「少し冷静になれ、バレイン。彼女は、ヴェイルの番なのだぞ?神の慈悲たる番を殺す気か?どの種族よりも神への信仰心が強い鳥人族のそなたが?」
「クゥッ…。」
リアーナ殿の諭すような言葉に、鳥人族の異能者が反論をやめ考え込む。
その僅かな隙を抜けて、エルフがステラに迫った。
「クソッ!しつこい!」
駆けるエルフの背に、俺は拘束魔法を放つ。しかし、俺の魔法が届く直前、エルフの体が地面に崩れ落ちた。エルフは地面に膝を突き、頭を押さえて蹲る。
何があった?
どうして、エルフの異能が消えている?
なぜ、これほど魔力が減っているんだ?
視線を感じ、顔を上げると、光の拘束の中で微笑むステラの瞳が俺を捉えた。
「さあ、始めよう。」
ステラの口が、魔物の王の合図を告げた瞬間、身の毛もよだつ咆哮が、辺りから響き渡った。
俺は、警戒を強め、周囲を見渡す。
グルリと見回した視線が、ある一点の異変に止まった。
「湖が…。」
その場にいる全員の視線が、湖に向く。無色透明だった湖は、中心が渦を巻き、黒く染まっていた。
「さあ、来い、同胞達。本能のまま、殺戮を始めよう。母たる魔の願いのために。」
魔物の王の呼びかけに応え、湖の中心から、三体の大型の魔物が飛び出してきた。
それは、四肢や体の各部分を違う生き物でチグハグに繋ぎ合わせたような酷く不気味な姿をしていた。
「何だ、アレは!?あの魔物、体に複数の核を持っているぞ!?」
「あんな姿の魔物は、見たことがない。」
「どういうことだ?魔力量も尋常じゃないぞ!?」
湖上を飛び交う異様な魔物の姿に、さすがの異能者達も動揺し始める。
それを横目に、俺は以前、ニルセンが言っていた事を思い出していた。
「バルフレア山で、共食いを始めた魔物の成れの果てか。」
俺は、その異様な姿に、ニルセンが言っていた事を思い出していた。
「成れの果てとは、随分と酷いな。お前達と遊びやすいように姿を変えてやったというのに。」
「ステラ…。」
思わず彼女の名前を呟いた俺の下に、魔物の王が、フェーイレーン殿の拘束を解いて、悠然と歩いてきた。
ステラの体は、ここから見る限り、巫女の浄化が効いているようには見えない。
クソッ!どうしたら…。
「お前はまだ、我をステラと呼ぶのか!ハハ、ステラなどという娘は、初めから存在しなかったというのに。」
「そんな事ないわ!ステラはステラよ!私の大切な家族だわ!」
巫女が、息を乱しながら、ステラの行く先を遮った。
「フェイ!もう一度、ステラを押さえて!」
「しかし…。」
異能の行使を躊躇したフェーイレーン殿を、嘲笑しながら魔物の王は告げる。
「無駄だ!無駄だ!我とこの体の相性は、想像以上に良い。見ろ!」
魔物の王は、俺達に見せつけるように、隣に蹲るエルフの肩に手を置いた。
俺達が睨み合っていると、樹人族の異能者リアーナ殿が止めに入った。
「止めるな、リアーナ殿。どう見ても、魔物の王は、あの体に慣れていない。今が、アイツを仕留める好機なんだ!」
「少し冷静になれ、バレイン。彼女は、ヴェイルの番なのだぞ?神の慈悲たる番を殺す気か?どの種族よりも神への信仰心が強い鳥人族のそなたが?」
「クゥッ…。」
リアーナ殿の諭すような言葉に、鳥人族の異能者が反論をやめ考え込む。
その僅かな隙を抜けて、エルフがステラに迫った。
「クソッ!しつこい!」
駆けるエルフの背に、俺は拘束魔法を放つ。しかし、俺の魔法が届く直前、エルフの体が地面に崩れ落ちた。エルフは地面に膝を突き、頭を押さえて蹲る。
何があった?
どうして、エルフの異能が消えている?
なぜ、これほど魔力が減っているんだ?
視線を感じ、顔を上げると、光の拘束の中で微笑むステラの瞳が俺を捉えた。
「さあ、始めよう。」
ステラの口が、魔物の王の合図を告げた瞬間、身の毛もよだつ咆哮が、辺りから響き渡った。
俺は、警戒を強め、周囲を見渡す。
グルリと見回した視線が、ある一点の異変に止まった。
「湖が…。」
その場にいる全員の視線が、湖に向く。無色透明だった湖は、中心が渦を巻き、黒く染まっていた。
「さあ、来い、同胞達。本能のまま、殺戮を始めよう。母たる魔の願いのために。」
魔物の王の呼びかけに応え、湖の中心から、三体の大型の魔物が飛び出してきた。
それは、四肢や体の各部分を違う生き物でチグハグに繋ぎ合わせたような酷く不気味な姿をしていた。
「何だ、アレは!?あの魔物、体に複数の核を持っているぞ!?」
「あんな姿の魔物は、見たことがない。」
「どういうことだ?魔力量も尋常じゃないぞ!?」
湖上を飛び交う異様な魔物の姿に、さすがの異能者達も動揺し始める。
それを横目に、俺は以前、ニルセンが言っていた事を思い出していた。
「バルフレア山で、共食いを始めた魔物の成れの果てか。」
俺は、その異様な姿に、ニルセンが言っていた事を思い出していた。
「成れの果てとは、随分と酷いな。お前達と遊びやすいように姿を変えてやったというのに。」
「ステラ…。」
思わず彼女の名前を呟いた俺の下に、魔物の王が、フェーイレーン殿の拘束を解いて、悠然と歩いてきた。
ステラの体は、ここから見る限り、巫女の浄化が効いているようには見えない。
クソッ!どうしたら…。
「お前はまだ、我をステラと呼ぶのか!ハハ、ステラなどという娘は、初めから存在しなかったというのに。」
「そんな事ないわ!ステラはステラよ!私の大切な家族だわ!」
巫女が、息を乱しながら、ステラの行く先を遮った。
「フェイ!もう一度、ステラを押さえて!」
「しかし…。」
異能の行使を躊躇したフェーイレーン殿を、嘲笑しながら魔物の王は告げる。
「無駄だ!無駄だ!我とこの体の相性は、想像以上に良い。見ろ!」
魔物の王は、俺達に見せつけるように、隣に蹲るエルフの肩に手を置いた。
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