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心地良い。
癒される。

最近は、本当に大変だった。
のんびりお昼寝したのなんて、いつ振りか。

閉じた瞼の裏から、淡い光を感じる。深い眠りから、私の意識が浮上し始めた。


ああ、気持ちいい。

温かい日差しの中、私の頭を誰かが優しく撫でている。


誰?
でも、この手は凄く落ち着くの。

ふと、隣にいる存在が身動ぎした。それに釣られて、私はゆっくりと目を開けた。



「おはよう、リル。」
目の前には、穏やかに笑うウィルの顔があった。


「ウィル!だ、大丈夫!?」
目覚めたウィルの無事を確認しようと、私は上半身を起こす。でも、それ以上動けない。
ウィルの腕が、私の体をがっしりと囲って離さなかった。


「ウィ、ウィル、ちょっと離して!」
私達がいる所は、ベッドの上だった。
さすがに、これはまずいし、恥ずかしい。


「どうして?リルと私は、離れる必要なんてないでしょう?それに、どうやら私は、リルと繋がっちゃったみたいなんだよね。」


え?繋がった?は?
混乱した私は、自分の衣服を確認する。

大丈夫!
乱れてはいるけれど、ボタンはしっかり止まっている。


「ハハッ!違うよ、リル。まあ、私はそっちでもいいけどね。ほら、これだよ。」
そう言ってウィルは、前髪を掻き上げて、両目をしっかりと見せる。
私は恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、おずおずとウィルの瞳を覗き込んだ。


「...っう、うそ。」

少し潤んだウィルの瞳には、私と同じ、瞳孔を囲う金の冠が浮かんでいた。
それだけではない。
ウィルの中からは、私の魔力を感じる。
理花の、神から貰った魔力を。


私は、ウィルの魔力を更に深く覗く。
その際、ウィルに流した私の魔力が何の抵抗もなく、ウィルの中へと入っていく。まるで自分の体のように。
疑問に思いながらも、私はウィルの体を調べた。


何、これ。どうしてこんな...。

ウィルの魔力の根元が、理花の魔力の根元を一部、しっかりと抱え込んでいた。
でもなぜか、取り込むでも、混ざり合うでもなく、ただ囲い込んでいるだけなのだ。



「理花に会ったよ。」
混乱する私の頭を、ウィルが優しく撫でる。


「...そっか。ウィルは、私の秘密を知ったのね。」

「うん。やっと、リルの謎が解けたよ。理花が、キミの原動力だったんだね。」
ウィルが、胸元に私を強く抱き寄せた。


「ちょっ、ちょっと!」

「リル、分かる?私の中に、リルの一部があるんだ。君の大切な理花の一部が。」

抱き寄せられたウィルの胸からは、ドクドクと大きな心臓の鼓動が聞こえた。


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