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*ヴェイル視点 7
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俺が異能の青炎を派手に使い、竜の視線を引き付ける。その隙に、強力な攻撃魔法を持つ騎士達が、遠距離から竜に傷を付けていった。
長時間の戦いで、騎士達は消耗しているものの、俺を囮にした作戦は上手くいっていた。
もう少し。
もう少しで、俺の青炎も竜の内部に届く。
ボロボロに削られた皮膚目掛けて、俺は青炎を纏った剣を突き立てた。
やっと与えられた一太刀に、俺は目一杯の異能の力を注ぐ。このまま竜の腹の中を、俺の炎が焼き尽くす勢いで。
すると、俺の魔力と竜の魔が、ぶつかり合い、周りに激しい突風を生み出した。
吹き荒れる風の中、俺の目に、天高く飛び上がった一人の騎士の姿が写った。瞬き程の一瞬の合間に、月光のような淡い光が、一直線に空間を切り裂く。次の瞬間、アレン団長の見事な一閃が、竜の尾を斬り落としていた。
ギャオーーー!
竜が断末魔の叫び声を上げて、地に崩れ落ちた。
手足を必死に動かし、もがいてはいるものの、尾を切り離されたことで、バランス感覚を失った竜は、いつまで経っても立ち上がれない。
俺は、剣をしっかりと握り直し、ゆっくり竜の首元に近付いた。
その様子に、疲弊していた騎士達にも、安堵が広がる。
これで終わりだな。
そう心が緩んだ瞬間、竜が大きな口を開いた。
「団長ーーー!」
騎士の誰かが叫んだのと同時に、竜の口から黒い炎が吐き出される。
「ぐっ...。」
ギリギリで張った結界ごと、俺の体は後方に吹き飛ばされた。
太い木に打ち付けられた衝撃は、結界では防げない。強い痛みが体中に伝わり、一瞬、呼吸が止まる。
しかし、何とか意識を保ち、俺は冷静に自分の体の状況を分析した。
背中は痛いが、体は動く。
手足も問題ない。
ああ、愛用の剣は折れたか...。
クソっ、油断した。
腹から込み上げる血混じりの胃液を吐き捨てて、俺は折れた剣を放り投げた。
「団長、大丈夫ですか?」
「ああ。」
俺は、駆け寄ってきた部下から、予備の剣を受け取る。
その時、ふと違和感を感じて、粉塵が舞う中心に目を凝らした。
なぜ、襲ってこない?
お前にとって、俺は最高の餌だろう?
どうした?
感じていた違和感の中から、底知れない恐怖が這い上がってくる。
俺は一目散に竜がいた場所へ駆け出し、魔法で砂埃を吹き飛ばした。
いない。
逃げたのか?
あんな体で、一体どこへ...。
俺の嫌な予感は当たり、そこには、焼けた地面だけが残っていた。
俺はすぐに気配を探り、辺りを見回す。
燃えた木々の先に、竜が這いずった後の痕跡を見つけた。
ダメだ!あの方角は!
俺は体の痛みなど忘れて、森に消えた竜を全速力で追いかけた。
長時間の戦いで、騎士達は消耗しているものの、俺を囮にした作戦は上手くいっていた。
もう少し。
もう少しで、俺の青炎も竜の内部に届く。
ボロボロに削られた皮膚目掛けて、俺は青炎を纏った剣を突き立てた。
やっと与えられた一太刀に、俺は目一杯の異能の力を注ぐ。このまま竜の腹の中を、俺の炎が焼き尽くす勢いで。
すると、俺の魔力と竜の魔が、ぶつかり合い、周りに激しい突風を生み出した。
吹き荒れる風の中、俺の目に、天高く飛び上がった一人の騎士の姿が写った。瞬き程の一瞬の合間に、月光のような淡い光が、一直線に空間を切り裂く。次の瞬間、アレン団長の見事な一閃が、竜の尾を斬り落としていた。
ギャオーーー!
竜が断末魔の叫び声を上げて、地に崩れ落ちた。
手足を必死に動かし、もがいてはいるものの、尾を切り離されたことで、バランス感覚を失った竜は、いつまで経っても立ち上がれない。
俺は、剣をしっかりと握り直し、ゆっくり竜の首元に近付いた。
その様子に、疲弊していた騎士達にも、安堵が広がる。
これで終わりだな。
そう心が緩んだ瞬間、竜が大きな口を開いた。
「団長ーーー!」
騎士の誰かが叫んだのと同時に、竜の口から黒い炎が吐き出される。
「ぐっ...。」
ギリギリで張った結界ごと、俺の体は後方に吹き飛ばされた。
太い木に打ち付けられた衝撃は、結界では防げない。強い痛みが体中に伝わり、一瞬、呼吸が止まる。
しかし、何とか意識を保ち、俺は冷静に自分の体の状況を分析した。
背中は痛いが、体は動く。
手足も問題ない。
ああ、愛用の剣は折れたか...。
クソっ、油断した。
腹から込み上げる血混じりの胃液を吐き捨てて、俺は折れた剣を放り投げた。
「団長、大丈夫ですか?」
「ああ。」
俺は、駆け寄ってきた部下から、予備の剣を受け取る。
その時、ふと違和感を感じて、粉塵が舞う中心に目を凝らした。
なぜ、襲ってこない?
お前にとって、俺は最高の餌だろう?
どうした?
感じていた違和感の中から、底知れない恐怖が這い上がってくる。
俺は一目散に竜がいた場所へ駆け出し、魔法で砂埃を吹き飛ばした。
いない。
逃げたのか?
あんな体で、一体どこへ...。
俺の嫌な予感は当たり、そこには、焼けた地面だけが残っていた。
俺はすぐに気配を探り、辺りを見回す。
燃えた木々の先に、竜が這いずった後の痕跡を見つけた。
ダメだ!あの方角は!
俺は体の痛みなど忘れて、森に消えた竜を全速力で追いかけた。
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